『瓜子姫子』楠山正雄2【完】
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問題文
(うらのやまへいくと、あまのじゃくはするするとかきのきによじのぼって、)
裏の山へ行くと、天邪鬼はスルスルと柿の木によじ登って、
(まっかになったかきを、おいしそうにとってはたべました。)
真っ赤になった柿を、おいしそうに取っては食べました。
(そしてしたにいるうりこひめこには、たねやへたばかりなげつけて、)
そして下にいる瓜子姫子には、種やヘタばかり投げつけて、
(ひとつもおとしてはくれません。うりこひめこはうらやましくなって、)
一つも落としてはくれません。瓜子姫子はうらやましくなって、
(「わたしにもひとつください」といいますと、)
「わたしにも一つ下さい」と言いますと、
(あまのじゃくは、「おまえもあがって、とってたべるがいい」といいながら、)
天邪鬼は、「お前も上がって、取って食べるがいい」と言いながら、
(したへおりてきて、こんどはかわりにうりこひめこをきのうえにのせました。)
下へ降りてきて、今度は代わりに瓜子姫子を木の上にのせました。
(のせるときに、「そんなきものをきてのぼると、よごれるから」といって、)
のせるときに、「そんな着物を着て登ると、よごれるから」と言って、
(じぶんのきものととりかえて、きがえさせました。)
自分の着物と取り替えて、着替えさせました。
(うりこひめこがやっとかきのきにのぼって、かきをとろうとしますと、)
瓜子姫子がやっと柿の木に登って、柿を取ろうとしますと、
(あまのじゃくは、どこからとってきたか、ふじのつるをもってきて、)
天邪鬼は、どこから取って来たか、藤のツルを持って来て、
(うりこひめこをかきのきにしばりつけてしまいました。)
瓜子姫子を柿の木にしばりつけてしまいました。
(そしてじぶんはうりこひめこのきものをきて、うりこひめこにばけて、)
そして自分は瓜子姫子の着物を着て、瓜子姫子に化けて、
(うちのなかにはいって、すましたかおをして、またとんからりことんからりこ、)
うちの中に入って、すました顔をして、またトンカラリコトンカラリコ、
(ぎいぎいばったん、はたをおっていました。)
ギイギイバッタン、はたを織っていました。
(しばらくすると、おじいさんとおばあさんがかえってきましたが、)
しばらくすると、おじいさんとおばあさんが帰って来ましたが、
(なにもしらないものですから、「うりこひめこ、よくおるすばんをしていたね。)
なにも知らないものですから、「瓜子姫子、よくお留守番をしていたね。
(さぞさびしかったろう」といって、あたまをさすってやりますと、)
さぞ寂しかったろう」と言って、頭をさすってやりますと、
(あまのじゃくは、「ああ、ああ」といいながら、したをそっとだしました。)
天邪鬼は、「ああ、ああ」と言いながら、舌をそっと出しました。
(するとおもてのほうが、きゅうにがやがやうるさくなって、)
すると表のほうが、急にガヤガヤうるさくなって、
(りっぱななりをしたおさむらいさんがおおぜい、ぴかぴかにぬった、)
立派ななりをしたお侍さんが大勢、ピカピカに塗った、
(きれいなかごをかついでやってきて、)
きれいなカゴをかついでやって来て、
(おじいさんとおばあさんのうちのまえに、とまりました。)
おじいさんとおばあさんのうちの前に、とまりました。
(おじいさんとおばあさんは、なにがはじまったのかとおもい、)
おじいさんとおばあさんは、なにが始まったのかと思い、
(びくびくしていますと、おさむらいさんはそのとき、)
ビクビクしていますと、お侍さんはそのとき、
(おじいさんとおばあさんにむかって、)
おじいさんとおばあさんに向かって、
(「おまえのむすめは、たいそううつくしいおりものをおるというひょうばんだ。)
「お前の娘は、大層美しい織り物を織るという評判だ。
(おしろのとのさまとおくがたさまが、おまえのむすめのはたをおるところがみたいと)
お城の殿様と奥方様が、お前の娘のはたを織る所が見たいと
(おおせだから、このかごにのってきてもらいたい」と、いいました。)
おおせだから、このカゴに乗って来てもらいたい」と、言いました。
(おじいさんとおばあさんはたいそうよろこんで、)
おじいさんとおばあさんは大層喜んで、
(うりこひめこにばけたあまのじゃくをかごにのせました。)
瓜子姫子に化けた天邪鬼をカゴに乗せました。
(おさむらいさんたちがあまのじゃくをのせて、うらのやまをとおりかかりますと、)
お侍さんたちが天邪鬼を乗せて、裏の山を通りかかりますと、
(かきのきのうえで、「ああ、うりこひめこがのるかごに、あまのじゃくがのっていく」)
柿の木の上で、「ああ、瓜子姫子が乗るカゴに、天邪鬼が乗って行く」
(というこえがしました。「おや、へんだ」とおもって、そばへよってみますと、)
という声がしました。「おや、変だ」と思って、そばへ寄ってみますと、
(かわいそうにうりこひめこは、あまのじゃくのきたないきものをきせられて、)
可哀想に瓜子姫子は、天邪鬼のきたない着物を着せられて、
(きのうえにしばりつけられていました。)
木の上にしばりつけられていました。
(おじいさんはうりこひめこをみつけると、いそいできからおろしてやりました。)
おじいさんは瓜子姫子を見つけると、急いで木から降ろしてやりました。
(おさむらいさんたちもたいそうおこって、あまのじゃくをかごからひきずりだして、)
お侍さんたちも大層怒って、天邪鬼をカゴから引きずり出して、
(そのかわりにうりこひめこをのせて、おしろへつれていきました。)
その代わりに瓜子姫子を乗せて、お城へ連れて行きました。
(そしてあまのじゃくのくびをきりおとして、はたけのすみにすてました。)
そして天邪鬼の首を斬り落として、畑のすみに捨てました。
(そのくびからながれだしたちが、しょくぶつのきびのからについたので、)
その首から流れ出した血が、植物のキビの殻についたので、
(きびのいろがそのときから、あかくなりだしました。)
キビの色がそのときから、赤くなりだしました。