水面下のサイエンス

(すいれんがさいているほのぐらいみなもに)

睡蓮が咲いている　仄暗い水面に

(いしをなげればもうもどらない)

石を投げれば　もう戻らない

(つみとっちゃだめよきみのことだから)

摘み取っちゃだめよ　君のことだから

(みずのなかでいきはできないでしょ)

水の中で息はできないでしょ？

(にんぎょはりくをめざしたがわたしにはわからないな)

人魚は陸を目指したが　私にはわからないな

(たしかにきみはにほんあし)

確かに君は二本足

(もうどくでとかしてあげようか)

猛毒で溶かしてあげようか？

(すいれんがさいたみなもごしにめがあう)

睡蓮が咲いた　水面越しに目が合う

(いとおしくてたまらない)

愛おしくて　たまらない

(ひきずりこんでしまいたい)

引きずり込んで　しまいたい

(ここはずっとじっけんしつ)

ここは　ずっと　実験室

(かんそくしゃはきみひとり)

観測者は君一人

(すいれんがさいているこのくらいみなもで)

睡蓮が咲いている　この暗い水面で

(さいはなげられたもうとめられない)

賽は投げられた　もう止められない

(つみとっちゃだめってわたしいったのに)

摘み取っちゃだめって　私言ったのに

(みずのなかでもがくきみをみた)

水の中でもがく君を見た

(ひとのしんかをみたいならわたしがすくってあげましょう)

ヒトの進化を見たいなら　私が救ってあげましょう

(くらいくらいみずのそこから)

暗い暗い水の底から

(きみのためにことばをはくよ)

君のために言葉を吐くよ

(さいれんすがよんでいるみずのそこでめがあう)

サイレンスが呼んでいる　水の底で目が合う

(ようこそわがじっけんしつへ)

ようこそ　我が　実験室へ

(いきしになんてくだらない)

生き死になんて　くだらない

(わたしはずっとまっていた)

私はずっと　待っていた

(えいえんのかんそくしゃを)

永遠の観測者を

(すいれんがちった)

睡蓮が散った

(そんなことはもういいから)

そんなことは　もういいから

(よくみてほらだいせいこうだ)

よく見てホラ　大成功だ！

(だいよんのみなもをこえたなら)

第四の水面を　越えたなら

(もうふかのうなんてないんだ)

もう不可能なんてないんだ

(かんそくしゃはもういない)

観測者はもういない