青空の日

(あなたがとおくへいってからどれだけたったとおもってんの)

あなたが遠くへ行ってから　どれだけ経ったと思ってんの

(きょうみたいにはれたあおぞらもきっとはいいろにみえてたんでしょ)

今日みたいに晴れた青空もきっと灰色に見えてたんでしょ

(ちかごろやたらにおもいだすあなたとみたつきやほしのかたち)

近頃やたらに思い出す　あなたと見た月や星の形

(いっこくもはやくはいじょしたいからばかみたいなこえでうたった)

一刻も早く排除したいから　馬鹿みたいな声で歌った

(かってにこのへやをでていかれたあとのあとかたづけはほんとうにたいへんだったよ)

勝手にこの部屋を出ていかれた後の　後片付けは本当に大変だったよ

(なにがだいじなものでなにをすてるべきかあなたにきかなきゃわかんなくて)

何が大事なもので何を捨てるべきか　あなたに聞かなきゃ分かんなくて

(それでもぼくやぼくらにはどうしたってあしたはくるから)

それでも僕や僕等には　どうしたって明日は来るから

(むりやりにでもじぶんをなっとくさせていろいろすてたりかかえたりした)

無理矢理にでも自分を納得させて　色々捨てたり抱えたりした

(いまごろどこにいるのかなどかんがえてもわかるようなことじゃないから)

今頃何処にいるのかなど　考えても分かるような事じゃないから

(いちいちきずつくのもめんどうくさくなってなるべくあたまをからっぽにして)

一々傷つくのも面倒臭くなって　なるべく頭を空っぽにして

(するともうなにもかもどうでもよくなってだれとかかわるのもいやになって)

するともう何もかもどうでも良くなって　誰と関わるのも嫌になって

(あなたのいたことのだいじさをぎゃくにいやでもおもいしる)

あなたの居た事の大事さを　逆に嫌でも思い知る

(いいたいことはやまほどあったそのうちのいくつかはもうわすれてしまった)

言いたいことは山程あった　そのうちのいくつかはもう忘れてしまった

(こんなにはれたあおぞらのひにはよるになればほしがせいだいにひかるよ)

こんなに晴れた青空の日には　夜になれば星が盛大に光るよ

(めがくらむほどのまぶしさのなかでたしかにぼくはあなたといた)

目が眩む程の眩しさの中で　確かに僕はあなたと居た

(きらわれんのがこわくてきずつけるのがきらいでなんどもなんどものみこんではくるしくて)

嫌われんのが怖くて　傷つけるのが嫌いで　何度も何度も飲み込んでは苦しくて

(けっきょくきぶんがわるくなってもうなにもかもはきだしちゃってさ)

結局気分が悪くなって　もう何もかも吐き出しちゃってさ

(がまんなんてできやしないならさいしょっからそうすりゃよかった)

我慢なんて出来やしないなら　最初っからそうすりゃ良かった

(ずるくてよわくておくびょうでばかでそのくせひといちばいあいされたくて)

ずるくて弱くて臆病で馬鹿で　そのくせ人一倍愛されたくて

(いやなところばかりにていたからなるべくわらってごまかしていた)

嫌な所ばかり似ていたから　なるべく笑って誤魔化していた

(ねぇかってにこのこころからでていかれたあとのあとかたづけはいまだてつかずなんだよ)

ねぇ　勝手にこの心から出て行かれた後の　後片付けはいまだ手付かずなんだよ

(なにがだいじなものでなにをすてるべきかじぶんのこころなのにもうわかんなくて)

何が大事なもので何を捨てるべきか　自分の心なのにもう分かんなくて

(それでもぼくやぼくらにはどうしたってあしたはくるから)

それでも僕や僕等には　どうしたって明日は来るから

(あなたのいなくなったそのあなをからっぽにしたままでいきてるよ)

あなたの居なくなったその穴を　空っぽにしたままで生きてるよ

(いえないことがやまほどあったあなたにだってあったでしょ)

言えない事が山程あった　あなたにだってあったでしょ

(こんなにはれたあおぞらのひにはよるになればほしがせいだいにひかるよ)

こんなに晴れた青空の日には　夜になれば星が盛大に光るよ

(めがくらむほどのかがやきのなかにぼくらのいばしょなどありはしなかった)

目が眩む程の輝きの中に　僕等の居場所などありはしなかった

(そしてひびはすぎてかこもあしたもいまも)

そして日々は過ぎて　過去も明日も今も

(ぜんぶなにもなかったみたいににじんでうすれてきえていくとしても)

全部何も無かったみたいに　滲んで薄れて消えていくとしても

(それまでほんのすこしのあいだあなたとであっていきたぼくの)

それまで　ほんの少しの間　あなたと出会って生きた僕の

(こえもきおくもうずにのまれていく)

声も記憶も　渦に飲まれていく

(こんなにはれたあおぞらのひにはよるになればほしがせいだいにひかるよ)

こんなに晴れた青空の日には　夜になれば星が盛大に光るよ

(めがくらむほどのまぶしさのなかでこんどはひとりでわらっていくのさ)

目が眩む程の眩しさの中で　今度は一人で笑っていくのさ

(こんなにかがやくほしぞらのひにはあさになればまたたいようがめぐるよ)

こんなに輝く星空の日には　朝になればまた太陽が巡るよ

(そしてすべてのあたらしいいのちが)

そして全ての新しい命が