詩人バラッドの悲劇
厳密には『chronicle』かもしれませんがなじみ深い方にします。
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歌詞(問題文)
(だいななかんひゃくろくじゅうはちぺーじ)
『第七巻 一六八頁』
(さいごのうた・・・)
最期の詩……
(それはあまりにもすばらしく)
それはあまりにも素晴らしく
(へいはまちのこいびとにうたっておしえた)
兵は 街の恋人に詩って教えた
(やがてそのうたはひとからひとへとつたわり)
やがてその詩は 人から人へと伝わり
(だれがつづったかもわからぬそのなもなきうたは)
誰が綴ったかもわからぬ その名もなき詩は
(たいりくじゅうにひろまった・・・)
大陸中に広まった……
(つよくうつくしきときのじょおう)
強く美しき 時の女王
(ぜったいてきなけんりょくのまえにだれもがひざまづく)
絶対的な権力の前に 誰もがひざまづく
(きたるじょおうのたんじょうさい)
来る女王の誕生祭
(そのびぼうをたたえるうたをささげよと)
その美貌を称える詩を捧げよ と
(ひとりのしじんにめいじた・・・)
一人の詩人に命じた……
(じょおうはとう)
女王は問う
(「このよでいちばんうつくしいのはだれじゃ?」)
「この世で一番美しいのは誰じゃ?」
(しかしかれはゆずらない)
しかし 彼は譲らない
(「わたしのせかいではへいかはにばんめにおうつくしい・・・」)
「私の世界では 陛下は二番目にお美しい……」
(「かれてしまったはなのうつくしさ)
「枯れてしまった花の美しさ
(それはついおくというなのげんえい)
それは 追憶という名の幻影
(くちることなくとわにさきつづけられるていえん)
朽ちることなく 永遠に咲き続けられる庭園
(たとえけだかくうつくしきばらでさえ)
例え 気高く美しき薔薇でさえ
(はなであるいじょう、かれてしまったはなにはおよばない・・・」)
花である以上、枯れてしまった花には及ばない……」
(そのうたにじょおうはげっこうした)
その詩に女王は激昂した
(「そなたよにかれてしまえともうすのか!?」)
「そなた 余に枯れてしまえと申すのか!?」
(さいしょうのあいずひとつでへいたちはしじんをとりかこんだ)
宰相の合図一つで 兵達は詩人を取り囲んだ
(てんさいとうたわれししじん・・・かれのなはばらっど)
天才と謳われし詩人……彼の名はBallad
(いまはつめたいちかろうのすみさいごのうたをつづっている)
今は冷たい地下牢の隅 最期の詩を綴っている
(しょけいのときがちかづき)
処刑の刻が近づき
(むねにばらのもんしょうをだいたろうばんのへいは)
胸に薔薇の紋章を抱いた 牢番の兵は
(きいてしまったかれのつづったさいごのうたを)
聴いてしまった 彼の綴った最期の詩を
(さいごのかねがなりおわり)
最後の鐘が鳴り終わり
(しょけいはおごそかにとりおこなわれる)
処刑は厳かに執り行われる
(さいごのしゅんかんおもいだすのは)
最期の瞬間 思い出すのは
(こきょうのそらかぜのにおい)
故郷の空 風の匂い
(いまはなきかのじょとすごしたひび・・・)
今は亡き 彼女と過ごした日々……
(つめたいあきかぜがふゆをみちびくように)
冷たい秋風が冬を導くように
(たびのむすめがひとりおもいびとをたずねてさすらう)
旅の娘が一人 想い人を尋ねて流離う
(どこかなつかしいそのうたをくちずさみながら・・・)
どこか懐かしい その詩を口ずさみながら……