(怖い話)「ヒッチハイク」3

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プレイ回数3360難易度(5.0) 1960打 長文
こわ〜い話です。
暇つぶしにどうぞ。
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1 まんまるまるこ 6341 S 6.6 95.7% 293.6 1948 86 31 2024/11/04

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問題文

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(おれはとうしょ、おとこになにかきもちわるさはかんじていたのだが、まぢかでみると)

俺は当初、男に何か気持ち悪さは感じていたのだが、間近で見ると

(ひとのよさそうなふつうのおじさんにみえた。おれはひろうやねむけのためにほとんどしこうが)

人の良さそうな普通のおじさんに見えた。俺は疲労や眠気の為にほとんど思考が

(できず「ははーん。あうとどあはだから、ああいうぼうしか」)

出来ず「ははーん。アウトドア派だから、ああいう帽子か」

(などというよくわからないなっとくをじぶんにさせた。)

などという良く分からない納得を自分にさせた。

(きゃんぴんぐかーにのりこんだとき、しまったとおもった。)

キャンピングカーに乗り込んだ時、しまったと思った。

(おかしいのだ。なにがといわれても、おかしいからおかしい、としかかきようがない)

おかしいのだ。何がと言われても、おかしいからおかしい、としか書き様がない

(これはかんかくのもんだいなのだから・・・)

これは感覚の問題なのだから・・・

(どらいばーにはかぞくがいた。もちろん、きゃんぴんぐかーということで、)

ドライバーには家族がいた。もちろん、キャンピングカーということで、

(なかにどうじょうしゃがいることはよそうしていたのだが。ちち、どらいばー。およそ60だい。)

中に同乗者が居る事は予想していたのだが。父、ドライバー。およそ60代。

(はは。じょしゅせきにすわる。みため70だい。ふたごのむすこ。どうみても40すぎ。)

母。助手席に座る。見た目70代。双子の息子。どう見ても40過ぎ。

(にんげんはよそうしていなかったものをみると、いっしゅんしこうがとまる。)

人間は予想していなかったモノを見ると、一瞬思考が止まる。

(まず、しゃないにはいってめにとびこんできたのは、まったくおなじぎんがむちぇっくの)

まず、車内に入って目に飛び込んで来たのは、まったく同じギンガムチェックの

(しゃつ、おなじすらっくす、おなじくつ、おなじかみがた(とうちょうはげ)、おなじしせいですわる、)

シャツ、同じスラックス、同じ靴、同じ髪型(頭頂ハゲ)、同じ姿勢で座る、

(おなじかおのふたごのちゅうねんのおっさんだった。かずやもぜっくしていたようすだった。)

同じ顔の双子の中年のオッサンだった。カズヤも絶句していた様子だった。

(いや、べつにこういうふたごがいてもおかしくはない。)

いや、別にこういう双子が居てもおかしくはない。

(おかしくもないしわるくもないのだが・・・あのいようなふんいきは、)

おかしくもないし悪くもないのだが・・・あの異様な雰囲気は、

(じっさいそのばでめにしてみないとつたえられない。「はやくすわって」とちちに)

実際その場で目にしてみないと伝えられない。「早く座って」と父に

(いわれるがまま、おれたちはそのかぞくのふんいきにのまれるかのようにしゃないに)

言われるがまま、俺達はその家族の雰囲気に呑まれるかのように車内に

(こしをおろした。まずおれたちはかぞくにあいさつをし、ちちがうんてんをしながら、じぶんのかぞくの)

腰を下ろした。まず俺達は家族に挨拶をし、父が運転をしながら、自分の家族の

(かんたんなせつめいをはじめた。ははがじょしゅせきでまえをみてすわっているときは)

簡単な説明を始めた。母が助手席で前を見て座っている時は

など

(よくわからなかったが、ははもいようだった。うぇでぃんぐどれすのようなまっしろな)

よく分からなかったが、母も異様だった。ウェディングドレスのような真っ白な

(さまーわんぴーす。かおのめいくは、ばかとのかとみまちがうほどのおしろいべたぬり。)

サマーワンピース。顔のメイクは、バカ殿かと見間違うほどの白粉ベタ塗り。

(きめつけはははのなまえで、「せんとじょせふぃーぬ」。ちなみにちちは)

極めつけは母の名前で、「セントジョセフィーヌ」。ちなみに父は

(「せんとじょーじ」というらしい。ふたごにもことばをうしなった。なまえが)

「セントジョージ」と言うらしい。双子にも言葉を失った。名前が

(「あか」と「あお」というらしいのだ。あからがおのおっさんは「あか」で、ほっぺたに)

「赤」と「青」と言うらしいのだ。赤ら顔のオッサンは「赤」で、ほっぺたに

(あおあざがあるおっさんは「あお」。ふつう、じぶんのこどもにこんななまえをつけるだろうか)

青痣があるオッサンは「青」。普通、自分の子供にこんな名前をつけるだろうか

(おれたちはこのじてんでめくばせをし、てきとうなところではやくおろしてもらうけついをしていた。)

俺達はこの時点で目配せをし、適当な所で早く降ろしてもらう決意をしていた。

(おれたちにはおもにちちとははがはなしかけてきておれたちもきもそぞれでてきとうなこたえをしていた)

俺達には主に父と母が話しかけて来て俺達も気もそぞれで適当な答えをしていた

(ふたごはまったくしゃべらず、まったくおなじしせい、おなじぺーすでこーらの)

双子はまったく喋らず、まったく同じ姿勢、同じペースでコーラの

(ぺっとぼとるをらっぱのみしていた。げっぷまでおなじたいみんぐでだされたときは)

ペットボトルをラッパ飲みしていた。ゲップまで同じタイミングで出された時は

(せすじがこおり、もうげんかいだとおもった。)

背筋が凍り、もう限界だと思った。

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