バスカヴィル家の犬48
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問題文
(わたしはそのえをじっとみた。ひろいつばのぼうし、まいたあいきょうげ、しろいれーすのえり、)
私はその絵をじっと見た。広いツバの帽子、巻いた愛嬌毛、白いレースの襟、
(そしてそのあいだにおさまったまじめくさいげんかくなかお。ざんにんなかおつきではなかったが、)
そしてその間に収まった真面目くさい厳格な顔。残忍な顔つきではなかったが、
(すました、かたい、げんかくな、かたくひきしめられたうすいくちびるのくちもと、つめたくようしゃのない)
すました、堅い、厳格な、堅く引き締められた薄い唇の口元、冷たく容赦のない
(めだった。しっているじんぶつににていないか?あごのあたりが)
目だった。「知っている人物に似ていないか?」「顎のあたりが
(さーへんりーにちょっとにているな たしかに、かすかににているな。しかし)
サー・ヘンリーにちょっと似ているな」「確かに、かすかに似ているな。しかし
(ちょっとまってくれ!かれはいすにあがると、ひだりてにあかりをかかげ、みぎてを)
ちょっと待ってくれ!」彼は椅子に上がると、左手に明かりを掲げ、右手を
(まげてつばひろぼうとながいまきげをかくした。なんてことだ!わたしはおどろいてさけんだ。)
曲げてツバ広帽と長い巻き毛を隠した。「何て事だ!」私は驚いて叫んだ。
(すていぷるとんのかおがきゃんばすにうかびあがっていた。)
ステイプルトンの顔がキャンバスに浮かび上がっていた。
(は、やっとわかったな。ぼくのめはかおをそのふぞくぶつなしにみきわめるように)
「ハ、やっと分かったな。僕の目は顔をその付属物なしに見極めるように
(くんれんされている。へんそうをみやぶるというのは、はんざいそうさじんのいちばんだいじなのうりょくだ)
訓練されている。変装を見破るというのは、犯罪捜査人の一番大事な能力だ」
(しかしこれはおどろいた。まるでかれのしょうぞうがだ そうだ。これはおもしろい)
「しかしこれは驚いた。まるで彼の肖像画だ」「そうだ。これは面白い
(せんぞがえりのじつれいだ。どうやらにくたいてきにもせいしんてきにもそうらしい。このいちぞくの)
先祖返りの実例だ。どうやら肉体的にも精神的にもそうらしい。この一族の
(しょうぞうがをけんきゅうすれば、りんねてんせいをしんじたくなるな。あのおとこはばすかヴぃるけの)
肖像画を研究すれば、輪廻転生を信じたくなるな。あの男はバスカヴィル家の
(いちいんだ、 それはまちがいない いさんそうぞくをたくらんだのか そのとおりだ。)
一員だ、―それは間違いない」「遺産相続を企んだのか」「その通りだ。
(ふこうがおとずれるまえぶれだった。わたしはあさはやくにめざめたが、ほーむずはそれよりはやく)
不幸が訪れる前触れだった。私は朝早くに目覚めたが、ホームズはそれより早く
(こうどうをおこしていたらしい。ふくをきているときに、かれがばしゃみちをあるいてくるのを)
行動を起こしていたらしい。服を着ている時に、彼が馬車道を歩いてくるのを
(みかけたからだ。よし、きょうはいちにちしごとになるだろう かれはこういうと、)
見かけたからだ。「よし、今日は一日仕事になるだろう」彼はこう言うと、
(うれしそうにてをすりあわせた。あみはすべてしかけられた。そしていままさにそれを)
嬉しそうに手を擦り合わせた。「網は全て仕掛けられた。そして今まさにそれを
(しぼりはじめようとしている。あごのほそいかますがかかるか、それともあみのめをぬけて)
絞り始めようとしている。顎の細いカマスが掛かるか、それとも網の目を抜けて
(にげるか、きょうじゅうにけっちゃくがつく もうこうやにいったのか?ぼくはせるでんが)
逃げるか、今日中に決着がつく」「もう荒野に行ったのか?」「僕はセルデンが
(しんだことをぐりんぺんからぷりんすたうんにほうこくをした。きみたちはだれも)
死んだことをグリンペンからプリンスタウンに報告をした。君たちは誰も
(このけんでややこしいことにはならないとやくそくできるとおもう。それから、ぼくは)
この件でややこしいことにはならないと約束できると思う。それから、僕は
(ちゅうじつなかーとらいとにれんらくした。もしぼくがぶじをつたえてあんしんさせていなかったら)
忠実なカートライトに連絡した。もし僕が無事を伝えて安心させていなかったら
(かれはまちがいなくしゅじんのはかのまえのいぬのように、こやのとぐちでまちこがれて)
彼は間違いなく主人の墓の前の犬のように、小屋の戸口で待ち焦がれて
(いただろう つぎはどうする?さーへんりーにあう。ああ、かれが)
いただろう」「次はどうする?」「サー・ヘンリーに会う。ああ、彼が
(きたぞ!おはようございます、ほーむず じゅんだんしゃくはいった。まるで、)
来たぞ!」「おはようございます、ホームズ」準男爵は言った。「まるで、
