催眠レインコート

(こんなかなしいときとてもじゃないけど)

こんな悲しい時　とてもじゃないけど

(あたたかなべっどのなかではねむれない)

暖かなベッドの中では眠れない

(まよなかにおきだしてねむれるばしょをさがしまわり)

真夜中に起き出して　眠れる場所をさがしまわり

(いえじゅうをうろついた)

家中をうろついた

(ばするーむきっちんほんだなのかげげんかんたんすのなか)

バスルーム　キッチン　本棚の陰　玄関　タンスの中

(でもこんなかなしいときとてもじゃないけど)

でもこんな悲しい時　とてもじゃないけど

(しずけさのとばりのなかではねむれない)

静けさのとばりの中では眠れない

(なにもかもかわいてるつめたいゆめにかわききってる)

何もかも乾いてる　冷たい夢に乾ききってる

(あおざめたつきのまどひらいて)

青ざめた月の窓　開いて

(そらをみあげてそらに)

空を見上げて　空に

(ねえおねがいだからあめをふらせて)

ねえ　お願いだから雨を降らせて

(すましたかおしてわたしをみていないで)

すました顔して　わたしを見ていないで

(まのぬけたこもりうたきかせてくれるひまがあるなら)

間の抜けた子守唄　聴かせてくれるヒマがあるなら

(やねをうつどしゃぶりのはげしいあめのおとをきかせて)

屋根を打つどしゃ降りの　激しい雨の音を聴かせて

(ａｈ！それはとてもしんじられない)

AH！　それはとても信じられない

(さつじんてきなぜんだいみもんのどしゃぶり)

殺人的な前代未聞のどしゃ降り

(もうだれもなにもかんがえられないだれもなにもかんじられない)

もう誰も何も考えられない　誰も何も感じられない

(おもいだせない)

思い出せない

(さいみんれいんこーとさいみんれいんこーと)

催眠レインコート　催眠レインコート

(ほしいのはねむりだけこころはいらないぬれておもいから)

ほしいのは眠りだけ　心は要らない　濡れて重いから

(さいみんれいんこーとさいみんれいんこーと)

催眠レインコート　催眠レインコート

(つつまれてねむる)

包まれて眠る

(こんなかなしいときとてもじゃないけど)

こんな悲しい時　とてもじゃないけど

(おだやかなしとしとあめではねむれない)

穏やかなシトシト雨では　眠れない

(どしゃぶりのあめよふれわたしのやねはくずれおちて)

どしゃ降りの雨よ降れ　わたしの屋根は崩れ落ちて

(どしゃぶりのあめよふれわたしのいえはしずんでいく)

どしゃ降りの雨よ降れ　私の家は沈んでいく

(さかみちのきゅうりゅうをながされきえるさかなのむれ)

坂道の急流を　流され消える魚の群れ

(ゆらぐらいとあえぐくらくしょん)

揺らぐライト　あえぐクラクション

(よふけのまちはたきつぼのよう)

夜更けの街は滝壺のよう

(ねえおねがいだからあめをふらせて)

ねえ　お願いだから雨を降らせて

(まだまだこれくらいじゃたりない)

まだまだこれくらいじゃたりない

(ねえおねがいだからあめをふらせて)

ねえお願いだから雨を降らせて

(まだまだこれくらいじゃたりない)

まだまだこれくらいじゃたりない

(ねえおねがいだからあめをふらせて)

ねえお願いだから雨を降らせて

(まだまだこれくらいじゃたりない)

まだまだこれくらいじゃたりない