有島武郎 或る女123(終)
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問題文
(よんじゅうくしゅじゅつをうけてからみっかをすぎていた。そのあいだひじょうにのぞましいけいかを)
【四九】 手術を受けてから三日を過ぎていた。その間非常に望ましい経過を
(とっているらしくみえたようだいはみっかめのゆうがたからとつぜんげきへんした。とつぜんのこうねつ、)
取っているらしく見えた容態は三日目の夕方から突然激変した。突然の高熱、
(とつぜんのふくつう、とつぜんのはんもん、それははげしいしゅううがにしかぜにともなわれてあらしがかった)
突然の腹痛、突然の煩悶、それは激しい驟雨が西風に伴われてあらしがかった
(てんきもようになったそのゆうがたのことだった。そのひのあさからなんとなくあたまの)
天気模様になったその夕方の事だった。その日の朝からなんとなく頭の
(おもかったようこは、それがてんこうのためだとばかりおもって、しいてそういうふうに)
重かった葉子は、それが天候のためだとばかり思って、しいてそういうふうに
(じぶんをせっぷくして、ゆうりょをおさえつけていると、さんじごろからどんどんねつが)
自分を説服して、憂慮を抑えつけていると、三時頃からどんどん熱が
(あがりだして、それとともにかふくぶのとうつうがおそってきた。しきゅうていせんこう?!)
上がり出して、それと共に下腹ぶの疼痛が襲って来た。子宮底穿孔?!
(なまじっかいしょをよみかじったようこはすぐそっちにきをまわした。きをまわしては)
なまじっか医書を読みかじった葉子はすぐそっちに気を回した。気を回しては
(しいてそれをひていして、いちじのばしにようだいのかいふくをまちこがれた。それはしかし)
しいてそれを否定して、一時延ばしに容態の回復を待ちこがれた。それはしかし
(むだだった。つやがあわててとうちょくいをよんできたときには、ようこはもうせいしを)
むだだった。つやがあわてて当直医を呼んで来た時には、葉子はもう生死を
(わすれてとこのうえにみをちぢみあがらしておいおいとないていた。)
忘れて床の上に身を縮み上がらしておいおいと泣いていた。
(いいんのほうこくでいんちょうもときをうつさずそこにかけつけた。おうきゅうのてあてとしてよんこの)
医員の報告で院長も時を移さずそこに駆けつけた。応急の手当てとして四個の
(ひょうのうがかふくぶにあてがわれた。ようこはねまきがちょっとはだにさわるだけのことにも、)
氷嚢が下腹ぶにあてがわれた。葉子は寝間着がちょっと肌に触るだけの事にも、
(せいめいのひっぱたかれるようないたみをおぼえておもわずきゃっときぬをさくような)
生命のひっぱたかれるような痛みを覚えて思わずきゃっと絹を裂くような
(さけびごえをたてた。みるみるようこはいっすんのみうごきもできないくらい)
叫び声を立てた。見る見る葉子は一寸(いっすん)の身動きもできないくらい
(とうつうにいためつけられていた。はげしいおとをたててこがいではあめのあしがかわらやねを)
疼痛に痛めつけられていた。激しい音を立てて戸外では雨の脚が瓦屋根を
(たたいた。むしむしするひるまのあつさはきゅうにひえびえとなって、にわかにくらく)
たたいた。むしむしする昼間の暑さは急に冷え冷えとなって、にわかに暗く
(なったへやのなかに、あめからにげのびてきたらしいかがぶーんとながくひいたおとを)
なった部屋の中に、雨から逃げ延びて来たらしい蚊がぶーんと長く引いた音を
(たててとびまわった。あおじろいうすやみにつつまれてようこのかおはみるみるくずれていった。)
立てて飛び回った。青白い薄闇に包まれて葉子の顔は見る見るくずれて行った。
(やせほそっていたほおはことさらげっそりとこけて、たかだかとそびえたはなすじのりょうがわには)
やせ細っていた頬はことさらげっそりとこけて、高々とそびえた鼻筋の両側には
(おちくぼんだりょうがんが、ちゅううのなかをところきらわずおどおどとなにものかをさがしもとめる)
落ちくぼんだ両眼が、中有の中を所きらわずおどおどと何物かをさがし求める
(ようにかがやいた。うつくしいこをえがいてのびていたまゆは、めちゃくちゃにゆがんで、)
