【タイピング文庫】宮沢賢治「黄いろのトマト2」

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投稿者HOLY プレイ回数751 順位8630位
独特の世界観にみちた作品を残した宮沢賢治の童話です。
仲良く果樹園で暮らしていた兄妹二人がある日、風に運ばれたいい音に誘われ街に出かける。そこで見つけたサーカスに入ろうとして、お金というものを理解していない二人は、畑にできていた黄いろのトマトを代わりに渡した。しかし、それは通用せず、ひどく咎められてしまう。
順位名前スコア称号打鍵/秒正誤率時間(秒)打鍵数ミス問題日付
1 ななっしー 5924 A+ 6.2 95.2% 821.2 5120 255 76 2019/12/22
2 nyokesi 4570 C++ 4.6 97.9% 1091.9 5096 106 76 2019/12/04

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問題文

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(さあぼっちゃん。きっとこいつははなします。はやくなみだをおふきなさい。まるでかおじゅう)

さあ坊ちゃん。きっとこいつは談します。早く涙をおふきなさい。まるで顔中

(ぐじゃぐじゃだ。そらええああすっかりさっぱりした。おはなしがすんだらはやく)

ぐじゃぐじゃだ。そらええああすっかりさっぱりした。お話がすんだら早く

(がっこうへいらっしゃい。あんまりながくなってあきっちまうとこいつはまたいろいろ)

学校へ入らっしゃい。あんまり長くなって厭きっちまうとこいつは又いろいろ

(いやなことをいいますから。ではようがすか。ばんにんのおじいさんはわたしのなみだを)

いやなことを云いますから。ではようがすか。」番人のおじいさんは私の涙を

(ふいてくれてそれからりょうてをせなかでくんでことりことりむこうへみまわって)

拭いて呉れてそれから両手をせなかで組んでことりことり向うへ見まわって

(いきました。おじいさんのあしおとがそのうすくらいちゃいろのへやのなかからとなりのへやへ)

行きました。おじいさんのあし音がそのうすくらい茶色の室の中から隣りの室へ

(きえたときはちすずめはまたわたしのほうをむきました。わたしはどきっとしたのです。はちすずめは)

消えたとき蜂雀はまた私の方を向きました。私はどきっとしたのです。蜂雀は

(ほそいほそいはあもにかのようなこえでそっとわたしにはなしかけました。さっきはごめん)

細い細いハアモニカの様な声でそっと私にはなしかけました。「さっきはごめん

(なさい。ぼくすっかりつかれちまったもんですからね。わたしもやさしくいいました。)

なさい。僕すっかり疲れちまったもんですからね。」私もやさしく言いました。

(はちすずめ。ぼくちっともおこっちゃいないんだよ。さっきのつづきをはなしておくれ。)

「蜂雀。僕ちっとも怒っちゃいないんだよ。さっきの続きを話してお呉れ。」

(はちすずめはかたりはじめました。ぺむぺるとねりとはそれはほんとうにかあいいんだ)

蜂雀は語りはじめました。「ペムペルとネリとはそれはほんとうにかあいいんだ

(ふたりがあおがらすのうちのなかにいてまどをすっかりしめてるとふたりはうみのそこに)

二人が青ガラスのうちの中に居て窓をすっかりしめてると二人は海の底に

(いるようにみえた。そしてふたりのこえはぼくにはきこえやしないね。それはひじょうに)

居るように見えた。そして二人の声は僕には聞えやしないね。それは非常に

(あついがらすなんだから。けれどもふたりがひとつのおおきなちょうめんをのぞきこんでいっしょに)

厚いガラスなんだから。けれども二人が一つの大きな帳面をのぞきこんで一所に

(おなじようにくちをあいたりすこしとじたりしているのをみるとあれはいっしょにしょうかを)

同じように口をあいたり少し閉じたりしているのを見るとあれは一緒に唱歌を

(うたっているのだということはだれだってすぐわかるだろう。ぼくはそのいろいろに)

