心臓人間

(とじたひとみはゆめをみている)

閉じた瞳は夢を見ている

(いしきのそとのゆめをみている)

意識の外の夢を見ている

(とじたせかいととじたこころに)

閉じた世界と閉じた心に

(ふそんなもうしゅうはみじんもなくて)

不遜な妄執は微塵もなくて

(あてつけのようにときはなたれた)

当てつけのように解き放たれた

(こころのかたちはそれでいいのだろうか)

心の形はそれでいいのだろうか

(じがのほうかいをまねきそうだと)

自我の崩壊を招きそうだと

(みみをふさぐようにまぶたをぬって)

耳をふさぐように瞼を縫って

(うそをしんじることができると)

嘘を信じることができると

(たのしそうにわらうむくなこころで)

楽しそうに笑う無垢な心で

(ひとみでひとみをのぞきこころとこころをつなぐ)

瞳で瞳を覗き　心と心を繋ぐ

(つうじたきもちはいつまでもかわらぬものだとおもっていた)

通じた気持ちはいつまでも　変わらぬものだと思っていた

(ひとみでひとみをのぞきこころとこころをつなぐ)

瞳で瞳を覗き　心と心を繋ぐ

(そこにはことばもいらなくて)

そこには言葉もいらなくて

(しあわせなこととおもっていた)

幸せなことと思っていた

(うずもれたままくすぶっている)

埋もれたままくすぶっている

(こころのけいふだれがひもとく)

心の系譜誰が紐解く

(ひとみをとじてしまってもこころはいつでもそこに)

瞳を閉じてしまっても　心はいつでもそこに

(いみきらわれてもいいだろうみまもるひとみもあるだろう)

忌み嫌われてもいいだろう　見守る瞳もあるだろう

(こいしがとんでつぶれたかためをそっとなでれば)

小石が飛んで潰れた　片目をそっと撫でれば

(やさしいきもちになるだろうつたわらぬはずがないだろう)

やさしい気持ちになるだろう　伝わらぬはずがないだろう

(ひとみでひとみをのぞきこころとこころをつなぐ)

瞳で瞳を覗き　心と心を繋ぐ

(つうじるきもちはいつまでもかわらぬものだとおもっている)

通じる気持ちはいつまでも　変わらぬものだと思っている

(ひとみでひとみをのぞきこころとこころをつなぐ)

瞳で瞳を覗き　心と心を繋ぐ

(そこにことばさえいらなくて)

そこに言葉さえいらなくて

(しあわせなこととおもっている)

幸せなことと思っている