四つの顔 -3-

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師匠シリーズ
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問題文

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(そういっておもいだそうとしていたが、しばらくたってから「たしかc」)

そう言って思い出そうとしていたが、しばらく経ってから「たしかC」

(というへんじをようやくしぼりだした。)

という返事をようやく搾り出した。

(「なによそれ」といいながら、いちばんすくないというdじゃなかったことに、)

「なによそれ」と言いながら、一番少ないというDじゃなかったことに、

(こころなしかほっとしているようだ。)

心なしかホッとしているようだ。

(そのあとは、どうしてにんげんのかおがよんぱたーんにみえてしまうのかという)

その後は、どうして人間の顔が四パターンに見えてしまうのかという

(なぞをときあかす、というよりかんぜんにきょうみほんいで、てれびにでてくるゆうめいじんのかおを)

謎を解き明かす、というより完全に興味本位で、テレビに出てくる有名人の顔を

(つぎつぎにあげてはどのぐるーぷにぞくするかをむりやりにききだし、)

次々に挙げてはどのグループに属するかを無理やりに聞き出し、

(それにいっきいちゆうしてたのしんでいた。)

それに一喜一憂して楽しんでいた。

(「ちょっと、わたしのcのくみ、ぶすばっかりじゃない。どうなってんの」)

「ちょっと、わたしのCの組、ブスばっかりじゃない。どうなってんの」

(「たまたまでしょう。おとこまえのはいゆうもいたじゃないですか」)

「たまたまでしょう。男前の俳優もいたじゃないですか」

(「おんなはぶすだらけじゃない」)

「女はブスだらけじゃない」

(「じょゆうとじょしあなつかまえてぶすぶすって、あんまりでしょ。)

「女優と女子アナつかまえてブスブスって、あんまりでしょ。

(どういうきじゅんなの」)

どういう基準なの」

(「そういえばbはびじんそろってるきがしますね」)

「そういえばBは美人揃ってる気がしますね」

(「aはなんかごちゃまぜってかんじ。こせいがないのよこせいが」)

「Aはなんかごちゃまぜって感じ。個性がないのよ個性が」

(そんなことをいいあってはわらいとばしていたのだが、)

そんなことを言いあっては笑い飛ばしていたのだが、

(だんだんみんなきづきはじめた。)

だんだんみんな気づき始めた。

(おれがくうきをさっしてそれをいいだそうとすると、)

俺が空気を察してそれを言い出そうとすると、

(それよりさきにさわださんがくちをひらく。)

それより先に沢田さんが口を開く。

(「・・・・・dは?」)

「・・・・・Dは?」

など

(まだだれもdのぐるーぷにぞくするひとがでてこなかった。)

まだ誰もDのグループに属する人が出てこなかった。

(けっこうなかずのゆうめいじんやしりあいをかたっぱしからあげていったというのに。)

結構な数の有名人や知り合いをかたっぱしから挙げていったというのに。

(それをきいたやましたさんはいっしゅん、なにかにおびえるようなひょうじょうをうかべて)

それを聞いた山下さんは一瞬、なにかに怯えるような表情を浮かべて

(いいよどんだ。)

言い淀んだ。

(みんなにじっとみつめられ、やがておずおずとくちにだす。)

みんなにじっと見つめられ、やがておずおずと口に出す。

(「し、しってるひとには、いない」)

「し、知ってる人には、いない」

(ばがしずかになる。きもちのわるいちんもくだ。)

場が静かになる。気持ちの悪い沈黙だ。

(「それ、どんだけすくないのよ。dのひとってよっぽどはぶられてんのね」)

「それ、どんだけ少ないのよ。Dの人ってよっぽどハブられてんのね」

(みかっちさんがかるいくちょうでいったが、)

みかっちさんが軽い口調で言ったが、

(へんなよいんをのこしてそのごびがちゅうにきえた。)

変な余韻を残してその語尾が宙に消えた。

(「じゃあ、dのひとってどんなとこでみるんです」)

「じゃあ、Dの人ってどんなとこで見るんです」

(おそるおそるおれがそうきくと、やましたさんはこわばったかおをしてめがねのおくのしせんを)

恐る恐る俺がそう訊くと、山下さんは強張った顔をして眼鏡の奥の視線を

(おちつかなげにじょうげさせた。)

落ち着かなげに上下させた。

(「み、み、みちで、とか」)

「み、み、道で、とか」

(どうしてそんないいかたになるのだろう。はっきりいえばいいのに。)

どうしてそんな言い方になるのだろう。はっきり言えばいいのに。

(そうじゃないと、なんだか・・・・・)

そうじゃないと、なんだか・・・・・

(こわくなってくる。)

怖くなってくる。

(「あと・・・・・・・・・」)

「あと・・・・・・・・・・」

(そういってまようようなしぐさをみせた。)

そう言って迷うような仕草を見せた。

(みんなそれをへんにきんちょうしたおももちでみつめる。)

みんなそれを変に緊張した面持ちで見つめる。

(そばにあったからのかんびーるをなかばむいしきにもちあげかけて、)

そばにあった空の缶ビールを半ば無意識に持ち上げかけて、

(いっしゅんそのかるさにおどろいたようなかおをしたあと、やましたさんはゆっくりとくちをひらいた。)

一瞬その軽さに驚いたような顔をした後、山下さんはゆっくりと口を開いた。

(「へやのなか、とか」)

「部屋の中、とか」

(ぞくりとする。)

ゾクリとする。

(なんだ、へやのなかって。)

なんだ、部屋の中って。

(おうらいですれちがうふとくていたすうのひとびとのなかにまざってごくしょうすうだが)

往来ですれ違う不特定多数の人々の中に混ざってごく少数だが

(dにぞくするかおをしたひとがいる、というならいめーじはわく。)

Dに属する顔をした人がいる、というならイメージは湧く。

(なのに。)

なのに。

(へやのなか?)

部屋の中?

(いみがわからない。じょうきょうせっていがみえてこない。)

意味が分からない。状況設定が見えてこない。

(みんなやましたさんのげんどうからめがはなせなくなっていた。)

みんな山下さんの言動から目が離せなくなっていた。

(「ほんとうにつかれてるときだけど、こ、こないだおふろにはいろうとして)

「ほんとうに疲れてる時だけど、こ、こないだお風呂に入ろうとして

(せんめんじょのどあをあけたら、まだおゆはってないゆぶねに、たってるんだ」)

洗面所のドアを開けたら、まだお湯張ってない湯船に、立ってるんだ」

(え?どういうこと。どういうこと。)

え?どういうこと。どういうこと。

(さわださんがそんなことばをくちのなかでつぶやく。)

沢田さんがそんな言葉を口の中で呟く。

(「だ、だれだかわからない。くべつのつかないかお。)

「だ、誰だか分からない。区別のつかない顔。

(なんどかみたことがある、いちばんすくないかお」)

何度か見たことがある、一番少ない顔」

(それが、たってて。)

それが、立ってて。

(と、やましたさんははんわらいのようなへんなかおをしてつづける。)

と、山下さんは半笑いのような変な顔をして続ける。

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