一

(きみをまてどもまだこない)

君を待てどもまだ来ない

(まちあわせたこうさてんまじわるいと)

待ち合わせた交差点交わる糸

(ろじうらかけぬけた)

路地裏駆け抜けた

(なにかちがうんだ)

何か違うんだ

(ぼくはないてないて)

僕は泣いて泣いて

(ただなきつづけても)

ただ泣き続けても

(だれもきづかぬなきむしけむし)

誰も気付かぬ泣き虫毛虫

(あたまのなかのじぶんが)

頭の中の自分が

(いやにうるさくせかす)

嫌にうるさく急かす

(だからきいてきいて)

だから聴いて聴いて

(みみをすましてよ)

耳をすましてよ

(ちかくてとおいふたりのあいだ)

近くて遠い二人の間

(ひにくにもえらばれた)

皮肉にも選ばれた

(はじめのいっぽゆめうつつ)

はじめの一歩夢うつつ

(ここはきみがいなくなったまち)

ここは君がいなくなった街

(ちがうだれもいなくなったまち)

違う誰もいなくなった街

(ぼくはひとりでだいじょうぶだから)

僕は一人で大丈夫だから

(つよがるだけでいい)

強がるだけでいい

(ずっとないてないて)

ずっと泣いて泣いて

(もうなきつかれたの)

もう泣き疲れたの

(さぁかえりましょゆうやけこやけ)

さぁ帰りましょ夕焼けこやけ

(かえるばしょならどこでも)

帰る場所ならどこでも

(このまちはひろすぎる)

この街は広すぎる

(そしてまがいものの)

そしてマガイモノの

(このまちにたたずむ)

この街にたたずむ

(ぼくはひとりのまがいもので)

僕は一人のマガイ者で

(うごきはじめたせかいで)

動き始めた世界で

(きこえたおとなつかしくて)

聞こえた音懐かしくて

(かみさまごっこでもあくまのふりしても)

神様ごっこでも悪魔のふりしても

(きみとふたりでなかよしこよし)

君と二人で仲良しこよし

(このせかいのむかうさき)

この世界の向かう先

(そろそろきづくだろう)

そろそろ気づくだろう

(きみはのぞんだんだぼくものぞんだよ)

君は望んだんだ僕も望んだよ

(ふたりはただだきあってないた)

二人はただ抱き合って泣いた

(どうしようもないせかいで)

どうしようもない世界で

(いきるというにはむなしい)

生きるというには虚しい

(わらってよこわれたえがおで)

笑ってよ壊れた笑顔で

(ここにはもうぼくらしかいない)

ここにはもう僕らしかいない

(だれもとがめないよここがしんじつさ)

誰も咎めないよここが真実さ

(うそがまことにかわればほろぶ)

嘘が真に変われば滅ぶ

(かたわれのまちをながめ)

片割れの街を眺め

(けついのあさがやってくる)

決意の朝がやってくる

(これでいい)

これでいい

(ふたりひみつのよがあける)

二人秘密の世が明ける