踊る人形3

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投稿者投稿者桃仔いいね0お気に入り登録
プレイ回数2950順位1918位  難易度(4.2) 5958打 長文 かな 長文モード可
シャーロック・ホームズシリーズ
アーサー・コナンドイルの作品です。句読点以外の記号は省いています。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 Lena 5174 B+ 5.6 92.1% 1052.5 5956 510 87 2024/04/18
2 とんとん 3292 D 3.7 89.9% 1643.1 6094 684 87 2024/02/24

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問題文

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(でーたがつぎつぎとあつまっています。それからみっかたって、かみのうえに)

「データが次々と集まっています。」「それから三日経って、紙の上に

(なぐりがかれたいちまいのでんごんが、ひどけいのうえにあるこいしにたてかけてありました。)

なぐり描かれた一枚の伝言が、日時計の上にある小石にたてかけてありました。

(これです。ごらんのとおり、さきほどとまったくおなじです。それでこのあと、わたしは)

これです。ご覧の通り、さきほどとまったく同じです。それでこのあと、私は

(ひとつまちぶせしてやろうとおもいたちまして、りヴぉるヴぁをよういしてしょさいから)

ひとつ待ち伏せしてやろうと思い立ちまして、リヴォルヴァを用意して書斎から

(しばふやにわをみはりました。ごぜんにじごろ、わたしはまどぎわにこしかけていて、そとは)

芝生や庭を見張りました。午前二時頃、私は窓際に腰掛けていて、外は

(つきあかりいがいまったくひかりがありません。そのときふとはいごにひとのけはいを)

月明かり以外まったく光がありません。そのときふと背後に人の気配を

(かんじました。どれっしんぐがうんをきたつまがおりまして、わたしにしんしつにかえるようにいうのですが)

感じました。化粧着を着た妻がおりまして、私に寝室に帰るように言うのですが

(わたしはすなおに、このふざけたいたずらのちょうほんにんをつきとめるつもりだと)

私は素直に、このふざけたいたずらの張本人を突き止めるつもりだと

(つげました。そうするとつまは、きっとつまらないいたずらなのだから、ふかく)

告げました。そうすると妻は、きっとつまらないいたずらなのだから、深く

(きにとめないでというのです。どうしてもおきになさるようでしたら、)

気にとめないでと言うのです。『どうしてもお気になさるようでしたら、

(ひるとんさん、いっそたびにでましょう ふたりで。そうすれば、)

ヒルトンさん、いっそ旅に出ましょう―ふたりで。そうすれば、

(わずらわしいことからのがれられますから。わたしはいいました。なに、)

わずらわしいことから逃れられますから。』私は言いました。『なに、

(ほんのいたずらのためにじぶんのいえからにげたとあっては、まったくせけんの)

ほんのいたずらのために自分の家から逃げたとあっては、まったく世間の

(わらいものではないか。とにかくしんしつにもどりましょう。とつまがいいます。)

笑いものではないか。』『とにかく寝室に戻りましょう。』と妻が言います。

(いろいろかんがえるのは、あさでもよろしいでしょう?そのとき、つまのかおにさっと)

『色々考えるのは、朝でもよろしいでしょう?』そのとき、妻の顔にさっと

(つきのひかりがさして、いっそうあおじろくみえました。つまのてがわたしのかたをぐっと)

月の光が差して、いっそう青白く見えました。妻の手が私の肩をぐっと

(つかんだとき、ものおきごやのかげで、なにかうごいているのにめがとまりました。)

つかんだとき、物置小屋の陰で、何か動いているのに目がとまりました。

(なにかさっとうごくくろいかげが、かどのあたりをはいまわって、とぐちのまえに)

何かさっと動く黒い影が、角のあたりをはい回って、戸口の前に

(うずくまったのです。わたしはやにわにけんじゅうをもってとびだそうとすると、つまは)

うずくまったのです。私はやにわに拳銃を持って飛び出そうとすると、妻は

(りょううででしっかりとわたしをだきとめて、ふるえるようなちからでおさえるのです。わたしは)

