超能力-1-

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師匠シリーズ
マイタイピングに師匠シリーズが沢山あったと思ったのですが、なくなってまっていたので、作成しました。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 daifuku 3735 D+ 3.9 95.1% 1145.1 4506 228 73 2024/10/22
2 daifuku 3712 D+ 3.9 94.2% 1137.3 4497 275 73 2024/11/12
3 Shion 3106 E++ 3.2 96.6% 1427.2 4594 160 73 2024/10/04

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問題文

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(だいがくじだい、れいかんのいじょうにつよいさーくるのせんぱいにあってからやたられいたいけんを)

大学時代、霊感の異常に強いサークルの先輩に会ってからやたら霊体験を

(するようになったおれは、おかるとにどっぷりつかったがくせいせいかつをおくっていた。)

するようになった俺は、オカルトにどっぷり浸かった学生生活を送っていた。

(おれはいちじき、ちょうのうりょくにきょうみをもちespかーどなどをつかって、なかばじょうだんで)

俺は一時期、超能力に興味を持ちESPカードなどを使って、半ば冗談で

(espのうりょくかいはつにとりくんだことがあった。ししょうとあおぐそのせんぱいはといえば、)

ESP能力開発に取り組んだことがあった。師匠と仰ぐその先輩はと言えば、

(はたけちがいのせいか、ちょうのうりょくなんていうはなしはきらいなようだった。)

畑違いのせいか、超能力なんていうハナシは嫌いなようだった。

(しかししんじてないというわけではない。こんなえぴそーどがある。)

しかし信じてないというわけではない。こんなエピソードがある。

(てれびをみていると、にちろちょうのうりょくたいけつ!などというきかくのとくばんをやっていた。)

テレビを見ていると、日露超能力対決!などという企画の特番をやっていた。

(そのなかでろしあじんのしょうじょがめかくしをしたまま、はこにみっぷうされたかみにかかれている)

その中でロシア人の少女が目隠しをしたまま、箱に密封された紙に書かれている

(ないようをあてる、というじっけんがあった。ようするにとうしするというのだ。)

内容を当てる、という実験があった。ようするに透視するというのだ。

(しょうじょがめかくしをしたあとでげいのうじんのげすとがかいたもので、)

少女が目隠しをしたあとで芸能人のゲストが書いたもので、

(じぜんにしりようがないはずなのに、しょうじょはみごとにねずみのえをあてたのだった。)

事前に知りようがないはずなのに、少女は見事にネズミの絵を当てたのだった。

(しかしてれびをみていたししょうがいう。「こんなのとうしじゃない」)

しかしテレビを見ていた師匠が言う。「こんなの透視じゃない」

(めかくしがいかにげんじゅうにされたかみていたはずなのに、そんなことを)

目隠しがいかに厳重にされたか見ていたはずなのに、そんなことを

(いいだしたので、「どういうことです?」ととうと、まじめくさったかおで、)

言い出したので、「どういうことです?」と問うと、真面目くさった顔で、

(「こんなのはてれぱすならかんたんだ」いひょうをつかれた。)

「こんなのはテレパスなら簡単だ」意表をつかれた。

(ようするにせいしんかんのう(てれぱしー)のうりょくがあるにんげんなら、)

ようするに精神感応(テレパシー)能力がある人間なら、

(そのかみにかいたげすとのしこうをよめば、こんなげいとうはあさめしまえだというのである。)

その紙に書いたゲストの思考を読めば、こんな芸当は朝飯前だというのである。

(どんなにげんじゅうにめかくしをしようと、はこにかくそうと、それをよういした)

どんなに厳重に目隠しをしようと、箱に隠そうと、それを用意した

(にんげんがいるかぎり、なかみはわかる。ししょうは、てれびででてくるような)

人間がいる限り、中身はわかる。師匠は、テレビで出てくるような

(とうしのうりょくしゃはすべていんちきで、ちょっとてれぱしーのうりょくがあるだけの)

透視能力者はすべてインチキで、ちょっとテレパシー能力があるだけの

など

(ぼんじんだ、といった。「てれぱしーのうりょくのあるぼんじん」というひょうげんが)

凡人だ、と言った。『テレパシー能力のある凡人』という表現が

(おもしろくてわらってしまった。ししょうはむっとしたが、おれがわらいつづけているのは)

