モーターサイクル・ダイアリー②

(２がつ１８にちちりてむーこ２７７２きろ。おんぼろばいくをおしながら)

2月18日チリ　テムーコ2772キロ。おんぼろバイクを押しながら

(にゅうこくします。いちばでしゃしんをとったりひとびととこうりゅうしたり。)

入国します。市場で写真を撮ったり人々と交流したり。

(なにやらおもいついたようでしんぶんしゃにはいっていきました。)

何やら思いついたようで新聞社に入っていきました。

(よくじつのちょうかんになんべいくっしのはんせんびょうのせんもんか、てむーこをほうもん)

翌日の朝刊に”南米屈指のハンセン病の専門家、テムーコを訪問”

(とふたりのしゃしんがのっていました。そしてそのしんぶんをつかって、)

と二人の写真が載っていました。そしてその新聞を使って、

(おかねはないけれどばいくをしゅうりしてもらえることになりました。)

お金はないけれどバイクを修理してもらえることになりました。

(しかししゅうりこうのおくさんをえるねすとがごういんにくどいた、)

しかし修理工の奥さんをエルネストが強引に口説いた、

(というようなことにされ、しゅうりとちゅうのばいくでおおあわてで)

というようなことにされ、修理途中のバイクで大慌てで

(にげだすはめになりました。)

逃げ出す羽目になりました。

(２がつ２６にちあんへれす２９４０きろ。よていが２５にちもおくれています。)

2月26日アンヘレス2940キロ。予定が25日も遅れています。

(おなかもすいています。ちょうどいいところにじょせいふたりぐみが。)

お腹も空いています。ちょうどいいところに女性二人組が。

(しょくじをごちそうになりとめてもらいました。)

食事をごちそうになり泊めてもらいました。

(ここでえるねすとはもうたすからないであろうびょうにんをしんさつし、)

ここでエルネストはもう助からないであろう病人を診察し、

(そのひとみにうかぶゆるしとなぐさめをこうひかりをかんじました。)

その瞳に浮かぶ許しと慰めを請う光を感じました。

(すくらっぷにすればすこしはかねになるといわれ、)

スクラップにすれば少しは金になると言われ、

(ぽでろーさごうとはここでおわかれしました。)

ポデローサ号とはここでお別れしました。

(３がつ１１にちあたかまさばく４９６０きろ。あるいてあるいてへとへとのふたりです。)

3月11日アタカマ砂漠4960キロ。歩いて歩いてへとへとの二人です。

(とちをうばわれほうろうしているというふうふにであいました。)

土地を奪われ放浪しているという夫婦に出会いました。

(きょうさんしゅぎしゃとわかればけいさつにつかまってしまうから、)

共産主義者とわかれば警察に捕まってしまうから、

(しそうのとわれないこうざんではたらくつもりだといっていました。)

思想の問われない銅山で働くつもりだと言っていました。