両腕でしっかりと私を抱きとめて、ふるえるような力で押さえるのです。私は

など

(つまをふりはなそうとしましたが、つまもひっしで、やっとふりはらってものおきへ)

妻を振り放そうとしましたが、妻も必死で、やっと振り払って物置へ

(いったときには、もうすがたがありませんでした。しかし、たしかになにかのいたけいせきが)

行ったときには、もう姿がありませんでした。しかし、確かに何かのいた形跡が

(あって、とびらのうえには、れいのおどるにんぎょうがあったのです。まえにかいとおなじえで、)

あって、扉の上には、例の踊る人形があったのです。前二回と同じ絵で、

(さきほどのかみにうつしたとおりです。それからしゅういをくまなくさがしましたが、)

さきほどの紙に写した通りです。それから周囲をくまなく探しましたが、

(なんのこんせきもありません。しかしまだおどろくことがありまして、そやつはそのあとも)

何の痕跡もありません。しかしまだ驚くことがありまして、そやつはその後も

(あらわれたらしく、よくあさになって、わたしがれいのとびらをみると、さくやみたもののしたに)

現れたらしく、翌朝になって、私が例の扉を見ると、昨夜見たものの下に

(さらにいくつかえがかれていたのです。いままでのものとべつのものですか?)

さらにいくつか描かれていたのです。」「今までのものと別のものですか?」

(ええ、とてもみじかいものですがうつしてきました、これです。いらいにんはまた)

「ええ、とても短いものですが写してきました、これです。」依頼人はまた

(いちまいのかみをとりだした。あたらしいおどりはつぎのとおりだ。おしえてください。と)

一枚の紙を取り出した。新しい踊りは次の通りだ。「教えてください。」と

(ほーむずがいう めをみれば、そのこうふんがみてとれる さいしょのものにただ)

ホームズが言う―目を見れば、その興奮が見てとれる―「最初のものにただ

(つけたされていたのか、それともべつのものとしてえがかれたように)

付け足されていたのか、それとも別のものとして描かれたように

(みえましたか?まえのとは、べつのいたにえがかれていました。すばらしい!)

見えましたか?」「前のとは、別の板に描かれていました。」「素晴らしい!

(これはなによりたいせつなしょうことなりましょう。ほしいものはそろいました。さて、)

これは何より大切な証拠となりましょう。欲しいものは揃いました。さて、

(ひるとんきゅーびっとさん、そのきょうみぶかいはなしをおつづけください。)

ヒルトン・キュービットさん、その興味深い話をお続けください。」

(もうこのさきはないのですが、ほーむずさん、ただ、わたしはそのひのばんにつまを)

「もうこの先はないのですが、ホームズさん、ただ、私はその日の晩に妻を

(しかりまして、わたしがくせものをつかまえようとでていくのをひきとめたんですからね。)

叱りまして、私が曲者をつかまえようと出て行くのを引き留めたんですからね。

(そうするとつまは、わたしがけがをしてはいけないからといいわけするのです。)

そうすると妻は、私が怪我をしてはいけないからと言い訳するのです。

(そのしゅんかん、こころによぎったんです。つまがあんじているのはわたしではなく、むこうの)

その瞬間、こころによぎったんです。妻が案じているのは私ではなく、向こうの

(けがなのではないかと、つまり、つまはあいてがなにものかをしっていて、そのへんな)

怪我なのではないかと、つまり、妻は相手が何者かを知っていて、その変な

(あんごうもわかっている。しかし、つまのこえのちょうしなんですよ、ほーむずさん、)

暗号もわかっている。しかし、妻の声の調子なんですよ、ホームズさん、

(めのいろも、どうもうそをついているとはおもえないんです。それでわたしは、やはり)

目の色も、どうも嘘をついているとは思えないんです。それで私は、やはり

(ほんとうにつまがしんぱいしたのは、わたしのみであったのだとかんがえます。これでもうはなしは)

本当に妻が心配したのは、私の身であったのだと考えます。これでもう話は

(おわりましたが、さてどうすればいいのか、ごじょげんいただきたいです わたしの)

終わりましたが、さてどうすればいいのか、ご助言いただきたいです―私の

(かんがえとしてはこしょうどもをご、ろくにんしげみにひそませて、でてきたくせものをしたたか)

