刀 -5-

cicciさんのアカウント
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順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | berry | 7527 | 神 | 7.7 | 97.4% | 389.1 | 3007 | 78 | 63 | 2025/06/10 |
2 | HAKU | 7202 | 王 | 7.5 | 96.1% | 405.4 | 3042 | 122 | 63 | 2025/06/13 |
3 | Jyo | 6028 | A++ | 6.1 | 97.5% | 486.7 | 3008 | 74 | 63 | 2025/06/12 |
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問題文
(ぼくもおずおずとめいしをさしだす。)
僕もおずおずと名刺を差し出す。
(「さかもとさん」)
「坂本さん」
(まだそのひびきになれない。ぎめいをつかうのはしょちょうにむりやりあてがわれたからだが、)
まだその響きに慣れない。偽名を使うのは所長に無理やりあてがわれた体が、
(いつもこのうそがみぬかれないかとふあんになる。)
いつもこの嘘が見抜かれないかと不安になる。
(ぼくのしょうらいにたいするはいりょらしいが、)
僕の将来に対する配慮らしいが、
(そんなやっかいごとにまきこまれるかのうせいをおそれるなら)
そんなやっかいごとに巻き込まれる可能性を恐れるなら
(そもそもこんなししょうみたいなひとについてまわりはしないのだが・・・・・)
そもそもこんな師匠みたいな人について回りはしないのだが・・・・・
(「ぼくのほうはじょしゅというか、あの、ただのつきそいです」)
「僕の方は助手というか、あの、ただの付き添いです」
(くちょうがきにいらなかったのかししょうが「どうどうとしてろ」と)
口調が気に入らなかったのか師匠が「堂々としてろ」と
(めではっぱをかけながらぼくのあしをこづいた。)
目で発破をかけながら僕の足を小突いた。
(「さっそくですが、ごいらいのしなをおみせいただきたい」)
「さっそくですが、ご依頼の品をお見せいただきたい」
(けいやくにかんするやりとりをおえて、ししょうはそうきりだした。)
契約に関するやりとりを終えて、師匠はそう切り出した。
(「ええ、いま」)
「ええ、いま」
(くらもちしはりょうてをついてたちあがった。)
倉持氏は両手をついて立ち上がった。
(ふたりだけになったへやでぼくはししょうにこえをひそめてはなしかけた。)
二人だけになった部屋で僕は師匠に声をひそめて話しかけた。
(「なにかかんじますか」)
「なにか感じますか」
(しずかなにほんかおくはそとのむしあつさがこころなしかかんわされたようなくうかんで、)
静かな日本家屋は外の蒸し暑さが心なしか緩和されたような空間で、
(すこしづつあせがひいていくのがここちよかった。)
少しづつ汗が引いていくのが心地よかった。
(ししょうはたたみからかべ、そしててんじょうのよすみへとくびをめぐらせたあとで)
師匠は畳から壁、そして天井の四隅へと首を巡らせた後で
(「なにも」といった。)
「なにも」と言った。
(ぼくもどうかんだった。しんれいげんしょうのけはいなどなにもかんじない。)
僕も同感だった。心霊現象の気配などなにも感じない。
(どうやらくらもちしのおもいこみのかのうせいがたかいようだ。)
どうやら倉持氏の思い込みの可能性が高いようだ。
(ということは、じぶんのしょゆうするしゅうしゅうぶつのなかにひとをきったかたながあってほしいという)
ということは、自分の所有する蒐集物の中に人を斬った刀があって欲しいという
(かれのがんぼうがいかにつよいかということをあんにしめしているきがして、)
彼の願望がいかに強いかということを暗に示している気がして、
(すこしきがおもくなった。)
少し気が重くなった。
(せんだってのべんきょうかいできんせんのたかをこえたそのふかかちのそんざいを)
先だっての勉強会で金銭の多寡を超えたその付加価値の存在を
(にんしきしてしまったことがかれのせいしんにあたえたえいきょうはおおきいとおもわざるをえない。)
認識してしまったことが彼の精神に与えた影響は大きいと思わざるを得ない。
(そしてそれはこのいらいのなんいどにもかかわるもんだいだった。)
