江戸川乱歩:人間椅子2
江戸川乱歩の人間椅子のタイピングです。
手紙の内容に入ります。
奥様、~なるでございましょう。まで。3に続きます。
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問題文
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(おくさま、)
奥様、
(おくさまのほうでは、すこしもごぞんじのないおとこから、)
奥様の方では、少しも御存じのない男から、
(とつぜん、このようなぶしつけなおてがみを、さしあげますつみを、)
突然、此様な無躾な御手紙を、差上げます罪を、
(いくえにもおゆるしくださいませ。)
幾重にもお許し下さいませ。
(こんなことをもうしあげますと、おくさまは、)
こんなことを申上げますと、奥様は、
(さぞかしびっくりなさることでございましょうが、)
さぞかしびっくりなさる事で御座いましょうが、
(わたしはいま、あなたのまえに、)
私は今、あなたの前に、
(わたしのおかしてきました、よにもふしぎなざいあくを、)
私の犯して来ました、世にも不思議な罪悪を、
(こくはくしようとしているのでございます。)
告白しようとしているのでございます。
(わたしはすうかげつのあいだ、まったくにんげんかいからすがたをかくして、)
私は数か月の間、全く人間界から姿を隠して、
(ほんとうに、あくまのようなせいかつをつづけてまいりました。)
本当に、悪魔の様な生活を続けて参りました。
(もちろん、ひろいせかいにだれひとり、)
勿論、広い世界に誰一人、
(わたしのしょぎょうをしるものはありません。)
私の所業を知るものはありません。
(もし、なにごともなければ、わたしは、このままえいきゅうに、)
若し、何事もなければ、私は、このまま永久に、
(にんげんかいにたちかえることはなかったかもしれないのでございます。)
人間界に立帰ることはなかったかも知れないのでございます。
(ところが、ちかごろになりまして、)
ところが、近頃になりまして、
(わたしのこころにあるふしぎなへんかがおこりました。)
私の心にある不思議な変化が起りました。
(そして、どうしても、この、わたしのいんがのみのうえを、)
そして、どうしても、この、私の因果の身の上を、
(ざんげしないではいられなくなりました。)
懺悔しないではいられなくなりました。
(ただ、かようにもうしましたばかりでは、)
ただ、かように申しましたばかりでは、
など
(いろいろごふしんにおぼしめすてんもございましょうが、)
色々御不審に思召す点もございましょうが、
(どうか、ともかくも、)
どうか、兎も角も、
(このてがみをおわりまでおよみくださいませ。)
この手紙を終りまで御読み下さいませ。
(そうすれば、なぜ、わたしがそんなきもちになったのか。)
そうすれば、何故、私がそんな気持ちになったのか。
(またなぜ、このこくはくを、ことさらおくさまにきいていただかねばならぬのか、)
又何故、この告白を、殊更奥様に聞いて頂かねばならぬのか、
(それらのことが、ことごとくめいはくになるでございましょう。)
それらのことが、悉く明白になるでございましょう。