(さんぼうちょうとせんとうのけいかくをねっているしょうぐんのようですね まさにそういう)
参謀長と戦闘の計画を練っている将軍のようですね」「まさにそういう
(じょうきょうです。わとそんがつぎのしれいをたずねていたところです わたしもしじがあれば)
状況です。ワトソンが次の指令を尋ねていたところです」「私も指示があれば
(うかがいます けっこう。わたしのきいたところでは、あなたはこんや、わとそんと)
うかがいます」「結構。私の聞いたところでは、あなたは今夜、ワトソンと
(いっしょにすていぷるとんさんとしょくじをするやくそくをしていますね あなたも)
一緒にステイプルトンさんと食事をする約束をしていますね」「あなたも
(きてもらえたらとおもっています。ひじょうにもてなしじょうずのひとたちですから、)
来てもらえたらと思っています。非常にもてなし上手の人たちですから、
(あなたにあえばきっとよろこぶとおもいます ざんねんながらわとそんとわたしはろんどんに)
あなたに会えばきっと喜ぶと思います」「残念ながらワトソンと私はロンドンに
(いかなければなりません ろんどんへ?そうです。げんじてんではろんどんに)
行かなければなりません」「ロンドンへ?」「そうです。現時点ではロンドンに
(いたほうがいいはたらきができるとおもいます じゅんだんしゃくはかくしきれないほどどうようした。)
居たほうがいい働きができると思います」準男爵は隠しきれないほど動揺した。
(ふたりとも、このじけんがおわるまでわたしのそばにいてくれるとおもっていました。)
「二人とも、この事件が終わるまで私の側に居てくれると思っていました。
(このやかたとこうやは、ひとりきりではそんなにたのしいばしょではありません)
この館と荒野は、一人きりではそんなに楽しい場所ではありません」
(さーへんりー、わたしをぜんめんてきにしんようし、いうとおりせいかくにこうどうしなければ)
「サー・ヘンリー、私を全面的に信用し、言うとおり正確に行動しなければ
(なりません。あなたはすていぷるとんにこういってください。わとそんとわたしは、)
なりません。あなたはステイプルトンにこう言ってください。ワトソンと私は、
(あなたとごいっしょできればよかったのだが、かきゅうのようじがあってろんどんに)
あなたとご一緒できればよかったのだが、火急の用事があってロンドンに
(いくと。でヴぉんしゃーには、ほんとうにすぐにもどってくるつもりだ。このでんごんを)
行くと。デヴォンシャーには、本当にすぐに戻って来るつもりだ。この伝言を
(かれらにつたえてくれますか?どうしてもとおっしゃるのでしたら ほんとうに)
彼らに伝えてくれますか?」「どうしてもとおっしゃるのでしたら」「本当に
(これいがいにほうほうがないのです わたしはじゅんだんしゃくのかおがくらくなったのをみた。わたしたちに)
これ以外に方法がないのです」私は準男爵の顔が暗くなったのを見た。私たちに
(みはなされたとおもってふかくきずついたようだ。いつしゅっぱつするつもりですか?かれは)
見放されたと思って深く傷ついたようだ。「いつ出発するつもりですか?」彼は
(つめたくきいた。ちょうしょくごすぐです。わたしたちはくーむとれーしーまでばしゃで)
冷たく聞いた。「朝食後すぐです。私たちはクーム・トレーシーまで馬車で
(いきます。しかしもどってくるというしょうことして、わとそんのにもつはおいて)
行きます。しかし戻ってくるという証拠として、ワトソンの荷物は置いて
(いきます。わとそん、きみはすていぷるとんにてがみをかいて、いけなくてざんねんだと)
行きます。ワトソン、君はステイプルトンに手紙を書いて、いけなくて残念だと
(しらせてくれ わたしもあなたがたといっしょにろんどんにいきたいですね じゅんだんしゃくは)
知らせてくれ」「私もあなた方と一緒にロンドンに行きたいですね」準男爵は
(いった。なぜわたしだけここにひとりでのこらなければならないのですか?それが)
言った。「なぜ私だけここに一人で残らなければならないのですか?」「それが
(あなたのにんむだからです。あなたは、わたしのいうとおりにするとやくそくしましたね。)
あなたの任務だからです。あなたは、私の言うとおりにすると約束しましたね。
(わたしはあなたにのこるようにしじします わかりました、それでは、)
私はあなたに残るように指示します」「わかりました、それでは、
(のこりましょう もうひとつしじがあります!あなたにはめりぴっとはうすまで)
残りましょう」「もう一つ指示があります!あなたにはメリピット・ハウスまで
(ばしゃでいっていただきたい。しかしばしゃはかえしてください。そしてあるいていえに)
馬車で行って頂きたい。しかし馬車は帰してください。そして歩いて家に
(かえるつもりだと、かれらにいってください こうやをあるいてかえるのですか?)
