超能力-2-(完)
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | daifuku | 3544 | D+ | 3.7 | 93.9% | 769.1 | 2913 | 187 | 50 | 2024/10/07 |
2 | Shion | 3399 | D | 3.4 | 97.6% | 852.1 | 2969 | 72 | 50 | 2024/10/05 |
3 | 上半身が痛い | 3376 | D | 3.6 | 92.6% | 791.6 | 2903 | 230 | 50 | 2024/10/10 |
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問題文
(「そこで、ひとつひんとをあげよう。きみがもし、とうしのうりょく、もしくは)
「そこで、一つヒントをあげよう。君がもし、透視能力、もしくは
(てれぱしーのうりょくのもちぬしだったとしたら、どうする?」きた。)
テレパシー能力の持ち主だったとしたら、どうする?」きた。
(またへんなじょうけんがでてきた。よちのうりょくというかていのうえに、)
また変な条件が出て来た。予知能力という仮定の上に、
(さらにべつのかていをかさねるのだから、ややこしいはなしになりそうだった。)
さらに別の仮定を重ねるのだから、ややこしい話になりそうだった。
(そんなかおをしてると、ししょうは「かんたんかんたん」とわらうのだった。「とうしってのは、)
そんな顔をしてると、師匠は「簡単簡単」と笑うのだった。「透視ってのは、
(ようするになかみをのぞくことだろう?だったらさいげんするのはかんたん。)
ようするに中身を覗くことだろう?だったら再現するのは簡単。
(はこのよこっぱらにあなをあけてみれば、りっぱなとうしのうりょくしゃだ」)
箱の横っ腹に穴を開けて見れば、立派な透視能力者だ」
(ちょ、そんなずるありですか、といったが「とうしのうりょくってそういうものだから」)
ちょ、そんなズルありですか、と言ったが「透視能力ってそういうものだから」
(そっちがokならぜんぜんかまわない。「てれぱしーのほうならもっとかんたん。)
そっちがOKなら全然構わない。「テレパシーの方ならもっと簡単。
(いれたほんにんにきけばいい。あたまのなかをのぞかれたせっていで」)
入れた本人に聞けばいい。頭の中を覗かれた設定で」
(なんだかげーむでもなんでもなくなってきたきがする。)
なんだかゲームでもなんでもなくなってきた気がする。
(「で、ぼくはちょうのうりょくしゃになっていいんですか?」)
「で、僕は超能力者になっていいんですか?」
(「いいよぉ。ただし、とうしのうりょくか、てれぱしーかのにたく。)
「いいよぉ。ただし、透視能力か、テレパシーかの2択。
(といいたいところだけど、てれぱしーのほうはいれたほんにんがここにいないから、)
と言いたいところだけど、テレパシーの方は入れた本人がここにいないから、
(えんりょしてもらおうかな」ほんにんがいない?いやなよかんがした。)
遠慮してもらおうかな」本人がいない?嫌な予感がした。
(もしかして、かのじょがからんでますか?ととうとうなずき、)
もしかして、彼女が絡んでますか?と問うと頷き、
(「ぼくもなかみはしらない」といった。おれはあおくなった。ししょうのかのじょは、)
「僕も中身は知らない」と言った。俺は青くなった。師匠の彼女は、
(なんといったらいいのか、いじょうにかんがするどいというのか、)
なんといったらいいのか、異常に勘がするどいというのか、
(よちまがいのことができる、あまりかかわりたくないひとだった。)
予知まがいのことが出来る、あまり関わりたくない人だった。
(「ほんものじゃないですか!」おれはめのまえのはこから、おもわずみをひいた。)
「本物じゃないですか!」俺は目の前の箱から、思わず身を引いた。
(ただのげーむじゃなくなってきた。かりに、もしかりに、まんがいち、ひゃくまんがいち、)
ただのゲームじゃなくなってきた。仮に、もし仮に、万が一、百万が一、
(ししょうのかのじょのちからがたまたまのれべるをこえて、ひょっとしてもしかして)
師匠の彼女の力がたまたまのレベルを超えて、ひょっとしてもしかして
(ほんもののよちのうりょくだったばあい、これってまじ・・・?)
本物の予知能力だった場合、これってマジ・・・?
