尾崎豊　風の迷路

(ゆきかうひとなみのなかおもいえがくすべてに)

行き交う人波の中　思い描く全てに

(こわれそうなこころをいだいてしまうのはなぜだろう)

壊れそうな心を抱いてしまうのは何故だろう

(そっとひとみとじるようにこころのいたみかくして)

そっと瞳閉じるように　心の傷み隠して

(ひとにぎりのしあわせすらうばわれてしまうかなしみはなぜ)

ひとにぎりの幸せすら奪われてしまう悲しみは何故

(えいえんというなのもとにわすれてしまいたいよ)

永遠という名のもとに忘れてしまいたいよ

(こんなむねのいたみはせおいきれるものでもない)

こんな胸の傷みは背負いきれるものでもない

(ひかりがまぶしすぎるだれのせいでもないのさ)

光が眩しすぎる　誰のせいでもないのさ

(ふっとまよいこんだかぜのゆくえのめいろ)

ふっと迷い込んだ　風の行方の迷路

(さあもうふかくねむろうしんじつよやすらかに)

さあ　もう深く眠ろう　真実よ　安らかに

(こんやもゆううつなきもちにくるまりながら)

今夜も憂鬱な気持ちにくるまりながら

(まださきのことなんかなにもみえやしないから)

まだ先のことなんか　何も見えやしないから

(やっぱりきょうもおなじこと)

やっぱり今日も同じこと

(くりかえしてしまうのだろう)

繰り返してしまうのだろう

(なにをさがしもとめるのかみつけるすべもないのに)

何を探し求めるのか　見つける術もないのに

(かなしみのゆくえにながされてしまいそうさ)

悲しみの行方に流されてしまいそうさ

(しんじつのなのもとにくらしてゆくならば)

真実の名のもとに暮らして行くならば

(どこかにあるのだろうかひとのこころのやすらぎが)

どこかにあるのだろうか　人の心の安らぎが

(いつかふりかえるときにきずあとすらもえがおで)

いつか振り返る時に　傷跡すらも笑顔で

(うけとめられるだろうかくやむこともないままに)

受け止められるだろうか　悔やむこともないままに

(ああときはながれてくしんじつよやすらかに)

ああ時は流れてく　真実よ　安らかに

(こんやもすてきなゆめとたわむれるだろう)

今夜も素敵な夢と戯れるだろう

(あいというなのもとにひとがちかうものはなに)

愛という名のもとに人が誓うものは何

(こころはどこかにとじこめられてしまいそう)

心はどこかに閉じ込められてしまいそう

(しんじてもいいのかそのことばのあるがまま)

信じてもいいのか　その言葉のあるがまま

(けれどなみだがこぼれるむなしさのなか)

けれど涙がこぼれる　虚しさの中

(さああしたのすがたをしんじつよやすらかに)

さあ　明日の姿を　真実よ　安らかに

(よぞらにうかべてねむろうしずかに)

夜空に浮かべて眠ろう　静かに