賭け-1-

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プレイ回数1205難易度(4.5) 4305打 長文
師匠シリーズ
マイタイピングに師匠シリーズが沢山あったと思ったのですが、なくなってまっていたので、作成しました。

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問題文

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(だいがくさんかいせいのはる。すでにだいがくのあらゆるこうぎにしゅっせきするきをうしなっていたおれは、)

大学三回生の春。すでに大学のあらゆる講義に出席する気を失っていた俺は、

(それまでいじょうにばいととぎゃんぶるをせいかつのちゅうしんにすえていった。)

それまで以上にバイトとギャンブルを生活の中心に据えていった。

(ぎゃんぶるといっても、きょうていやけいりんなどのおっさんむけのものではない。)

ギャンブルと言っても、競艇や競輪などのオッサン向けのものではない。

(それらよりもじょうほうをえやすく、がくせいなかまのかんしんもたかかったけいば。)

それらよりも情報を得やすく、学生仲間の関心も高かった競馬。

(そしててがるにできるまーじゃんやぱちんこだ。)

そして手軽に出来る麻雀やパチンコだ。

(とくにぱちんこは、いべんとのあるひになぜかかぜをひいて)

特にパチンコは、イベントのある日に何故か風邪を引いて

(ばいとをきゅうきょやすまざるをえなくなるというじつにはためいわくなたいしつをはっきして、)

バイトを急遽休まざるを得なくなるという実にハタ迷惑な体質を発揮して、

(ばいとなかまにみつからないようにこそこそととおったりしたものだった。)

バイト仲間に見つからないようにコソコソと通ったりしたものだった。

(あるひ、あしがとおざかりつつあったおかるとどうのししょうにみちばたであった。)

ある日、足が遠ざかりつつあったオカルト道の師匠に道端で会った。

(えきのちかくのろじょうだった。ゆうがた、えきまえであぶらそばをはらにいれ、)

駅の近くの路上だった。夕方、駅前で油ソバを腹に入れ、

(さあこれからもうひとしょうぶ、とやるきがわいてきたときだ。)

さあこれからもうひと勝負、とやる気が湧いてきた時だ。

(「しょにんきゅうがでたよ」とうれしそうにはなすししょうを、きがつくと)

「初任給が出たよ」と嬉しそうに話す師匠を、気がつくと

(あくのみちにさそってしまっていた。「ふやしましょう、それを」)

悪の道に誘ってしまっていた。「増やしましょう、それを」

(ゆうしいらい、じんるいがたえることなくせんたくをあやまりつづけたかけである。)

有史以来、人類が絶えることなく選択を誤り続けた賭けである。

(ししょうはさいしょこじしていたが、おれがさつたばのつまったさいふをみせると)

師匠は最初固辞していたが、俺が札束の詰まった財布を見せると

(きょうみをしめしてきた。そのころおれはやけについていて、)

興味を示してきた。そのころ俺はやけにツイていて、

(かなりのあぶくぜにをかかえていたのだ。)

かなりの泡銭を抱えていたのだ。

(それまでもなんどかししょうをぱちんこやにさそったことはあったが)

それまでも何度か師匠をパチンコ屋に誘ったことはあったが

(とりあってくれたことはなかった。)

取り合ってくれたことはなかった。

(それがきゅうにのりきになったということは、もうけばなしにのったということだと)

それが急に乗り気になったということは、儲け話に乗ったということだと

など

(たんじゅんにかいしゃくしたのだが、そのふくざつなひょうじょうからすると)

単純に解釈したのだが、その複雑な表情からすると

(なにかべつのかんがえがあってのことかもしれなかった。)

なにか別の考えがあってのことかも知れなかった。

(ともかくししょうがいっしょにきてくれるというのでおれはうれしくなり、)

ともかく師匠が一緒に来てくれるというので俺は嬉しくなり、

(とっておきのみせにあんないした。)

とっておきの店に案内した。

(えきまえからはすこしはなれるけれどかなりのせっちだいすうをほこるおおがたてんで、)

