磔刑の聖女
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歌詞(問題文)
(「ぞーんぬ」)
『ゾーンヌ』
(「さんけいのとだえたきるひぇ。たびあるきのがいげんしゅぴぁ。)
「参詣の途絶えた教会。旅歩きのヴァイオリン弾き。
(みぞうとなったはりつけのせいじょ。きみはなぜ、このきょうかいをこえてしまったのか。)
御像となった磔の聖女。君は何故、此の境界を越えてしまったのか。
(さぁうたってごらん・・・」)
さぁ唄ってごらん…」
(「さぁ、おちちうえがおまちです」)
「さぁ、お父上がお待ちです」
(にびいろのあしどりけついですすめる)
鈍色の足取り 決意で進める
(せなかにかぜをかんじていちどだけふりかえる)
背中に風を感じて 一度だけ振り返る
(よいやみのにおいはふしぎとなつかしく)
宵闇の匂いは 不思議と懐かしく
(せなかをおしてくれるそうそんなきさえしたわ)
背中を押してくれる そう そんな気さえしたわ
(おしよせるかなしみにひとりふるえてゆびでなぞるはるかとおいやくそく)
押し寄せる悲しみに 独り震えて 指でなぞる遥か遠い約束
((ああ)わきあがる(うつろなまま)にくしみの(うつろうまま))
(嗚呼)湧き上がる(虚ろな儘)憎しみの(移ろう儘)
(もろくいびつなときのはてにやみをみつめ(つみをあつめ)くちづけ)
脆く歪な刻の果てに闇を見つめ(罪を集め)接吻
(いま(いま)でも(なお)わすれ(おもい)られない(だせない))
今(今)でも(尚)忘れ(憶い)られない(だせない)
(「でんか、おじょうさまをおつれいたしました」)
「殿下、お嬢様をお連れ致しました」
(「ふむ、えりーざべと。よろこべ!はっはっはっ!おまえのけっこんあいてがきまったぞ!)
「ふむ、エリーザベト。喜べ!はっはっはっ!お前の結婚相手が決まったぞ!
(きゅうこんしてきたのはらいんぷふぁるつだ。)
求婚してきたのはラインプファルツだ。
(いきおくれにはねがってもないあいてだろう?」)
行き遅れには願ってもない相手だろう?」
(「おことばですがおにいさま」)
「お言葉ですがお兄様」
(「おとうさまとよべとなんどいったらわかるんだ」)
「お父様と呼べと何度言ったら分かるんだ」
(「いいえおにいさま、わたしはどなたのもとにもとつぐきはございません!」)
「いいえお兄様、私はどなたのもとにも嫁ぐ気はございません!」
(あいをいつわっていきるくらいならしんじつとともにしすこともいとわないわ)
愛を偽って生きるくらいなら 真実と共に死すことも厭わないわ
(ふたりでみつけたのばらがきみをつつむことをねがってぼひょうのまわりにうえたけど)
二人で見つけた野ばらが君を包む ことを願って墓標の周りに植えたけど
(けっきょくついのついまでさくことはなかったね・・・・・・)
結局遂の終まで咲くことはなかったね……
(げっこうにこいをしたとりかごのしろいとりは、)
月光に恋をした鳥籠の白い鳥は、
(ちにおちるとしりながら、さいごまではばたくよ。)
地に堕ちると知りながら、最期まで羽ばたくよ。
(だからこそよいやみにうたうのは、うらみのうたじゃないわ・・・・・・。)
だからこそ宵闇に唄うのは、憾みの唄じゃないわ……。
(「ヴぁるたー。)
「ヴァルター。
(おまえとははうえがみぶんをいつわってまでまもろうとしたもののけっかがこれだ」)
お前と母上が身分を偽ってまで守ろうとしたものの結果がこれだ」
(「でんか・・・」)
「殿下…」
(「ふっ、ふふふ、ふははははは!このばかむすめをはりつけにしろ」)
「ふっ、ふふふ、ふははははは!この馬鹿娘を磔にしろ」
(「でんか!」)
「殿下!」
(「なるほど、それできみははりつけにされたわけだね。)
「成る程、それで君は磔にされた訳だね。
(いちずなおもいをつらぬくのもけっこうだが、はたしてかれは、きみのしとひきかえてまで、)
一途な想いを貫くのも結構だが、果たして彼は、君の死と引き換えてまで、
(ほんとうにそれをのぞむのかな?まあいい。さぁふくしゅうげきをはじめようか」)
本当にそれを望むのかな?まあいい。さぁ復讐劇を始めようか」
(「いいえ、わたしはそんなことをのぞんでなどいないわ。)
「いいえ、私はそんなことを望んでなどいないわ。
(ひとにはそれぞれ、せおうべきたちばと、うんめいがある。)
人にはそれぞれ、背負うべき立場と、運命がある。
(あなたがあいにきてくれた。わたしにはそれだけでじゅうぶん。)
貴方が会いに来てくれた。私にはそれだけで十分。
(ねぇ、ほんとうにおぼえていないの?)