うたっているのだということは誰だってすぐわかるだろう。僕はそのいろいろに

(うごくふたりのちいさなくちつきをじっとみているのをたいへんすきでいつでもにわの)

うごく二人の小さな口つきをじっと見ているのを大へんすきでいつでも庭の

(さるすべりのきにいたよ。ぺむぺるはほんとうにいいこなんだけれど)

さるすべりの木に居たよ。ペムペルはほんとうにいい子なんだけれど

(かあいそうなことをした。ねりもまったくかあいらしいおんなのこだったのにかあいそう)

かあいそうなことをした。ネリも全くかあいらしい女の子だったのにかあいそう

(なことをした。だからどうしたっていうの。だからね、ふたりはほんとう)

なことをした。」「だからどうしたって云うの。」「だからね、二人はほんとう

など

(におもしろくくらしていたのだから、それだけならばよかったんだ。ところが)

におもしろくくらしていたのだから、それだけならばよかったんだ。ところが

(ふたりは、はたけにとまとをじっぽんうえていた。そのうちごほんがぽんでろーざ)

二人は、はたけにトマトを十本植えていた。そのうち五本がポンデローザ

(でね、ごほんがれっどちぇりいだよ。ぽんでろーざにはまっかなおおきなみが)

でね、五本がレッドチェリイだよ。ポンデローザにはまっ赤な大きな実が

(つくし、れっどちぇりーにはさくらんぼほどのあかいみがまるでたくさんできる。)

つくし、レッドチェリーにはさくらんぼほどの赤い実がまるでたくさんできる。

(ぼくはとまとはたべないけれど、ぽんでろーざをみることならもうほんとうに)

ぼくはトマトは食べないけれど、ポンデローザを見ることならもうほんとうに

(すきなんだ。あるとしやっぱりなえがふたいろあったから、うえたあとでもふたいろ)

すきなんだ。ある年やっぱり苗が二いろあったから、植えたあとでも二いろ

(あった。だんだんそれがおおきくなって、はからはとまとのあおいにおいがし、)

あった。だんだんそれが大きくなって、葉からはトマトの青いにおいがし、

(くきからはこまかなきんのつぶのようなものもふきだした。そしてまもなくみが)

茎からはこまかな黄金の粒のようなものも噴き出した。そしてまもなく実が

(ついた。ところがごほんのちぇりーのなかで、いっぽんだけはきたいにきいろなんだろう。)

ついた。ところが五本のチェリーの中で、一本だけは奇体に黄いろなんだろう。

(そしてたいへんひかるのだ。ぎざぎざのあおぐろいはのあいだから、まばゆいくらいきいろな)

そして大へん光るのだ。ギザギザの青黒い葉の間から、まばゆいくらい黄いろな

(とまとがのぞいているのはりっぱだった。だからねりがいった。にいさま、)

トマトがのぞいているのは立派だった。だからネリが云った。 『にいさま、

(あのとまとどうしてあんなにひかるんでしょうね。ぺむぺるはくちびるにゆびをあてて)

あのトマトどうしてあんなに光るんでしょうね。』ペムペルは唇に指をあてて

(しばらくかんがえてからこたえていた。きんだよ。きんだからあんなにひかるんだ。)

しばらく考えてから答えていた。『黄金だよ。黄金だからあんなに光るんだ。』

(まあ、あれきんなの。ねりがすこしびっくりしたようにいった。)

『まあ、あれ黄金なの。』ネリがすこしびっくりしたように云った。

(りっぱだねえ。ええりっぱだわ。そしてふたりはもちろん、そのきいろな)

『立派だねえ。』『ええ立派だわ。』そして二人はもちろん、その黄いろな

(とまとをとりもしなけぁ、ちょっとさわりもしなかった。そしたらほんとうに)