駅前からは少し離れるけれどかなりの設置台数を誇る大型店で、

(そのおなじちぇーんてんのなかでもゆうりょうてんとしてしられるみせだった。)

その同じチェーン店の中でも優良店として知られる店だった。

(まったくのしょしんしゃであるししょうにさんてんほうしきのしくみなどを)

まったくの初心者である師匠に三店方式の仕組みなどを

(せつめいしながらあるくことじゅっぷん。そうごんさすらただよわせるしろのようなみせがまえに)

説明しながら歩くこと十分。荘厳さすら漂わせる城のような店構えに

(「もうけすぎだろう」とみけんにしわをよせるので、)

「儲け過ぎだろう」と眉間に皺を寄せるので、

(それでもけいばやらたからくじなんかのこうえいぎゃんぶるにくらべて)

それでも競馬やら宝くじなんかの公営ギャンブルに比べて

(こうじょりつがひくく、たちまわりしだいでかてるかのうせいがたかいのだとひっしでせっとくすると、)

控除率が低く、立ち回り次第で勝てる可能性が高いのだと必死で説得すると、

(「わかったわかった」とうるさそうにいりぐちへあしをむけてくれた。)

「わかったわかった」と煩そうに入り口へ足を向けてくれた。

(じどうどあがひらくと、どくとくのそうおんがみみにおそいかかってくる。)

自動ドアが開くと、独特の騒音が耳に襲い掛かってくる。

(おれなどはこれをきくとえたいのしれないとうしがわいてくるのだが)

俺などはこれを聞くと得体の知れない闘志が湧いてくるのだが

(ししょうはふかいそうにかおをゆがめた。ふろあをしばらくながめて、)

師匠は不快そうに顔を歪めた。フロアをしばらく眺めて、

(かうんたーでれしーとをこうかんするきゃくやじぇっとかうんたーのようすをみながら)

カウンターでレシートを交換する客やジェットカウンターの様子を見ながら

(ひととおりせつめいをして、おれはししょうをあるこーなーへとさそった。)

一通り説明をして、俺は師匠をあるコーナーへと誘った。

(ぱちすろのしまだ。「ぱちんこじゃないのか」というので、)

パチスロのシマだ。「パチンコじゃないのか」と言うので、

(「いまはこっちがあついんす」とおやゆびをたてる。)

「今はこっちが熱いんス」と親指を立てる。

(もともとぱちんこからこのみちにはいったおれだったが、)

元々パチンコからこの道に入った俺だったが、

(そのころはぱちすろばかりうっていた。)

そのころはパチスロばかり打っていた。

(きせいかんわだかなんだかしらないが、ちょうしがよいときはいちまんまいをこえるめだるを)

規制緩和だかなんだか知らないが、調子が良い時は一万枚を超えるメダルを

(かくとくできるきしゅがふえてきたころだった。)

獲得できる機種が増えて来たころだった。

(めだるいちまいにじゅうえんのとうかこうかんなら、)

メダル一枚二十円の等価交換なら、

(いちにちにしてにじゅうまんえんをてにいれることになる。おれのあぶくぜにもそのおんけいだった。)

一日にして二十万円を手に入れることになる。俺の泡銭もその恩恵だった。

(ちゅうでもこだいあすてかぶんめいをもちーふにしただいがおきにいりで、)

中でも古代アステカ文明をモチーフにした台がお気に入りで、

(それがならんでいるしまをししょうをつれてうろうろしていたのだが、)

それが並んでいるシマを師匠を連れてうろうろしていたのだが、

(おもいのほかきゃくつきがよくてふたりならんではすわれないじょうたいだった。)

思いのほか客付きが良くて二人並んでは座れない状態だった。

(せきがはなれてしまってしろうとのししょうひとりにうたせるわけにもいかないので)

席が離れてしまって素人の師匠一人に打たせるわけにもいかないので

(しばらくまっていたが、なかなかあきそうにない。)

しばらく待っていたが、なかなか空きそうにない。

(はぬけのようにひとつとびにあいているせきはあるけれど、)