考えとしては小姓どもを五、六人茂みに潜ませて、出てきた曲者をしたたか

(うちのめせば、いごわたしどもにちかよることもないかとぞんじますが。)

打ちのめせば、以後私どもに近寄ることもないかと存じますが。」

(そんなたんじゅんなてでおさまりはつきますまい。と、ほーむずはいう。)

「そんな単純な手で収まりはつきますまい。」と、ホームズは言う。

(ろんどんにはどのていどごたいざいで?きょうじゅうにはきたくを。つまをひとばんじゅうひとりに)

「ロンドンにはどの程度ご滞在で?」「今日中には帰宅を。妻を一晩中ひとりに

(しておくなんて、とんでもない。おびえきって、かならずかえってきてくれと)

しておくなんて、とんでもない。おびえきって、必ず帰ってきてくれと

(もうすのです。それがただしいかと。ごとうりゅうなら、いちりょうじつちゅうにはごどうこうしよう)

申すのです。」「それが正しいかと。ご逗留なら、一両日中にはご同行しよう

(かとおもいましたが では、このかみはあずからせてください。ちかいうちに)

かと思いましたが―では、この紙はあずからせてください。近いうちに

(おたずねして、このじけんにたしょうのこうみょうをなげかけることができるかとおもいます。)

お訪ねして、この事件に多少の光明を投げかけることができるかと思います。」

(しゃーろっくほーむずは、このいらいにんがたちさるまでそのしょくぎょうてきなれいせいを)

シャーロック・ホームズは、この依頼人が立ち去るまでその職業的な冷静を

(たもっていたが、ほーむずをじゅくちするわたしには、ほーむずのうちなるこうふんが)

保っていたが、ホームズを熟知する私には、ホームズの内なる興奮が

(みてとるようにわかる。ひるとんきゅーびっくのひろいせなかがとびらのむこうに)

見て取るようにわかる。ヒルトン・キュービックの広い背中が扉の向こうに

(きえると、すぐさまほーむずはつくえにはしりより、れいのおどるにんぎょうのかみをじぶんのまえに)

消えると、すぐさまホームズは机に走り寄り、例の踊る人形の紙を自分の前に

(ならべて、こみいったけいさんにじっととりくむのであった。にじかんばかり、なんまいも)

並べて、込み入った計算にじっと取り組むのであった。二時間ばかり、何枚も

(すうじともじをかくほーむずのすがたを、わたしはながめていた。そのしごとに)

数字と文字を書くホームズの姿を、私はながめていた。その仕事に

(ぼっとうするあまり、わたしのそんざいなどどこへやらというふうであった。ときにはじゅんちょうで)

没頭するあまり、私の存在などどこへやらという風であった。時には順調で

(くちぶえをふいたりくちずさんだり、またときにはなんじゅうしてじっとすわりこみ、まゆをひそめ)

口笛を吹いたり口ずさんだり、また時には難渋してじっと座り込み、眉をひそめ

(めをうつろにさせることもあった。やがてさいごにはいすからとびあがり)

目をうつろにさせることもあった。やがて最後には椅子から飛び上がり

(よろこびのこえをあげ、てをこすりあわせながら、へやじゅうをあるきまわる。)

喜びの声を上げ、手をこすり合わせながら、部屋中を歩き回る。

(それからほーむずはかいがいあてのながいでんぽうをかく。これのへんじがおもったとおりなら、)

それからホームズは海外宛の長い電報を書く。「これの返事が思った通りなら、

(きみはまたひとつあいくるしいじけんをきみのきろくにくわえられるよ、わとそん。)

君はまたひとつ愛くるしい事件を君の記録に加えられるよ、ワトソン。」

(という。あしたにはふたりでのーふぉーくへいき、あのいらいにんがおもいなやむ)

と言う。「明日にはふたりでノーフォークへ行き、あの依頼人が思い悩む

(なぞにたいして、はっきりしたことがつげられるものとおもう。しょうじき、わたしは)