ように輝いた。美しい弧を描いて延びていた眉は、めちゃくちゃに歪んで、
(みけんのはちのじのところにちかぢかとよりあつまった。かさかさにかわききったくちびるからは)
眉間の八の字の所に近々と寄り集まった。かさかさに乾ききった口びるからは
(はくいきばかりがつよくおしだされた。そこにはもうおんなのすがたはなかった。えたいの)
吐く息ばかりが強く押し出された。そこにはもう女の姿はなかった。得体の
(わからないどうぶつがもだえもがいているだけだった。まをおいてはさしこんでくる)
わからない動物が悶えもがいているだけだった。間を置いてはさし込んで来る
(いたみ・・・てつのぼうをまっかにやいて、それでしたばらのなかをところきらわずえぐりまわす)
痛み・・・鉄の棒をまっ赤に焼いて、それで下腹の中を所きらわずえぐり回す
(ようないたみがくると、ようこはめもくちもできるだけかたくむすんで、いきもつけなく)
ような痛みが来ると、葉子は目も口もできるだけ堅く結んで、息もつけなく
(なってしまった。なんにんそこにひとがいるのか、それをみまわすだけのきりょくも)
なってしまった。何人そこに人がいるのか、それを見回すだけの気力も
(なかった。てんきなのかあらしなのか、それもわからなかった。いなずまがそらをぬって)
なかった。天気なのかあらしなのか、それもわからなかった。稲妻が空を縫って
(はしるときには、それがじぶんのいたみがかたちになってあらわれたようにみえた。すこしいたみが)
走る時には、それが自分の痛みが形になって現われたように見えた。少し痛みが
(ひくとほっとといきをして、たすけをもとめるようにそこについているいいんにめで)
退くとほっと吐息をして、助けを求めるようにそこに付いている医員に目で
(すがった。いたみさえなおしてくれればころされてもいいというこころと、とうとう)
すがった。痛みさえなおしてくれれば殺されてもいいという心と、とうとう
(じぶんにちめいてきなきずをおわしたとうらむこころとがいりみだれて、せんぷうのようにからだじゅうを)
自分に致命的な傷を負わしたと恨む心とが入り乱れて、旋風のように体中を
(とおりぬけた。くらちがいてくれたら・・・きむらがいてくれたら・・・あのしんせつな)
通り抜けた。倉地がいてくれたら・・・木村がいてくれたら・・・あの親切な
(きむらがいてくれたら・・・そりゃだめだ。もうだめだ。・・・だめだ。)
木村がいてくれたら・・・そりゃだめだ。もうだめだ。・・・だめだ。
(さだよだってくるしんでいるんだ、こんなことで・・・いたいいたいいたい・・・つやは)
貞世だって苦しんでいるんだ、こんな事で・・・痛い痛い痛い・・・つやは
(いるのか(ようこはおもいきってめをひらいた。めのなかがいたかった)いる。しんぱいそうな)
いるのか(葉子は思いきって目を開いた。目の中が痛かった)いる。心配そうな
(かおをして・・・うそだあのかおがなにがしんぱいそうなかおなものか・・・みんなたにんだ・・・)
顔をして・・・うそだあの顔が何が心配そうな顔なものか・・・皆他人だ・・・
(なんのえんこもないひとたちだ・・・みんなのんきなかおをしてなにごともせずにただみている)
何の縁故もない人たちだ・・・皆のんきな顔をして何事もせずにただ見ている
(んだ・・・このなやみのひゃくぶんのいちでもしったら・・・あ、いたいいたいいたい!)
んだ・・・この悩みの百分の一でも知ったら・・・あ、痛い痛い痛い!
(さだこ・・・おまえはまだどこかにいきているのか、さだよはしんでしまったのだよ、)
定子・・・お前はまだどこかに生きているのか、貞世は死んでしまったのだよ、
(さだこ・・・わたしもしぬんだしぬよりもくるしい、このくるしみは・・・ひどい、)
定子・・・わたしも死ぬんだ死ぬよりも苦しい、この苦しみは・・・ひどい、
(これでしなれるものか・・・こんなにされてしなれるものか・・・なにか・・・)
これで死なれるものか・・・こんなにされて死なれるものか・・・何か・・・
(どこか・・・だれか・・・たすけてくれそうなものだのに・・・かみさま!)
どこか・・・だれか・・・助けてくれそうなものだのに・・・神様!
