夢野久作 いなか、の、じけん 4

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問題文
(きしゃのじつりょくしけん)
汽車の実力試験
(「このいしをせんろにおいたら、きしゃがひっくりかえるかかえらないか」)
「この石を線路に置いたら、汽車が引っくり返るか返らないか」
(「ばかなそれくらいのいしははねとばしていくにきまっとる」)
「馬鹿な……それ位の石はハネ飛ばして行くにきまっとる」
(「いんにゃひきわっていくじゃろうて」)
「インニャ……引き割って行くじゃろうて……」
(「ろんよりしょうこやってみい」)
「論より証拠やってみい」
(「よしきた」)
「よし来た」
(まもなくきかかったれっしゃは、ごうぜんたるおんきょうとともに、)
間もなく来かかった列車は、轟然《ごうぜん》たる音響と共に、
(そのいしをふんさいしてていしゃした。けんぶつしていたさんにんのせいねんはおどろいてにげだした。)
その石を粉砕して停車した。見物していた三人の青年は驚いて逃げ出した。
(あくるあささんにんが、むらのとこやでおちあってこんなはなしをした。)
あくる朝三人が、村の床屋で落ち合ってこんな話をした。
(「きのうはおそろしかったな。あんまりおおきなおとがしたもんで、)
「昨日《きのう》は恐ろしかったな。あんまり大きな音がしたもんで、
(おらあひっくりかえったかとおもうたぞ」)
おらあ引っくり返ったかと思うたぞ」
(「なあに。きかんしゃはぜんぶてつづくりじゃけにな。)
「ナアニ。機関車は全部鉄造りじゃけにな。
(あんげないしぐらいへでもなかろ」)
あんげな石ぐらい屁《へ》でもなかろ」
(「しかし、ひきくだいてからとまったのはなぜじゃろか。)
「しかし、引き砕いてから停まったのは何故じゃろか。
(くるまのはでもかけたとおもったんかな」)
車の歯でも欠けたと思ったんかな」
(「なあに。ひとをひいたとおもったんじゃろ」)
「ナアニ。人を轢《ひ》いたと思ったんじゃろ」
(こうしたはなしを、あたまをからせながらきいていたひとりのおとこは、)
こうした話を、頭を刈らせながらきいていた一人の男は、
(れっしゃぼうがいのはんにんそうさくにきていたけいじだったので、)
列車妨害の犯人捜索に来ていた刑事だったので、
(すぐにさんにんをほんしょへひっぱっていった。)
すぐに三人を本署へ引っぱって行った。
(そのなかのひとりはしょちょうのまえでふるえながらこうはくじょうした。)
その中の一人は署長の前でふるえながらこう白状した。
(「さんにんのなかでいしをおいたのはわたしでございます。)
「三人の中で石を置いたのは私で御座います。
(けれどもはねとばしてゆくとばかりおもうておりましたので)
けれどもはね飛ばしてゆくとばかり思うておりましたので……
(つみはいちばんかるいので」)
罪は一番軽いので……」
(といいおわらぬうちにじゅんさからよこつらをくらわせられた。)
と云い終らぬうちに巡査から横面《よこつら》を喰《くら》わせられた。
(さんにんはどうざいになった。)
三人は同罪になった。