ラストバージン

(こんなきもちはじめてとぼくはいうなんのきないそぶりできみはいう)

こんな気持ちはじめてと僕は言う　何の気ないそぶりで君は言う

(わたしたちはじめてであったんだもんそんなのあたりまえだよときみはいう)

私たちはじめて出会ったんだもん　そんなの当たり前だよ、と君は言う

(もしもおれがあしたしんだらどうするととうするとめもあわさずにきみはいう)

もしも俺が明日死んだらどうすると問う　すると目も合わさずに君は言う

(そんなのおこってみなきゃわからないという)

そんなの起こってみなきゃ分からない、と言う

(すこしおこったようなかおできみはいう)

少し起こったような顔で君は言う

(なんでかぼくはうれしくなってわらったんだ)

なんでか僕は嬉しくなって　笑ったんだ

(うまれてはじめてとさいしょでさいごのいっせいいちだいがきみでした)

『生まれてはじめて』と『最初で最後』の『一世一代』が君でした

(あぁねてもさめてもあとにもさきにもそういったたぐいのものでした)

あぁ　『寝ても覚めても』『後にも先にも』そういった類のものでした

(あたりまえのひびなどいらないというするといつものちょうしできみはかたる)

当たり前の日々などいらないと言う　するといつもの調子で君は語る

(あなたのあたりまえになりたいというそんなひがくればいいなという)

あなたの当たり前になりたいと言う　そんな日がくればいいなと言う

(おわりははじまりわかってるってここまでもなんどかそうやって)

終わりは始まり　分かってるって　ここまでもなんとかそうやって

(いつもやってきたけど)

いつもやってきたけど

(これをおわらせたらまちがいって)

これを終わらせたら間違いって

(つぎのはじまりなどいらないって)

次の始まりなどいらないって

(おもえるいまをここで)

思える　今を　ここで

(なんどもなんどでもおもいだせるように)

何度も　何度でも　思い出せるように

(うたにして)

歌にして

(うまれてはじめてとさいしょでさいごのいっせいいちだいがきみでした)

『生まれてはじめて』と『最初で最後』の『一世一代』が君でした

(あぁねてもさめてもあとにもさきにもそういったたぐいのものでした)

あぁ　『寝ても覚めても』『後にも先にも』そういった類のものでした

(うまれてはじめてとさいしょでさいごのいっせいいちだいのやくそくをいまここでしよう)

『生まれてはじめて』と『最初で最後』の『一世一代』の約束を今ここでしよう

(いまこのばでしよう)

今　この場でしよう

(なにもはじまることのないおわりまで)

何も始まることのない終わりまで

(こんなきもちはじめてときみはいう)

こんな気持ちはじめてと君は言う

(そんなのあたりまえだよとぼくはいう)

そんなの当たり前だよと僕は言う