面白くて笑ってしまった。師匠はムッとしたが、俺が笑い続けているのは

(ほかにりゆうがあった。ろしあじんのしょうじょのそばにたつつうやくのおとこを、)

他に理由があった。ロシア人の少女の傍に立つ通訳の男を、

(よくしっていたからだ。いんちきちょうのうりょくげいでなんどもぎょうかいからほされた、)

よく知っていたからだ。インチキ超能力芸でなんども業界から干された、

(そのすじではゆうめいなやましだ。おれはこんかいのとうしじっけんのたねもしっている。)

その筋では有名な山師だ。俺は今回の透視実験のタネも知っている。

(ときどき「つづけてだいじょうぶか」というようなことをいいながらしょうじょのからだにさわる、)

時々「続けて大丈夫か」というようなことを言いながら少女の身体に触る、

(そのさわりかたでえのじょうほうをあんごうかしてつたえているのだ。)

その触り方で絵の情報を暗号化して伝えているのだ。

(いぜんざっしでよんだことのある、かれのいつものてぐちだった。)

以前雑誌で読んだことのある、彼のいつもの手口だった。

(まつおなにがしがそこにいれば「つうやくにもめかくしさせろ」などといじわるなことを)

松尾何某がそこにいれば「通訳にも目隠しさせろ」などと意地悪なことを

(いいだすところである。おれはあえて、このしょうじょをてれぱすだとしんじている)

言い出すところである。俺はあえて、この少女をテレパスだと信じている

(ししょうにこのとくばんのうらをおしえなかった。)

師匠にこの特番の裏を教えなかった。

(なんだか、かわいらしいきがしたから。)

なんだか、かわいらしい気がしたから。

(そんなことがあったすうじつご、ししょうがおれのげしゅくをたずねてきて、)

そんなことがあった数日後、師匠が俺の下宿を訪ねてきて、

(「きょうはやりかえしにきた」という。あのばんぐみのあと、ざっしやてれびで)

「今日はやりかえしに来た」と言う。あの番組のあと、雑誌やテレビで

(いんちきがばくろされてちょっとわだいになったから、ししょうのみみにも)

インチキが暴露されてちょっと話題になったから、師匠の耳にも

(はいったらしい。おれがしっていてばかにしていたことも・・・)

入ったらしい。俺が知っていてバカにしていたことも・・・

(おれはいやなよかんがしたが、へやにあげないわけにはいかない。)

俺は嫌な予感がしたが、部屋に上げないわけにはいかない。

(ししょうはかばんから、あつがみでできたちいさなはこをふたつだし、てーぶるのうえにおいた。)

師匠はカバンから、厚紙で出来た小さな箱を二つだし、テーブルの上に置いた。

(「こちらをはこa、こっちをはこbとする」)

「こちらを箱A、こっちを箱Bとする」

(おなじようなはこに、まじっくでそうかいてある。なにがはじまるのかどきどきした。)

同じような箱に、マジックでそう書いてある。なにが始まるのかドキドキした。

(「aのはこにはせんえん、bのはこにはいちまんえんがはいっている。このはこをきみにあげよう」)

「Aの箱には千円、Bの箱には1万円が入っている。この箱を君にあげよう」

(ただし、とししょうはつづけた。「おかねをいれたのはじつはよちのうりょくしゃで、)

ただし、と師匠は続けた。「お金を入れたのは実は予知能力者で、

(きみがabどちらかかたほうをえらぶとよちしていたら、ただしくせんえんといちまんえんを)

君がABどちらか片方を選ぶと予知していたら、正しく千円と1万円を

(いれている。しかしもし、きみがりょうほうのはこをえらぶようなよくばりだと)

入れている。しかしもし、君が両方の箱を選ぶような欲張りだと

(よちしていたら、bのはこのいちまんえんはいれていない」さあ、どうえらぶ?)

予知していたら、Bの箱の1万円は入れていない」さあ、どう選ぶ?

