黒煙

(ああそうってあのこはいった)

ああそうってあの子は言った

(てれびにむかって)

テレビに向かって

(てんめつするごくさいしきにむかって)

点滅する極彩色に向かって

(そもそもきにいらないよ)

そもそも気に入らないよ

(きいろいかみのおとこもかんだかいおんなもようするにぜんぶ)

黄色い髪の男も 甲高い女も 要するに全部

(うたがっていきるくらいならこどくをのみこんで)

疑って生きるくらいなら 孤独を飲み込んで

(りかいされないままでしんでやるわって)

理解されないままで死んでやるわって

(いつかうまれたくろいかんじょうのだんぺんが)

いつか生まれた黒い感情の断片が

(ずっとうしろからおいかけてくるよ)

ずっと後ろから追いかけてくるよ

(あのさこんなきもちはなんていうんだろう)

あのさ こんな気持ちは何て言うんだろう

(やっとすこしはなれたきがしたのに)

やっと少しは慣れた気がしたのに

(きがつくともうほらせなかに)

気が付くともうほら 背中に

(「いつか」なんてもうこないさ)

「いつか」なんてもう来ないさ

(きみもそろそろまちくたびれたろう)

君もそろそろ待ちくたびれたろう

(ほらかなしむふりはもうやめな)

ほら悲しむ振りはもう止めな

(なみだなんてむなしいだけ)

涙なんて虚しいだけ

(「いつか」なんていいつづけて)

「いつか」なんて言い続けて

(すくわれたことなんかあるのかよ)

救われたことなんかあるのかよ

(またきたいはずれのきょうがきて)

また期待外れの今日が来て

(むじゅんにひきさかれて)

矛盾に引き裂かれて

(りかいされないままじゃしんだもどうぜんさ)

理解されないままじゃ死んだも同然さ

(いつかうまれたくろいかんじょうのだんぺんが)

いつか生まれた 黒い感情の断片が

(ずっとうしろからおいかけてくるよ)

ずっと後ろから追いかけてくるよ

(あのさこんなきもちはなんていうんだろう)

あのさ こんな気持ちは何て言うんだろう

(やっとすこしはなれたきがしたのに)

やっと少しは慣れた気がしたのに

(ときどきおもうよぜんぶもえてしまえばいいって)

時々思うよ 全部燃えてしまえばいいって

(うすぎたないきおくもかれたみらいも)

薄汚い記憶も 枯れた未来も

(あのさこんなきもちはなんていうんだろう)

あのさ こんな気持ちは何て言うんだろう

(かくれてもにげてもきづけばすぐそこに)

隠れても逃げても気付けばすぐそこに