ねぇ、本当に覚えていないの?
(いまなお、まばゆい、あのひびさえも」)
今尚、眩い、あの日々さえも――」
(「・・・わたし、いまとてもどきどきしているわ。)
「…私、今とてもドキドキしているわ。
(だってもりは、せかいはこんなにひろいんですもの!」)
だって森は、世界はこんなに広いんですもの!」
(「じゃあ、きょうはとっておきのばしょをおしえてあげるね」)
「じゃあ、今日はとっておきの場所を教えてあげるね」
(「きれいなおはな」「わぁ、ほんとう」)
「綺麗なお花」「わぁ、本当」
(「つけてあげるよ」「ほんとう?かわいくしてね」)
「つけてあげるよ」「本当?可愛くしてね」
(「にあうよ」「ほんとう?うれしい」)
「似合うよ」「本当?嬉しい」
(「めるぜったい、ぜったいむかえにきてね!」)
「メル 絶対、絶対迎えにきてね!」
(「ああ、やくそくさ」)
「ああ、約束さ」
(「める、そんなになってまで、やくそくをまもってくれたのね」)
「メル、そんなになってまで、約束を守ってくれたのね」
(ひかりをなくしたきみをしばるつめたいくさりは)
焔を無くした君を縛る 冷たい鎖は
(ひかりをなくしたきみをおもうふたりのあいぞう)
愛を亡くした君を想う 二人の愛憎
(とりはそらへしたいはつちへかみをうらぎりつづけた)
鳥は空へ 屍体は土へ 摂理を裏切り続けた
(よるはあけておわりのあさへつぎのわかれこそえいえん)
夜は明けて終わりの朝へ 次の別離こそ永遠――
(でも・・・)
でも…
(こうかいなどしていないわああこれがわたしのじんせい)
後悔などしていないわ 嗚呼 これが私の人生
(ふぉんヴぇってぃんでも)
≪門閥貴族の令嬢≫でも
(ふぉんざくせんでもないわ)
≪七選帝侯の息女≫でもないわ
(わたしはえりーざべと)
私は≪一人の女≫
(ただきみだけをあいした)
唯 君だけを愛した――
(ただのえりーざべと)
唯のエリーザベト
(「なによめる、さっきからおかしいわよ、どうしちゃったの?)
「ナニヨメル、サッキカラ可笑シイワヨ、ドウシチャッタノ?
(あんなおんなのいうこと、まにうけけちゃだめよ!もうわすれれましょ!)
アンナ女ノ言ウコト、真ニ受ケチャダメヨ!モウ忘レマショ!
(ふくしゅうをつづけなきゃいけないわ。)
復讐ヲ続ケナキャイケナイワ。
(たとえなにがあったとしても。それがわたしたちのそんざいりゆうでしょ!?)
例エ何ガアッタトシテモ。ソレガ私達ノ存在理由デショ!?
(ねぇ、ほんとうにわかってるの!?める。)
ネェ、本当ニ分カッテルノ!?メル。
(ああぁ!もう!どうしてわかってくれないの!?めるのわからずや!)
アアァ!モウ!ドウシテ分カッテクレナイノ!?メルノ分カラズ屋!
(いまはもう、わたしだけがあなたのえりーぜなのよ!?)
今ハモウ、私ダケガ貴方ノエリーゼナノヨ!?
(これまでたのしくやってきたじゃない!)
コレマデ楽シクヤッテキタジャナイ!
(ふたりでいろんなふくしゅう、てつだってきたじゃない!!)
二人デ色ンナ復讐、手伝ッテキタジャナイ!!
(これからもきっとたのしいわ。そうよ、そうにきまっているわ。)
コレカラモキット楽シイワ。ソウヨ、ソウニ決マッテイルワ。
(あなたにはわたしが、わたしにはあなたがいるもの!このままつづけようよ!)
貴方には私ガ、私ニハ貴方ガイルモノ!コノママ続ケヨウヨ!
(ずっとふたりでつづけようよ!ねぇ!!)
ズット二人デ続ケヨウヨ!ネェ!!
(ずっと、ずっとずっとずっとつづけようよ!!)
ズット、ズットズットズット続ケヨウヨ!!
(このせかいがおわるまで、ううん!このせかいがおわっても、)
コノ世界ガ終ワルマデ、ウウン!コノ世界ガ終ワッテモ、
(ずっとずっといっしょにいようよ!)
ズットズット一緒ニイヨウヨ!
(ねぇ、いや、いやよめる、いや、いやいやいやあぁ!!)
ネェ、イヤ、イヤヨメル、イヤ、イヤイヤイヤアァ!!
(おねがい、おねがいよぅ、める・・・いやああああぁ!!!・・・」)
オ願イ、オ願イヨゥ、メル…イヤアアアアァ!!!…」
(「もう、いいんだよ。えりーぜ」)
「もう、いいんだよ。エリーゼ」