トマトをとりもしなけぁ、一寸さわりもしなかった。そしたらほんとうに

(かあいそうなことをしたねえ。だからどうしたっていうの。だからね、)

かあいそうなことをしたねえ。」「だからどうしたって云うの。」「だからね、

(ふたりはこんなにたのしくくらしていたんだからそれだけならばよかったんだよ。)

二人はこんなに楽しくくらしていたんだからそれだけならばよかったんだよ。

(ところがあるゆうがたふたりがしだのはにみずをかけてたら、とおくのとおくののはらのほう)

ところがある夕方二人が羊歯の葉に水をかけてたら、遠くの遠くの野はらの方

(からなんともいえないきたいないいおとがかぜにふきとばされてきこえてくるんだ。)

から何とも云えない奇体ないい音が風に吹き飛ばされて聞えて来るんだ。

(まるでまるでいいおとなんだ。きれぎれになってとんではくるけれど、まるで)

まるでまるでいい音なんだ。切れ切れになって飛んでは来るけれど、まるで

(すずらんやへりおとろーぷのいいかおりさえするんだろう、そのおとがだよ。)

すずらんやヘリオトロープのいいかおりさえするんだろう、その音がだよ。

(ふたりはじょうろのてをやめて、しばらくだまってかおをみあわせたねえ、それから)

二人は如露の手をやめて、しばらくだまって顔を見合せたねえ、それから

(ぺむぺるがいった。ね、いってみようよ、あんなにいいおとがするんだもの。)

ペムペルが云った。『ね、行って見ようよ、あんなにいい音がするんだもの。』

(ねりはもちろん、もっといきたくってたまらないんだ。いきましょう、にいさま、)

ネリは勿論、もっと行きたくってたまらないんだ。 『行きましょう、兄さま、

(すぐいきましょう。うん、すぐいこう。だいじょうぶあぶないことないね。)

すぐ行きましょう。』『うん、すぐ行こう。大丈夫あぶないことないね。』

(そこでふたりはてをつないでかじゅえんをでてどんどんそっちへはしっていった。)

そこで二人は手をつないで果樹園を出てどんどんそっちへ走って行った。

(おとはよっぽどとおかった。かばのきのはえたこやまをふたつこえてもまだそれほどに)

音はよっぽど遠かった。樺の木の生えた小山を二つ越えてもまだそれほどに

(ちかくもならず、やなぎのはえたこながれをみっつこえてもなかなかそんなにちかくは)

近くもならず、楊の生えた小流れを三つ越えてもなかなかそんなに近くは

(ならなかった。それでもいくらかちかくはなった。ふたりがにほんのかやのきのあーちに)

ならなかった。それでもいくらか近くはなった。二人が二本の榧の木のアーチに

(なったしたをもぐったらふしぎなおとはもうきれぎれじゃなくなった。そこでふたりは)

なった下を潜ったら不思議な音はもう切れ切れじゃなくなった。そこで二人は

(げんきをだしてうわぎのそでであせをふきふきかけていった。そのうちおとはもっと)

元気を出して上着の袖で汗をふきふきかけて行った。そのうち音はもっと

(はっきりしてきたのだ。ひょろひょろしたふえのおともはいっていたし、おおらっぱの)

はっきりして来たのだ。ひょろひょろした笛の音も入っていたし、大喇叭の

(どなりごえもきこえた。ぼくにはみんなわかってきたのだよ。ねり、もうすこし)

どなり声もきこえた。ぼくにはみんなわかって来たのだよ。『ネリ、もう少し

(だよ、しっかりぼくにつかまっておいで。ねりはだまってきれでつつんだちいさな)

だよ、しっかり僕につかまっておいで。』ネリはだまってきれで包んだ小さな

(たまごがたのあたまをふって、くちびるをかんではしった。ふたりがもいちど、かばのきのはえたおかを)

卵形の頭を振って、唇を噛んで走った。二人がも一度、樺の木の生えた丘を

(まわったとき、いきなりめのまえにしろいほこりのぼやぼやたったおおきなみちが、)