(あんまりです・・・ようこはみもだえもできないげきつうのなかで、しーつまで)
あんまりです・・・ 葉子は身悶えもできない激痛の中で、シーツまで
(ぬれとおるほどなあぶらあせをからだじゅうにかきながら、こんなことをつぎつぎにくちばしるのだったが、)
ぬれ通るほどな油汗を体中にかきながら、こんな事を次々に口走るのだったが、
(それはもとよりことばにはならなかった。ただときどきいたいというのがむごたらしく)
それは元より言葉にはならなかった。ただ時々痛いというのがむごたらしく
(きこえるばかりで、きずついたうしのようにさけぶほかはなかった。)
聞こえるばかりで、傷ついた牛のように叫ぶほかはなかった。
(ひどいふきぶりのなかによるがきた。しかしようこのようだいはけんあくになっていくばかり)
ひどい吹き降りの中に夜が来た。しかし葉子の容態は険悪になって行くばかり
(だった。でんとうがこしょうのためにこないので、しつないにはにほんのろうそくがかぜに)
だった。電灯が故障のために来ないので、室内には二本の蝋燭が風に
(あおられながら、うすぐらくともっていた。ねつどをはかったいいんはいちどいちど)
あおられながら、薄暗くともっていた。熱度を計った医員は一度一度
(そのそばまでいって、めをそばめながらどもりをみた。)
そのそばまで行って、目をそばめながら度盛を見た。
(そのよるくるしみとおしたようこはあけがたちかくにすこしいたみからのがれることができた。)
その夜苦しみ通した葉子は明け方近くに少し痛みからのがれる事ができた。
(しーつをおもいきりつかんでいたてをはなして、よわよわとひたいのところをなでると、たびたび)
シーツを思いきり掴んでいた手を放して、弱々と額の所をなでると、たびたび
(かんごふがぬぐってくれたのにもかかわらず、ぬるぬるするほどてもひたいもあぶらあせで)
看護婦が拭ってくれたのにも係わらず、ぬるぬるするほど手も額も油汗で
(しとどになっていた。「とてもたすからない」とようこはたにんごとのようにおもった。)
しとどになっていた。「とても助からない」と葉子は他人事のように思った。
(そうなってみると、いちばんつよいのぞみはもういちどくらちにあってただひとめそのかおを)
そうなってみると、いちばん強い望みはもう一度倉地に会ってただ一目その顔を
(みたいということだった。それはしかしのぞんでもかなえられることでないのに)
見たいという事だった。それはしかし望んでも叶えられる事でないのに
(きづいた。ようこのまえにはくらいものがあるばかりだった。ようこはほっとためいきを)
気づいた。葉子の前には暗いものがあるばかりだった。葉子はほっとため息を
(ついた。にじゅうろくねんかんのむねのなかのおもいをいっときにはきだしてしまおうとするように。)
ついた。二十六年間の胸の中の思いを一時に吐き出してしまおうとするように。
(やがてようこはふとおもいついてめでつやをもとめた。よどおしかんごによねんのなかった)
やがて葉子はふと思い付いて目でつやを求めた。夜通し看護に余念のなかった
(つやはめざとくそれをみてねどこにちかづいた。ようこははんぶんめつきにものをいわせ)
つやは目ざとくそれを見て寝床に近づいた。葉子は半分目つきに物をいわせ
(ながら、「まくらのしたまくらのした」といった。つやがまくらのしたをさがすとそこから、しゅじゅつの)
ながら、「枕の下枕の下」といった。つやが枕の下をさがすとそこから、手術の
(まえのばんにつやがかきとったかきものがでてきた。ようこはいっしょうけんめいなどりょくでつやに)
前の晩につやが書き取った書き物が出て来た。葉子は一生懸命な努力でつやに
(それをやいてすてろ、いまみているまえでやいてすてろとめいじた。ようこのめいれいは)
それを焼いて捨てろ、今見ている前で焼いて捨てろと命じた。葉子の命令は
(わかっていながら、つやがちゅうちょしているのをみると、ようこはかっとはらがたって、)
わかっていながら、つやが躊躇しているのを見ると、葉子はかっと腹が立って、
(そのいかりにぜんごをわすれておきあがろうとした。そのためにすこしなごんでいた)
その怒りに前後を忘れて起き上がろうとした。そのために少し和んでいた
(かふくぶのいたみがいっときにおしよせてきた。ようこはおもわずきをうしないそうになってこえを)
下腹ぶの痛みが一時に押し寄せて来た。葉子は思わず気を失いそうになって声を
(あげながら、あしをちぢめてしまった。けれどもいっしょうけんめいだった。もうしんだあとには)
上げながら、足を縮めてしまった。けれども一生懸命だった。もう死んだ後には
(なんにものこしておきたくない。なんにもいわないでしのう。そういうきもちばかりが)
何にも残しておきたくない。何にもいわないで死のう。そういう気持ちばかりが
(はげしくはたらいていた。「やいて」もんぜつするようなくるしみのなかから、ようこはただ)
激しく働いていた。「焼いて」悶絶するような苦しみの中から、葉子はただ
(ひとことこれだけをむちゅうになってさけんだ。つやはいいんにうながされているらしかったが、)