帰るつもりだと、彼らに言ってください」「荒野を歩いて帰るのですか?」
(そうです しかしそれは、あなたがなんどもしてはならないとちゅういしたこと)
「そうです」「しかしそれは、あなたが何度もしてはならないと注意した事
(そのものではありませんか こんかいはそうしてもあんぜんなはずです。もしわたしが)
そのものではありませんか」「今回はそうしても安全なはずです。もし私が
(あなたのどきょうとゆうきにぜんぷくのしんらいをおいていなければ、わたしはこんなことを)
あなたの度胸と勇気に全幅の信頼を置いていなければ、私はこんな事を
(ていあんしたりはしません。しかしあなたにそうしてもらうことがぜったいに)
提案したりはしません。しかしあなたにそうしてもらうことが絶対に
(ひつようなのです ではそうしましょう それから、いのちがかかっていますので、)
必要なのです」「ではそうしましょう」「それから、命がかかっていますので、
(どのほうこうにもこうやをよこぎらないでください。ただめりぴっとはうすから)
どの方向にも荒野を横切らないで下さい。ただメリピット・ハウスから
(ぐりんぺんろーどへのみちをすすんでください。もちろん、いえにかえるには、それが)
グリンペン・ロードへの道を進んでください。もちろん、家に帰るには、それが
(いちばんふつうのみちですが あなたのおっしゃるとおりにします けっこうです。)
一番普通の道ですが」「あなたのおっしゃるとおりにします」「結構です。
(ろんどんにごごにとうちゃくできるよう、ちょうしょくがおわったらすぐしゅっぱつしたいと)
ロンドンに午後に到着できるよう、朝食が終わったらすぐ出発したいと
(おもいます ほーむずがさくやすていぷるとんに、つぎのひにかえるつもりだと)
思います」ホームズが昨夜ステイプルトンに、次の日に帰るつもりだと
(はなしていたのはおぼえていたが、わたしはかれのけいかくにひじょうにおどろいた。かれがわたしをいっしょに)
話していたのは覚えていたが、私は彼の計画に非常に驚いた。彼が私を一緒に
(つれていくということは、おもいもよらないことだった。しかも、かれじしんがじゅうような)
連れて行くということは、思いもよらない事だった。しかも、彼自身が重要な
(きょくめんだといったそのときに、なぜやかたをはなれることができるのか、わたしはぜんぜん)
局面だと言ったその時に、なぜ館を離れることができるのか、私は全然
(りかいできなかった。しかしだまってしたがういがいにどうしようもなかったので、)
理解できなかった。しかし黙って従う以外にどうしようもなかったので、
(ほーむずとわたしはかなしそうなゆうじんにわかれをつげ、にじかんごに)
ホームズと私は悲しそうな友人に別れを告げ、二時間後に
(くーむとれーしーえきについた。そしてすぐばしゃをかえさせた。ちいさなしょうねんが)
クーム・トレーシー駅についた。そしてすぐ馬車を帰させた。小さな少年が
(ぷらっとほーむでまっていた。なにかごめいれいは?このれっしゃにのって)
プラットホームで待っていた。「何かご命令は?」「この列車に乗って
(ろんどんにいくんだ。かーとらいと。ついたらすぐに、)
ロンドンに行くんだ。カートライト。ついたらすぐに、
(さーへんりーばすかヴぃるにぼくのなまえで、でんぽうをうて。こういうぶんめんだ、)
サー・ヘンリー・バスカヴィルに僕の名前で、電報を打て。こういう文面だ、
(ぼくがおとしたさいふをみつけたら、かきとめゆうびんでべいかーがいまでおくってほしい)
僕が落とした財布を見つけたら、書留郵便でベイカー街まで送って欲しい」
(はい それからえきのじむしょにいって、ぼくあてのでんごんがないかきいてきてくれ)
「はい」「それから駅の事務所に行って、僕宛の伝言がないか訊いてきてくれ」