歯抜けのように一つ飛びに空いている席はあるけれど、

(そのしゅういのきゃくはみんなならったようにせんえんさつのたばをめだるとうにゅうぐちにはさんでいて、)

その周囲の客はみんな習ったように千円札の束をメダル投入口に挟んでいて、

(まだまだうつきじゅっぷんのようだった。)

まだまだ打つ気十分のようだった。

(「これがあついんすけど、あきませんねえ」とおれがぼやくと)

「これが熱いんスけど、空きませんねえ」と俺がぼやくと

(ししょうはなにをおもったかつかつかとはぬけのまんなかでうっているきゃくのところへ)

師匠はなにを思ったかツカツカと歯抜けの真ん中で打っている客の所へ

(あゆみよっていった。そしてなにごとかそのきゃくにはなしかけ、)

歩み寄っていった。そして何ごとかその客に話し掛け、

(ひとことにごんやりとりをしていたがいきなりそのすかじゃんをきたわかいにいちゃんに)

一言二言やりとりをしていたがいきなりそのスカジャンを着た若い兄ちゃんに

(どつかれてうしろへころびそうになった。)

ドツかれて後ろへ転びそうになった。

(だいにむきなおってげーむをつづけるにいちゃんになにかすてぜりふをはいてから、)

台に向き直ってゲームを続ける兄ちゃんになにか捨て台詞を吐いてから、

(ししょうがもどってくる。ふんぜんとしている。)

師匠が戻って来る。憤然としている。

(「そっちにつめてくれっていったらいかられた」おれはふいた。)

「そっちに詰めてくれって言ったら怒られた」俺は吹いた。

(しろうとのはっそうはすごい。おれだったらぜったいおもいつかない。)

素人の発想は凄い。俺だったら絶対思いつかない。

(「ちゃんとつめてすわればふたりづれのひとでもすわれるのに、)

「ちゃんと詰めて座れば二人連れの人でも座れるのに、

(まなーがなってない」とぶつぶついっているししょうをなだめる。)

マナーがなってない」とぶつぶつ言っている師匠を宥める。

(ぱちすろにはせっていというのものがあって、)

パチスロには設定というのものがあって、

(とせつめいをしているとはしのだいがにだいつづけてあいた。)

と説明をしていると端の台が二台続けて空いた。

(すぐにとんでいってだいをかくほする。「じゃあうちましょう」)

すぐに飛んで行って台を確保する。「じゃあ打ちましょう」

(しょうじきどっちのだいもあまりよいだいとはいえなかったがいちおうししょうに)

正直どっちの台もあまり良い台とは言えなかったが一応師匠に

(まだましなほうをあてがってじっせんをかいしした。)

まだマシな方をあてがって実戦を開始した。

(さいしょのせんえんでししょうはほとんどおえがそろわず、あっというまにこうかんした)

最初の千円で師匠は殆ど小役が揃わず、あっという間に交換した

(ごじゅうまいのめだるがなくなる。「なくなったぞ」そうですね。これからですよ。)

五十枚のメダルが無くなる。「無くなったぞ」そうですね。これからですよ。

(「そうか」ふたりならんでぺちぺちとすとっぷぼたんをおしていく。)

「そうか」二人並んでペチペチとストップボタンを押していく。

(「またなくなったぞ」そうですね。いちいちうるせぇな、とおもいながら)

「また無くなったぞ」そうですね。いちいちうるせぇな、と思いながら

(まわっているりーるのどのへんをねらってぼたんをおせばよいかせつめいしていると、)

回っているリールのどの辺を狙ってボタンを押せば良いか説明していると、

(おれのだいのほうにりーちめがしゅつげんした。)

俺の台の方にリーチ目が出現した。

(ゆびをさして、しろいななのえがらがふたつかさなっていることをこうふんぎみにまくしたてる。)

指をさして、白い7の絵柄が二つ重なっていることを興奮気味に捲くし立てる。

(こんどはししょうのほうが「うるせぇな」というかおをした。)

今度は師匠の方が「うるせぇな」という顔をした。

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