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師匠シリーズ
マイタイピングに師匠シリーズが沢山あったと思ったのですが、なくなってまっていたので、作成しました。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 Shion 3288 D 3.3 97.9% 1462.8 4915 104 77 2024/10/04

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問題文

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(だいがくにかいせいのはるごろ、おかるとどうのししょうであるせんぱいのいえに)

大学2回生の春ごろ、オカルト道の師匠である先輩の家に

(ふらっとあそびにいった。どあをあけるとせまいへやのまんなかで、)

ふらっと遊びに行った。ドアを開けると狭い部屋の真ん中で、

(なにやらむずかしいかおをしてしゃしんをみている。「なんのしゃしんですか」「しんれいしゃしん」)

なにやら難しい顔をして写真を見ている。「なんの写真ですか」「心霊写真」

(ちょっとひいた。しんれいしゃしんがそんなにこわいわけではなかったが、)

ちょっと引いた。心霊写真がそんなに怖いわけではなかったが、

(もんだいはりょうなのだ。たたみのゆかじゅうにあるばむがばらまかれて、)

問題は量なのだ。畳の床じゅうにアルバムがばらまかれて、

(すうひゃくまいはありそうだった。どこでこんなに!ととうと、)

数百枚はありそうだった。どこでこんなに!と問うと、

(「ぎょうしゃ」としゃしんからめをはなさずにいうのだ。)

「業者」と写真から目を離さずに言うのだ。

(どうやらおおさかにそういうみせがあるらしい。おてらやじんじゃにもちこまれる)

どうやら大阪にそういう店があるらしい。お寺や神社に持ち込まれる

(しんれいしゃしんは、もちろんおはらいをしてほしいということでいらいされるのだが、)

心霊写真は、もちろんお払いをして欲しいということで依頼されるのだが、

(たいていしょぶんもしてほしいとたのまれる。そこでもやされずに)

たいてい処分もして欲しいと頼まれる。そこで燃やされずに

(よこながしされたものが、まにあのしじょうへでてくるという。しんじられないせかいだ。)

横流しされたモノが、マニアの市場へ出てくると言う。信じられない世界だ。

(なんまいかてにとってみたが、どれもきょうれつなしゃしんだった。もやがかかってるだけ、)

何枚か手にとって見たが、どれも強烈な写真だった。もやがかかってるだけ、

(みたいなあっさりしたものはない。こうえんであそぶこどものくびがないしゃしん。)

みたいなあっさりしたものはない。公園で遊ぶ子どもの首がない写真。

(かいすいよくじょうでどうみてもすいしんがありそうなばしょにむひょうじょうのおとこがひざまでしか)

海水浴場でどうみても水深がありそうな場所に無表情の男が膝までしか

(つからずにたっているしゃしん。かぞくしゃしんなかにさいだんのようなものが)

浸からずに立っている写真。家族写真なかに祭壇のようなものが

(みゃくらくもなくうつっているしゃしん・・・おれはおそるおそるししょうにきいた。)

脈絡もなく写っている写真・・・俺はおそるおそる師匠に聞いた。

(「おはらいすみなんでしょうね」「・・・きちんとおはらいするぼうさんやら)

「お払い済みなんでしょうね」「・・・きちんとお払いする坊さんやら

(かんぬしやらが、こんなものやみにながすかなあ」「じゃ、そういうことで」)

神主やらが、こんなもの闇に流すかなあ」「じゃ、そういうことで」

(でていこうとしたが、ししょうにうでをつかまれた。「いやー!」)

出て行こうとしたが、師匠に腕をつかまれた。「イヤー!」

(このへやにいるだけでのろわれそうだ。ゆきやまのさんそうでめいたんていじゅうにんと)

この部屋にいるだけで呪われそうだ。雪山の山荘で名探偵10人と

など

(そうぐうしたら、こんなきぶんになるだろうか。かんねんしたおれは、へやのすみにすわった。)

遭遇したら、こんな気分になるだろうか。観念した俺は、部屋の隅に座った。

(ししょうはあいかわらずみけんにしわをよせてしゃしんをながめている。)