まわったとき、いきなり眼の前に白いほこりのぼやぼや立った大きな道が、

(よこになっているのをみた。そのみぎのほうから、さっきのおとがはっきりきこえ、)

横になっているのを見た。その右の方から、さっきの音がはっきり聞え、

(ひだりのほうからもうひとかたまり、しろいほこりがこっちのほうへやってくる。ほこりのなかから、)

左の方からもう一団、白いほこりがこっちの方へやって来る。ほこりの中から、

(ちらちらうまのあしがひかった。まもなくそれはちかづいたのだ。ぺむぺるとねりとは、)

チラチラ馬の足が光った。間もなくそれは近づいたのだ。ペムペルとネリとは、

(てをにぎりあって、いきをこらしてそれをみた。もちろんぼくもそれをみた。)

手をにぎり合って、息をこらしてそれを見た。もちろん僕もそれを見た。

(やってきたのはしちにんばかりのうまのりなのだ。うまはあせをかいてくろくひかり、はなから)

やって来たのは七人ばかりの馬乗りなのだ。馬は汗をかいて黒く光り、鼻から

(ふうふういきをつき、しずかにだくをやっていた。のってるものはみなあかしゃつで)

ふうふう息をつき、しずかにだくをやっていた。乗ってるものはみな赤シャツで

(てかてかひかるあかかわのながぐつをはき、ぼうしにはさぎのけやなにか、しろいひらひら)

てかてか光る赤革の長靴をはき、帽子には鷺の毛やなにか、白いひらひら

(するものをつけていた。ひげをはやしたおとなもいれば、いちばんしまいには)

するものをつけていた。鬚をはやしたおとなも居れば、いちばんしまいには

(ぺむぺるくらいのほおのまっかなめのまっくろなかあいいこもいた。ほこりのために)

ペムペル位の頬のまっかな眼のまっ黒なかあいい子も居た。ほこりの為に

(おひさまはぼんやりあかくなった。おとなはみんなぺむぺるとねりなどはみないふう)

お日さまはぼんやり赤くなった。おとなはみんなペムペルとネリなどは見ない風

(していったけれど、いちばんしまいのあのかあいいこは、ぺむぺるをみてちょっと)

して行ったけれど、いちばんしまいのあのかあいい子は、ペムペルを見て一寸

(くちびるにゆびをあててきすをおくったんだ。そしてみんなはとおりすぎたのだ。みんなの)

唇に指をあててキスを送ったんだ。そしてみんなは通り過ぎたのだ。みんなの

(いったほうから、あのいいおとがいよいよはっきりきこえてきた。まもなくみんなは)

行った方から、あのいい音がいよいよはっきり聞えて来た。まもなくみんなは

(むこうのおかをまわってみえなくなったが、ひだりのほうからまただれかゆっくりやって)

向うの丘をまわって見えなくなったが、左の方から又誰かゆっくりやって

(くるのだ。それはちいさないえぐらいあるしろいしかくのはこのようなもので、)

来るのだ。それは小さな家ぐらいある白い四角の箱のようなもので、

(ひとがしごにんついてきた。だんだんちかくになってみると、ついているのはみんな)

人が四五人ついて来た。だんだん近くになって見ると、ついて居るのはみんな

(くろんぼうで、めばかりぎらぎらひからして、ふんどしだけしてはだしだろう。しろいしかく)

黒ん坊で、眼ばかりぎらぎら光らして、ふんどしだけして裸足だろう。白い四角

(なものをかこんできたのだけれど、そのしろいのははこじゃなかった。じつはしろいきれを)

なものを囲んで来たのだけれど、その白いのは箱じゃなかった。実は白いきれを

(しほうにさげた、にほんのかやのようなもんで、そのしたからはおおきなはいいろの)

四方にさげた、日本の蚊帳のようなもんで、その下からは大きな灰いろの

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