ファストジエンド

(「どうにもならないことだらけだ」と ためいきをついたのはいつだっけ)

「どうにもならないコトだらけだ」と ため息をついたのはいつだっけ

(「せかいのかたすみでゆめをみてた」 そんなかんじのうたがあったな)

「世界の片隅で夢を見てた」 そんな感じの歌があったな

(だれかが「うんめい」なんてことばで ひとまとめにしたけれど)

誰かが「運命」なんて言葉で ひとまとめにしたけれど

(むかしのおんがくかにまかせたら とびらののっくくらいできるでしょ)

昔の音楽家に任せたら 扉のノックくらいできるでしょ

(さいしょでさいごのぼくのいのちは まわるせかいにたったひとつだけ)

最初で最後の僕の命は 廻る世界にたった一つだけ

(ゆびさきでなぞってけしたそれは うろぼろすのくちさき)

指先でなぞって消したそれは ウロボロスの口先

(７じ５２ふんのうらないが きになりはじめたのはいつだっけ)

7時52分の占いが 気になり始めたのはいつだっけ

(「１２」か「４」かですべてがきまる そんなふしぎなことがあるかな)

「12」か「4」かで全てが決まる そんな不思議なコトがアルカナ

(けいかくどおりにならべたかーど よていどおりくるいだす)

計画通りに並べたカード 予定通り狂い出す

(さかさになってるのにきづかずに てふだにしばられてあしもでない)

逆さになってるのに気づかずに 手札に縛られて足も出ない

(さいしょでさいごのきみのいのちは めぐるせかいにたったひとつだけ)

最初で最後の君の命は 巡る世界にたった一つだけ

(りょうてがほどけたらそれをやぶれ １０ばんめのかみきれを)

両手が解けたらそれを破れ 10番目の紙切れを

(やくそくのないあすがくるまえに まずはこのいのちをからにしましょう)

約束の無い明日が来る前に まずはこの命をカラにしましょう

(くりかえすせかいのはてのはてで つぎをこばむ)

繰り返す世界の果ての果てで 次を拒む

(このうたをぎゃくまわしにしても 「おわりのつづき」はやってこない)

この歌を逆回しにしても 「終わりの続き」はやって来ない

(ぼくでいられるぜったいざひょうは これが「さいしょでさいご」)

僕で居られる絶対座標は これが「最初で最後」