そしてそれはこの依頼の難易度にも関わる問題だった。
(もしかたなをみてもししょうがなにもかんじとれなければ、)
もし刀を見ても師匠が何も感じ取れなければ、
(そのとおりつげておわるというものではないかもしれない。)
その通り告げて終わるというものではないかも知れない。
(だからあのくらもちしのいかめしいひょうじょうのことをおもうと)
だからあの倉持氏のいかめしい表情のことを思うと
(どうしてもきがおもくなるのだった。)
どうしても気が重くなるのだった。
(「おまたせしました」)
「お待たせしました」
(そのとうにんがもどってきてざにつく。そうぞうにかえしてそのてはそらだった。)
その当人が戻って来て座につく。想像に反してその手は空だった。
(そんなぼくらのしせんにはんのうしてかるくえみをうかべる。)
そんな僕らの視線に反応して軽く笑みを浮かべる。
(「ごかんていいただくものはべっしつによういしてあります」)
「ご鑑定いただくものは別室に用意してあります」
(そのまえに、とくらもちしはふくめをもたせるようにすこしまをおいた。)
その前に、と倉持氏は含めを持たせるように少し間を置いた。
(「ごひょうばんをうかがってそうだんしたしだいではありますが、)
「ご評判を伺って相談した次第ではありますが、
(こうしたことはわたしもはじめてですし、てれびなどでれいのうしゃのかたをはいけんすることが)
こうしたことは私も初めてですし、テレビなどで霊能者の方を拝見することが
(ありますが、なかなかどうしてみなさんそれぞれにやりかたもちがえば)
ありますが、なかなかどうして皆さんそれぞれにやり方も違えば
(おっしゃることもちがいますので、なんともうしましょうか、ま、わたしもそうしたかたに)
仰ることも違いますので、なんと申しましょうか、ま、私もそうした方に
(おあいするきかいもなく、いったいぜんたいどういうものだろうと、)
お会いする機会もなく、いったいぜんたいどういうものだろうと、
(こうおもうところもございまして」)
こう思う所もございまして」
(ししょうのかおがくもった。)
師匠の顔が曇った。
(まわりくどいいいかただが、ようするにしょうこをみせろといっているのだ。)
回りくどい言い方だが、ようするに証拠を見せろと言っているのだ。
(ひとをきったかたなかどうかじんちをこえたちからでかんていするというのだから、)
人を斬った刀かどうか人知を超えた力で鑑定するというのだから、
(それがなにののうりょくもないにんげんにてきとうなほらをいわれたのでは)
それが何の能力もない人間に適当なホラを言われたのでは
(たまらないということか。)
たまらないということか。
(じぶんからたのみにきておきながら、したたかなものだ。)
自分から頼みに来ておきながら、したたかなものだ。
(どうするのかとおもってみているとししょうはかるくいきをはいて)
どうするのかと思って見ていると師匠は軽く息を吐いて
(「いいでしょう」といった。)
「いいでしょう」と言った。
(「わたしはししゃのれいとこうかんすることができます。)
「私は死者の霊と交感することができます。
(ですから、もしひとをきりころしたかたながあれば)
ですから、もし人を斬り殺した刀があれば
(そこにこびりつくししゃのれいをみることができるでしょう。)
そこにこびり付く死者の霊を見ることができるでしょう。
(・・・・・たとえばあなたのせなかにいまもよりそうおくさまのように」)
・・・・・たとえばあなたの背中に今も寄り添う奥様のように」
(そらきがかわった。くらもちしのかおがきんちょうでふるえる。)
空気が変わった。倉持氏の顔が緊張で震える。
(「どうしてやもめだと?」)
「どうしてやもめだと?」
(「みえるからですよ。そしておくさまはわたしにさまざまなことをおしえてくれます。)
「見えるからですよ。そして奥様は私に様々なことを教えてくれます。
(あなたはせんだいからつづくしょくりょうひんのおろしぎょうでりっぱないうちをたてられた。)
あなたは先代から続く食料品の卸業で立派ない家を建てられた。
(いまではむすこさんにかいしゃをゆずられ、ゆうゆうじてきにくらしてしゅみをたのしまれている。)
今では息子さんに会社を譲られ、悠々自適に暮らして趣味を楽しまれている。
(となりにならんでいるのがそのむすこさんふうふのいえですね」)
隣に並んでいるのがその息子さん夫婦の家ですね」
(こーるどりーでぃんぐだ!)
コールドリーディングだ!
(ぼくはこうふんした。)
僕は興奮した。