ワールド・オブ・パラドクス

(とあるｔｖしょーがゆうべんにつたえた「うつくしいしぜんをまもりましょう」)

とあるTVショーが雄弁に伝えた 「美しい自然を守りましょう」

(ひきかえのてくのろじーもずいぶんすすんだものねじんこうてきにしぜんがすくえるというんだ)

引き換えのテクノロジーも随分進んだものね 人工的に自然が救えると言うんだ

(へいきでにりつはいはんがよこたわる)

平気で二律背反が横たわる

(まもるためにつくったものがなにくわぬかおでどくをはいている)

護る為に作ったものが何食わぬ顔で毒を吐いている

(ふせっしょうをとくべじたりあんもちきゅうにやさしいえころじすとも)

不殺生を説くベジタリアンも 地球にやさしいエコロジストも

(あさまでかたをくんでかたればいいのさたがいにきづくぜせかいのふじょうりに)

朝まで肩を組んで語ればいいのさ 互いに気付くぜ 世界の不条理に

(どこまでいってもきりがないいやたんじゅんにゆきどまりなだけ)

何処まで行ってもキリが無い いや単純に行き止まりなだけ

(ぼくもきみもだれもがみなおなじはこのなかせいかいなんてどこにもない)

僕も君も誰もが皆同じ箱の中 正解なんて何処にも無い

(りふじんでむのうなじょうしとふきょうになげくこえうみのむこうではじゅうせいになげくこえ)

理不尽で無能な上司と不況に嘆く声 海の向こうでは銃声に嘆く声

(そんなこといわれたってしったこっちゃないがすこしむねもいたくなってしまうんだ)

そんなこと言われたって知ったこっちゃないが 少し胸も痛くなってしまうんだ

(さいきょうのほことたてじゃないけれど)

最強の矛と盾じゃないけれど

(せかいはじんどうてきなひとのころしかたをいまもはなしあっている)

世界は人道的な人の殺し方を今も話し合っている

(せいじゅんはえーぶいじょゆうもこうせんてきしこうへいわしゅぎしゃも)

清純派えーぶい女優も 好戦的思考平和主義者も

(あさまでこしをふってみだれりゃいいのさたがいにきづくぜせかいのふじょうりに)

朝まで腰を振って乱れりゃいいのさ 互いに気付くぜ 世界の不条理に

(あいなどはいっさいいみがないそれでもみだらによるをすごす)

愛などは一切意味が無い それでも淫らに夜を過ごす

(ぼくもきみもだれもがみなおなじにわのなかかわらないものはない)

僕も君も誰もが皆同じ庭の中 変わらないものは無い

(せにばたーとーすとをくくりつけられたねこはえいえんにまわる)

背にバタートーストを括り付けられた猫は永遠に回る

(もとのぱーつがまったくなくなったさいぼーぐはなにをおもう)

元のパーツが全く無くなったサイボーグは何を思う

(ぜんちぜんのうのかみさまよどうかこのぼくにあなたのしらないことをおしえてくれないか)

全知全能の神様よ どうかこの僕に貴方の知らないことを教えてくれないか

(こごえるぼくらははりねずみあたためあいたくてもきずつける)

凍える僕らは針鼠 温め合いたくても傷付ける

(どちらをえらんでもおなじこたえになるのならながれるちであたためてやればいい)

どちらを選んでも同じ答えになるのなら 流れる血で温めてやればいい

(「うるさい」とさけぶこうこうきょうしも「わたしてんねんです」ってこびるおんなも)

「うるさい」と叫ぶ高校教師も 「私天然です」って媚びる女も

(あさまでてをつないでおどればいいのさたがいにきづくぜせかいのふじょうりに)

朝まで手を繋いで踊ればいいのさ 互いに気付くぜ 世界の不条理に

(むじゅんあってのせかいならあざりつくせよこのぱらどっくすと)

矛盾あっての世界なら 戯り尽くせよこのパラドックスと

(ぼくもきみもだれもがみなおなじせかいのなかぜったいなんてありえない)

僕も君も誰もが皆同じ世界の中 絶対なんて有り得ない

(ぼくはうそつきさわーるどおぶぱらどくす)

僕は嘘吐きさ ワールド・オブ・パラドクス