(おれはいままでに、なんどかそのひとにてすとのやまでたすけてもらったことがある。)
俺は今までに、何度かその人にテストのヤマで助けてもらったことがある。
(あまりにあたるので、きみがわるくてさいきんはしゃべってもいない。)
あまりに当たるので、気味が悪くて最近は喋ってもいない。
(「さあ、とうしのうりょくをつかう?」ししょうはかったーをもって、はこbにあてがった。)
「さあ、透視能力を使う?」師匠はカッターを持って、箱Bにあてがった。
(「ちょっとまってください」はなしがちがってくる。というかほんきどがちがってくる。)
「ちょっと待ってください」話が違ってくる。というか本気度が違ってくる。
(よちのうりょくがほんものだとしたばあい、りょうほうのはこをえらぶというこういで、bのはこのなかみが)
予知能力が本物だとした場合、両方の箱を選ぶという行為で、Bの箱の中身が
(さかのぼってしょうめつしたりあらわれたりするのだろうか?それとも、おれがこう)
遡って消滅したり現れたりするのだろうか?それとも、俺がこう
(かんがえていることもすべてこみのよちがなされていて、おれがどうえらぶか)
考えていることもすべて込みの予知がなされていて、俺がどう選ぶか
(ということもかんぜんにさだまっているのだろうか。)
ということも完全に定まっているのだろうか。
(「うしがどのくさをたべるかというのはかんぜんにはよそくできない」)
「牛がどの草を食べるかというのは完全には予測出来ない」
(という、ふかくていせいげんりとかいうややこしいぶつりがくのれいだいがあたまをよぎったが、)
という、不確定性原理とかいうややこしい物理学の例題が頭を過ぎったが、
(よくりかいしてないのがくやまれる。おれがくのうしながらゆびさそうとしている)
よく理解してないのが悔やまれる。俺が苦悩しながら指差そうとしている
(そのすがたを、かこからのぞかれているのだろうか?)
その姿を、過去から覗かれているのだろうか?
(そしておれのいしけっていとどうじに、はこにおかねをいれるという、)
そして俺の意思決定と同時に、箱にお金を入れるという、
(ふかくていなかこがさだまるのだろうか?その「どうじ」ってなんだ?)
不確定な過去が定まるのだろうか?その「同時」ってなんだ?
(かんがえればかんがえるほど、おそろしくなってくる。)
考えれば考えるほど、恐ろしくなってくる。
(にんげんがふれていいりょういきのようなきがしない。)
人間が触れていい領域のような気がしない。
(かちゅうのはこbはなにごともなくそこにあるだけなのに。)
渦中の箱Bは何事もなくそこにあるだけなのに。
(そしてそのはこを、えらぶまえになかをのぞいてしまおうというのだから、)
そしてその箱を、選ぶ前に中を覗いてしまおうというのだから、
(なんだかわけがわからなくなってくる。)
なんだか訳がわからなくなってくる。
(おれはひざがわらいはじめ、あぶらあせがにじみ、ひねりだすようにひとつのこたえをだした。)
俺は膝が笑いはじめ、脂汗がにじみ、捻り出すように一つの答えを出した。
(「4どちらもえらばない、でおねがいします」ししょうはにやりとして、)
「4どちらも選ばない、でお願いします」師匠はニヤリとして、
(かったーをひっこめた。「ぜんていがひとつたりないことにきがついた?)
カッターを引っ込めた。「前提が一つ足りないことに気がついた?
(かたほうをえらぶばあいはそれぞれにおかねをいれ、りょうほうをえらぶばあいはaにしか)
片方を選ぶ場合はそれぞれにお金を入れ、両方を選ぶ場合はAにしか
(いれない。じゃあ、どちらもえらばないとよちしていたばあいは?」)
入れない。じゃあ、どちらも選ばないと予知していた場合は?」
(きめてなかったから、ぼくもこのなかがどうなっているのかわからないんだなぁ。)
決めてなかったから、僕もこの中がどうなっているのか分からないんだなぁ。
(ししょうはそういいながらむぞうさにふたつのはこをかばんにもどした。)
師匠はそう言いながら無造作に二つの箱をカバンに戻した。
(おれはこのひとにはかてない、とおもいしった。)
俺はこの人には勝てない、と思い知った。