淑女ベリィの作り方

(ねむりからめざめて さいしょにめにしたのはふかふかのべっどだ)

眠りから目覚めて、 最初に目にしたのはふかふかのベッドだ。

(ここにしばりつけられたわたしのてあしとあたまと こいごころときすのあじ)

ここに縛りつけられた私の手足と頭と、 恋心とキスの味。

(かきまぜるなかみが きょうふにふるえているわたしをあざわらうかのように)

掻き混ぜる中身が、 恐怖に震えている私を嘲笑うかのように

(ぐるぐる)

グルグル。

(とびちるなめらかなかおりがしている るるるるるるる)

飛び散るなめらかな香りがしている るるるる、るる、る。

(こんなことになるくらいならいっそ くびをしめてころしてほしいな)

こんな事になるくらいならいっそ、 首を絞めて殺してほしいな。

(するするとなまあたたかいりょうてで あなたのくちもと)

するする、と生暖かい両手で。。 あなたの　口元―――。

(わたしをだきしめするどくつきたてる いっしょにこうちゃでもいかがですか)

私を抱きしめ、鋭く突き立てる。 一緒に紅茶でもいかがですか？

(かがみにみたてて それをみてにやり)

鏡に見立てて、 それを見てにやり。

(あなたはきみのわるいわらいがおで)

あなたは気味の悪い笑い顔で。

(おいしくめしあがれ)

美味しく召し上がれ。

(ぺろりとしたなめずりよくばりなあなた なみだをうかべてもにげられずに)

ぺろり、と舌なめずり。欲張りなあなた。 涙を浮かべても逃げられずに。

(とじこめられてただこいぬのように あなたのくちもと)

閉じ込められて、ただ子犬のように。 あなたの　口元―――――。

(ーあーあーあーあーあーあー)

―――――あ゜――――あ゜――――あ゜――あ――あ――あ――。

(わたしをだきしめするどくつきたてる きりさかれたあいだからあふれる)

私を抱きしめ、鋭く突き立てる。 切り裂かれた間から溢れる。

(ぬたりとしたなかみまっかなかじつです)

ぬたりとした中身、真っ赤な果実です。

(いたみにもだえるわたしのかおをみて)

痛みに悶える私の顔を見て。

(じょうずにできました)

―――――上手にできました。