師匠は相変わらず眉間にしわを寄せて写真を眺めている。

(ふと、めのまえのしゃしんのたばのなかにへんなしゃしんをみつけててにとった。)

ふと、目の前の写真の束の中に変な写真を見つけて手に取った。

(へんというか、へんじゃないので、へんなのだ。ふつうのふうけいしゃしんだった。)

変というか、変じゃないので、変なのだ。普通の風景写真だった。

(「ししょう、これは?」とみせると、)

「師匠、これは?」と見せると、

(「ああ、これはこのきのねもとにおんなのかおが・・・あれ?ないね。きえてるね」)

「ああ、これはこの木の根元に女の顔が・・・あれ?ないね。 消えてるね」

(まあ、そんなこともあるよ。って、いわれても。こわすぎるだろ!おれはすわり)

まあ、そんなこともあるよ。って、言われても。怖すぎるだろ!俺は座り

(しょんべんをしそうになった。そしてへやのすみでじっとすることしばし。)

しょんべんをしそうになった。そして部屋の隅でじっとすること暫し。

(ふいにししょうがいう。「むかしはまんなかでしゃしんをとられるとたましいがぬけるだとか、)

ふいに師匠がいう。「昔は真ん中で写真を撮られると魂が抜けるだとか、

(じゅみょうがちぢむだとかいわれたんだけど、これはなぜかわかる?」)

寿命が縮むだとかいわれたんだけど、これはなぜかわかる?」

(「まんなかでうつるひとはせんせいだとかじょうしだとか、ねんぱいのひとがおおいから、)

「真ん中で写る人は先生だとか上司だとか、年配の人が多いから、

(はやくしにやすいですよね。むかしのしゃしんをみながら、ああこのひともしんだ、)

早く死に易いですよね。昔の写真を見ながら、ああこの人も死んだ、

(このひともしんだ、なんてはなしてるとしぜんにそんなうわさがたったんでしょうね」)

この人も死んだ、なんて話してると自然にそんなうわさが立ったんでしょうね」

(「じゃあこんなしゃしんはどうおもう」ししょうはそういうと、しろくろのふるいしゃしんをだした。)

「じゃあこんな写真はどう思う」師匠はそう言うと、白黒の古い写真を出した。

(どこかのにわさきできものをきただんせいがさんにんならんでたっているしゃしんだ。)

どこかの庭先で着物を着た男性が3人並んで立っている写真だ。

(そのまんなかのしょろうのだんせいのずじょうのあたりにもやのようなものがかかり、)

その真ん中の初老の男性の頭上のあたりに靄のようなものが掛かり、

(それがかおのようにみえた。「これをみたらたましいがぬけたとおもうよね」)

それが顔のように見えた。「これを見たら魂が抜けたと思うよね」

(たしかに。ほんにんがみたらいきたここちがしなかっただろう。)

たしかに。本人が見たら生きた心地がしなかっただろう。

(ししょうは「たまげた?」とかそういうくだらないことをいいながらしゃしんを)

師匠は「魂消た?」とかそういうくだらないことを言いながら写真を

(たばのなかにもどす。「たましいがとられるとか、ぬけるとかいうぶっそうなことを)

束のなかに戻す。「魂が取られるとか、抜けるとかいう物騒なことを

(いってるのに、そくしするわけじゃなくて、せいぜいじゅみょうが)

言ってるのに、即死するわけじゃなくて、せいぜい寿命が

(ちぢむっていうのもへんなはなしだよね」なるほど、そんなふうにかんがえたことはなかった。)

縮むっていうのも変な話だよね」なるほど、そんな風に考えたことはなかった。

(「むかしのひとは、たましいにはりょうがあってそのいちぶがうしなわれるとかんがえていたんだろうか」)

「昔の人は、魂には量があってその一部が失われると考えていたんだろうか」

(そういうことになりそうだ。)

そういうことになりそうだ。

(「じゃあたましいそのもののれいたいがしゃしんにとられたら、どういうことになる?」)

「じゃあ魂そのものの霊体が写真にとられたら、どういうことになる?」

(「それはしんれいしゃしんのことですか?みをきられるようにつらいでしょうね」)