一言これだけを夢中になって叫んだ。つやは医員に促されているらしかったが、
(やがていちだいのろうそくをようこのみぢかにはこんできて、ようこのみているまえでそれをやき)
やがて一台の蝋燭を葉子の身近に運んで来て、葉子の見ている前でそれを焼き
(はじめた。めらめらとむらさきいろのほのおがたちあがるのをようこはたしかにみた。それをみると)
始めた。めらめらと紫色の焔が立ち上がるのを葉子は確かに見た。それを見ると
(ようこはこころからがっかりしてしまった。これでじぶんのいっしょうはなんにもなくなったと)
葉子は心からがっかりしてしまった。これで自分の一生は何にもなくなったと
(おもった。もういい・・・ごかいされたままで、じょおうはいましんでいく・・・)
思った。もういい・・・誤解されたままで、女王は今死んで行く・・・
(そうおもうとさすがにいちまつのあいしゅうがしみじみとむねをこそいでとおった。ようこはなみだを)
そう思うとさすがに一抹の哀愁がしみじみと胸をこそいで通った。葉子は涙を
(かんじた。しかしなみだはながれでないでめのなかがひのようにあつくなったばかりだった。)
感じた。しかし涙は流れ出ないで目の中が火のように熱くなったばかりだった。
(またもひどいとうつうがおそいはじめた。ようこはかみのしめぎにかけられて、じぶんのからだが)
またもひどい疼痛が襲い始めた。葉子は神の締め木にかけられて、自分の体が
(みるみるやせていくのをじぶんながらかんじた。ひとびとがうすきみわるげにみまもって)
見る見るやせて行くのを自分ながら感じた。人々が薄気味わるげに見守って
(いるのにもきがついた。それでもとうとうそのよるもあけはなれた。ようこはせいもこんも)
いるのにも気がついた。それでもとうとうその夜も明け離れた。葉子は精も根も
(つきはてようとしているのをかんじた。みをきるようないたみさえがときどきとおいことの)
尽き果てようとしているのを感じた。身を切るような痛みさえが時々遠い事の
(ようにかんじられだしたのをしった。もうしのこしていたことはなかったかとはたらきの)
ように感じられ出したのを知った。もう仕残していた事はなかったかと働きの
(にぶったあたまをけんめいにはたらかしてかんがえてみた。そのときふとさだこのことがあたまにうかんだ。)
鈍った頭を懸命に働かして考えてみた。その時ふと定子の事が頭に浮かんだ。
(あのかみをやいてしまってはきべとさだことがあうきかいはないかもしれない。だれかに)
あの紙を焼いてしまっては木部と定子とが会う機会はないかもしれない。誰かに
(さだこをたのんで・・・ようこはあわてふためきながらそのひとをかんがえた。うちだ・・・)
定子を頼んで・・・葉子はあわてふためきながらその人を考えた。内田・・・
(そうだうちだにたのもう。ようこはそのときふしぎななつかしさをもってうちだのしょうがいを)
そうだ内田に頼もう。葉子はその時不思議ななつかしさを持って内田の生涯を
(おもいやった。あのへんぱでがんこでいじっぱりなうちだのこころのおくのおくにちいさくひそんで)
思いやった。あの偏頗で頑固で意地っ張りな内田の心の奥の奥に小さく潜んで
(いるすみとおったたましいがはじめてみえるようなこころもちがした。ようこはつやにことうを)
いる澄み透った魂が始めて見えるような心持ちがした。葉子はつやに古藤を
(よびよせるようにめいじた。ことうのへいえいにいるのはつやもしっているはずだ。)
呼び寄せるように命じた。古藤の兵営にいるのはつやも知っているはずだ。
(ことうからうちだにいってもらったらうちだがきてくれないはずはあるまい、うちだは)
古藤から内田にいってもらったら内田が来てくれないはずはあるまい、内田は
(ことうをあいしているから。それからいちじかんくるしみつづけたあとに、ことうのれいのぐんぷくすがたは)
古藤を愛しているから。それから一時間苦しみ続けた後に、古藤の例の軍服姿は
(ようこのびょうしつにあらわれた。ようこのいらいをようやくのみこむと、ことうはいちずなかおに)
葉子の病室に現われた。葉子の依頼をようやく飲み込むと、古藤はいちずな顔に
(おもいいったひょうじょうをたたえて、いそいでざをたった。ようこはだれにともなににともなく)
思い入った表情をたたえて、急いで座を立った。葉子はだれにとも何にともなく
(いきをひきとるまえにうちだのくるのをいのった。しかしこいしかわにすんでいるうちだは)
息を引き取る前に内田の来るのを祈った。しかし小石川に住んでいる内田は
(なかなかやってくるようすもみせなかった。「いたいいたいいたい・・・いたい」)
なかなかやって来る様子も見せなかった。「痛い痛い痛い・・・痛い」
(ようこがぜんごをわすれわれをわすれて、たましいをしぼりだすようにこううめく)
葉子が前後を忘れわれを忘れて、魂をしぼり出すようにこう呻く
(かなしげなさけびごえは、おおあめのあとのはれやかななつのあさのくうきをかきみだして、)
悲しげな叫び声は、大雨のあとの晴れやかな夏の朝の空気をかき乱して、
(いたましくきこえつづけた。)
惨(いた)ましく聞こえ続けた。