「こころ」1-4 夏目漱石

順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | きりん | 6707 | S+ | 6.9 | 96.3% | 282.8 | 1972 | 75 | 34 | 2025/06/18 |
2 | pechi | 6238 | A++ | 7.0 | 89.4% | 289.0 | 2045 | 242 | 34 | 2025/06/28 |
3 | エルニーニョ絵梨 | 5824 | A+ | 6.0 | 95.7% | 325.0 | 1982 | 89 | 34 | 2025/07/17 |
4 | mipo | 5196 | B+ | 5.4 | 95.3% | 364.3 | 1991 | 98 | 34 | 2025/07/19 |
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問題文
(あるときせんせいがれいのとおりさっさとうみからあがってきて、)
或る時先生が例の通りさっさと海から上がって来て、
(いつものばしょにぬぎすてたゆかたをきようとすると、どうしたわけか、)
いつもの場所に脱ぎ棄てた浴衣を着ようとすると、どうした訳か、
(そのゆかたにすながいっぱいついていた。せんせいはそれをおとすために、)
その浴衣に砂がいっぱい着いていた。先生はそれを落とすために、
(うしろむきになって、ゆかたをに、さんどふるった。)
後ろ向きになって、浴衣を二、三度振った。
(するときもののしたにおいてあっためがねがいたのすきまからしたへおちた。)
すると着物の下に置いてあった眼鏡が板の隙間から下へ落ちた。
(せんせいはしろがすりのうえへへこおびをしめてから、めがねのなくなったのに)
先生は白絣の上へ兵児帯を締めてから、眼鏡の失くなったのに
(きがついたとみえて、きゅうにそこいらをさがしはじめた。)
気が付いたと見えて、急にそこいらを探し始めた。
(わたくしはすぐこしかけのしたへくびとてをつっこんでめがねをひろいだした。)
私はすぐ腰掛の下へ首と手を突っ込んで眼鏡を拾い出した。
(せんせいはありがとうといって、それをわたくしのてからうけとった。)
先生は有難うといって、それを私の手から受け取った。
(つぎのひわたくしはせんせいのあとにつづいてうみへとびこんだ。)
次の日私は先生の後につづいて海へ飛び込んだ。
(そうしてせんせいといっしょのほうがくにおよいでいった。)
そうして先生といっしょの方角に泳いで行った。
(にちょうほどおきへでると、せんせいはうしろをふりかえってわたくしにはなしかけた。)
二丁ほど沖へ出ると、先生は後ろを振り返って私に話し掛けた。
(ひろいあおいうみのひょうめんにういているものは、そのきんじょにわたくしらふたりよりほかになかった。)
広い蒼い海の表面に浮いているものは、その近所に私ら二人より外になかった。
(そうしてつよいたいようのひかりが、めのとどくかぎりみずとやまとをてらしていた。)
そうして強い太陽の光が、眼の届く限り水と山とを照らしていた。
(わたくしはじゆうとかんきにみちたきんにくをうごかしてうみのなかでおどりくるった。)
私は自由と歓喜に充ちた筋肉を動かして海の中で踊り狂った。
(せんせいはまたぱたりとてあしのうんどうをやめてあおむけになったままなみのうえにねた。)
先生はまたぱたりと手足の運動を已めて仰向けになったまま浪の上に寝た。
(わたくしもそのまねをした。)
私もその真似をした。
(あおぞらのいろがぎらぎらとめをいるようにつうれつないろをわたくしのかおになげつけた。)
青空の色がぎらぎらと眼を射るように痛烈な色を私の顔に投げ付けた。
(「ゆかいですね」とわたくしはおおきなこえをだした。)
「愉快ですね」と私は大きな声を出した。
(しばらくしてうみのなかでおきあがるようにしせいをあらためたせんせいは、)
しばらくして海の中で起き上がるように姿勢を改めた先生は、
(「もうかえりませんか」といってわたくしをうながした。)
「もう帰りませんか」といって私を促した。
(ひかくてきつよいたいしつをもったわたくしは、もっとうみのなかであそんでいたかった。)
比較的強い体質をもった私は、もっと海の中で遊んでいたかった。
(しかしせんせいからさそわれたとき、わたくしはすぐ「ええかえりましょう」とこころよくこたえた。)
しかし先生から誘われた時、私はすぐ「ええ帰りましょう」と快く答えた。
(そうしてふたりでまたもとのみちをはまべへひきかえした。)
そうして二人でまた元の路を浜辺へ引き返した。
(わたくしはこれからせんせいとこんいになった。しかしせんせいがどこにいるかは)
私はこれから先生と懇意になった。しかし先生がどこにいるかは
(まだしらなかった。)
まだ知らなかった。
(それからなかふつかおいてちょうどみっかめのごごだったとおもう。)
それから中二日おいてちょうど三日目の午後だったと思う。
(せんせいとかけぢゃやでであったとき、せんせいはとつぜんわたくしにむかって、)
先生と掛茶屋で出会った時、先生は突然私に向かって、
(「きみはまだだいぶながくここにいるつもりですか」ときいた。)
「君はまだ大分長くここにいるつもりですか」と聞いた。
(かんがえのないわたくしはこういうといにこたえるだけのよういをあたまのなかにたくわえていなかった。)
考えのない私はこういう問いに答えるだけの用意を頭の中に蓄えていなかった。
(それで「どうだかわかりません」とこたえた。)
それで「どうだか分かりません」と答えた。
(しかしにやにやわらっているせんせいのかおをみたとき、わたくしはきゅうにきまりがわるくなった。)
しかしにやにや笑っている先生の顔を見た時、私は急に極りが悪くなった。
(「せんせいは?」とききかえさずにはいられなかった。)
「先生は?」と聞き返さずにはいられなかった。
(これがわたくしのくちをでたせんせいということばのはじまりである。)
これが私の口を出た先生という言葉の始まりである。