謎に対して、はっきりしたことが告げられるものと思う。」正直、私は

(こころおどるおもいだった。しかしわかっている、ほーむずはいつもじぶんのころあいとりゅうぎで)

心踊る思いだった。しかしわかっている、ホームズはいつも自分の頃合と流儀で

(たねあかしをしたいにんげんなのだ。だから、ときあかすのにちょうどいいときが)

種明かしをしたい人間なのだ。だから、解き明かすのにちょうどいい時が

(くるまでまつことにした。だがへんしんはなかなかこなかった。もどかしくも)

くるまで待つことにした。だが返信はなかなか来なかった。もどかしくも

(ふつかがすぎ、ほーむずはよびりんにずっとみみをかたむけていた。ふつかめのゆうべに、)

二日が過ぎ、ホームズは呼び鈴にずっと耳を傾けていた。二日目の夕べに、

(ひるとんきゅーびっくからてがみがいっつうとどいた。それによれば、そのあとのしんぺんは)

ヒルトン・キュービックから手紙が一通届いた。それによれば、その後の身辺は

(せいおんだが、そのひのあさ、またひどけいのうえにながいかきこみあったからと、)

静穏だが、その日の朝、また日時計の上に長い書き込みあったからと、

(そのうつしがどうふうされていた。このとおりだ。ほーむずはすうふんのあいだ、このきかいな)

その写しが同封されていた。この通りだ。ホームズは数分のあいだ、この奇怪な

(たいじょうのえにみいっていたが、とつぜんこえをあげてたちあがった。おどろきとおののきが)

帯状の絵に見入っていたが、突然声を上げて立ち上がった。驚きとおののきが

(いりまじり、かおがしょうすいしている。ようすをみすぎたか。とほーむずはいった。)

入り交じり、顔が憔悴している。「様子を見すぎたか。」とホームズは言った。

(こんやのきたうぉーるしゃむいきのれっしゃは?わたしはじこくひょうをくってみた。)

「今夜の北ウォールシャム行きの列車は?」私は時刻表を繰ってみた。

(さいしゅうでんしゃがでたばかりだ。ではちょうしょくをはやめにとって、あさいちのきしゃに)

最終電車が出たばかりだ。「では朝食を早めにとって、朝一の汽車に

(のらねば。とほーむずがいう。かきゅうてきすみやかなこうどうだ。きた! たいぼうの)

乗らねば。」とホームズが言う。「可及的速やかな行動だ。来た! 待望の

(がいでんだ。ちょっとまって、はどそんさん、へんじがひつよう いや、おもったとおりだ。)

外電だ。ちょっと待って、ハドソンさん、返事が必要―いや、思った通りだ。

(このしらせがきたいじょう、いっこくのゆうよもならぬ。ひるとんきゅーびっとに)

この知らせが来た以上、一刻の猶予もならぬ。ヒルトン・キュービットに

(ことのしだいをしらせねば。これこそ、あののーふぉーくのじぬしにからみついている)

事の次第を知らせねば。これこそ、あのノーフォークの地主にからみついている

(あやしくきけんなくものいとなのだ。まさにそのことばどおりだった。)

怪しく危険な蜘蛛の糸なのだ。」まさにその言葉通りだった。

(たんなるこどもだましにおもえたおはなしの、あのあんたんたるけつまつにふでがおよんだら、わたしは)

単なる子どもだましに思えたお話の、あの暗澹たる結末に筆が及んだら、私は

(あのときかんじたせんりつをもういちどあじわうことになろう。どくしゃしょくんにはどうにかして)

あのとき感じた戦慄をもう一度味わうことになろう。読者諸君にはどうにかして

(いいはなしをきかせたいとおもうのだが、いかがじじつのきろくであり、)

いい話を聞かせたいと思うのだが、以下が事実の記録であり、

(このりどりんぐそーぷしょうえんというなが、たったすうじつでいんぐらんどの)

このリドリング・ソープ荘園という名が、たった数日でイングランドの

(ありとあらゆるかていでくちのはにのぼることになったものがたりを、)

ありとあらゆる家庭で口の端にのぼることになった物語を、

(わたしはつづけねばならない。)

私は続けねばならない。

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