(そういって、せんたくしをあげた。)

そう言って、選択肢をあげた。

(「1はこaのみ2はこbのみ3はこabりょうほうおっとそれから、4どちらもえらばない」)

「1箱Aのみ2箱Bのみ3箱AB両方おっとそれから、4どちらも選ばない」

(どういうげーむかよくわからないが、あたまをせいりする。ようするにbだけを)

どういうゲームかよく分からないが、頭を整理する。ようするにBだけを

(えらんだらちゃんといちまんえんはいってるんだから、2の「はこbのみ」が)

選んだらちゃんと1万円入ってるんだから、2の「箱Bのみ」が

(いちばんもうかるんじゃないだろうか。ししょうはいやらしいかおで、)

一番儲かるんじゃないだろうか。師匠は嫌らしい顔で、

(「ほんとにそれでいいのぉ?」といった。ちょっとまて、れいせいにかんがえろ。)

「ほんとにそれでいいのぉ?」と言った。ちょっと待て、冷静に考えろ。

(「そのよちのうりょくしゃは、ほんものというせっていなんですか」かんじんなところだ。)

「その予知能力者は、本物という設定なんですか」肝心なところだ。

(しかしししょうは「しつもんはふか」というだけだった。めのまえのはこをみていると、)

しかし師匠は「質問は不可」というだけだった。目の前の箱を見ていると、

(そこにあるんだから、いくらはいってようがりょうほうもらっといたらいいじゃん?)

そこにあるんだから、いくら入ってようが両方もらっといたらいいじゃん?

(とおれのなかのあくまがささやく。)

と俺の中の悪魔がささやく。

(まってまって、よちのうりょくがほんものならりょうほうえらべばbはから。)

待って待って、予知能力が本物なら両方選べばBはカラ。

(aのせんえんしかてにはいらないぞ?とおれのなかのてんしがささやく。)

Aの千円しか手に入らないぞ?と俺の中の天使がささやく。

(よちのうりょくがにせものならどうよ?そうよちして、bにおかねをいれなかったのに、)

予知能力が偽者ならどうよ?そう予知して、Bにお金を入れなかったのに、

(じっさいはbだけをえらんでしまったら、もうけはぜろえんだぞ。とあくま。そうだ。)

実際はBだけを選んでしまったら、もうけは0円だぞ。と悪魔。そうだ。

(だいたいよちのうりょくというのがあやふやだ。)

だいたい予知能力というのがあやふやだ。

(めのまえにあるのに、そのはこのなかみがまださだまっていないというのが、)

目の前にあるのに、その箱の中身がまだ定まっていないというのが、

(じっかんがわかない。おかねをいれる、というこういはすでにおわったかこなのだから、)

実感がわかない。お金を入れる、という行為はすでに終わった過去なのだから、

(いまからおれがどうしようがはこのなかみをかえることはできない、というきもする。)

今から俺がどうしようが箱の中身を変えることは出来ない、という気もする。

(じゃあ、3のはこabりょうほうというのがさいぜんのせんたくなんだろうか。)

じゃあ、3の箱AB両方というのが最善の選択なんだろうか。

(「さん」といいかけて、おもいとどまった。これはげーむなのだ。)

「さん」と言い掛けて、思いとどまった。これはゲームなのだ。

(しょせん、ししょうがよういしたものだ。あやうくほんきになるところだった。)

所詮、師匠が用意したものだ。あやうく本気になるところだった。

(たぶん、3をえらばせておいてはこbはからっぽ、「ほら、よくをかくから)

たぶん、3を選ばせておいて箱Bは空っぽ、「ホラ、欲をかくから

(せんえんしかてにはいらないんだ」とわらう。そういうしゅこうなのだろう。)

千円しか手に入らないんだ」と笑う。そういう趣向なのだろう。

(なんだかはらがたってきた。2のbだけをえらんでおいて、)

なんだか腹が立ってきた。2のBだけを選んでおいて、

(「かたほうしかえらんでないのに、いちまんえんはいってないぞ」とごねることもかんがえた。)

「片方しか選んでないのに、1万円入ってないぞ」とゴネることも考えた。

(しかし3の「りょうほう」をえらんでおけばさいていでもせんえんはてにはいるのだから、)

しかし3の「両方」を選んでおけば最低でも千円は手に入るのだから、

(つぎのしおくりまでこれでまるせんえんになって・・・と、せいかつしゅうあふれるしこうへと)

次の仕送りまでこれで○千円になって・・・と、生活臭あふれる思考へと

(すすんでいった。するとししょうが「こまってるねえ」とうれしそうにくちをだしてきた。)

進んでいった。すると師匠が「困ってるねえ」と嬉しそうに口を出してきた。

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