「それは心霊写真のことですか?身を切られるようにつらいでしょうね」

(と、くだらないじょうだんでかえしたがよくかんがえると、)

と、くだらない冗談で返したがよく考えると、

(「でもそれはしょせんむかしのひとのおもいこみがどだいになってるから、)

「でもそれは所詮昔の人の思い込みが土台になってるから、

(いっぱんかできませんよ」おれはしてやった、というかおをした。するとししょうは)

一般化できませんよ」俺はしてやった、という顔をした。すると師匠は

(こともなげにいう。「そのおもいこみをしてるむかしのひとのれいだったら?」)

こともなげに言う。「その思い込みをしてる昔の人の霊だったら?」

(うーむ。「どういうことになるんでしょうか」とりかえしにくるんじゃない?)

うーむ。「どういうことになるんでしょうか」取り返しにくるんじゃない?

(ししょうはささやくようなこえでいうのだ。やめてほしい。)

師匠は囁く様な声で言うのだ。やめて欲しい。

(そんなふうにおれをいびりながらも、ししょうはまたむずかしいかおをしてしゃしんを)

そんな風に俺をいびりながらも、師匠はまた難しい顔をして写真を

(にらみつけている。へやにはいったときからおなじしゃしんばかりくりかえしみていることに)

睨みつけている。部屋に入った時から同じ写真ばかり繰り返し見ていることに

(きづいたおれは、じらいとしりつつ「なんですか」といった。)

気づいた俺は、地雷と知りつつ「なんですか」と言った。

(ししょうはだまってにまいのしゃしんをさしだした。おれはびくびくしながらうけとる。)

師匠は黙って2枚の写真を差し出した。俺はビクビクしながら受け取る。

(「うわ!」とおもわずこえをあげてめをそむけた。)

「うわ!」と思わず声を上げて目を背けた。

(ちらっとみただけで、よくわからなかったが、もうれつにやばいきがする。)

ちらっと見ただけで、よくわからなかったが、猛烈にヤバイ気がする。

(「べつべつのばしょでとられたしゃしんにおなじものがうつってるんだよ。えーっと、)

「別々の場所で撮られた写真に同じものが写ってるんだよ。えーっと、

(たしか・・・」ししょうはりすとのようなものをめくる。)

確か・・・」師匠はリストのようなものをめくる。

(「あった。みぎがわがちばのうらやすでとられたねずみのくにでのかぞくりょこうしゃしん。)

「あった。右側が千葉の浦安でとられたネズミの国での家族旅行写真。

(もうひとつがひろしまのふくやまでとられたまちかどのふうけいしゃしん」)

もうひとつが広島の福山でとられた街角の風景写真」

(ちなみにしゃしんにかんするじょうほうがついてたほうが、たかいねがつく。とつけくわえた。)

ちなみに写真に関する情報がついてたほうが、高い値がつく。と付け加えた。

(「もちろんとったひともべつべつ。よねんまえとろくねんまえ。たまたまおなじぎょうしゃに)

「もちろん撮った人も別々。4年前と6年前。たまたま同じ業者に

(ながれただけで、はいごにきょうつうこうはない。とおもう」おれはきょうみにかられて、)

流れただけで、背後に共通項はない。と思う」俺は興味に駆られて、

(うすめをあけようとした。そのとき、ししょうが「まった」といっておれをせいし、)

薄目を開けようとした。その時、師匠が「待った」と言って俺を制し、

(まどのほうへちかづいていった。「よるになった」またむずかしいかおをしていう。)

窓の方へ近づいていった。「夜になった」また難しい顔をして言う。

(なにをいいだしたのかとどきどきして、しゃしんをふせた。)

なにを言い出したのかとドキドキして、写真を伏せた。

(ししょうがまどのかーてんをずらすと、そとはひがかんぜんにくれていた。)

師匠が窓のカーテンをずらすと、外は日が完全に暮れていた。

(たしかきたのはごじくらいだから、そろそろくらくなってきても)

確か来たのは5時くらいだから、そろそろ暗くなって来ても

(おかしくないよなあ。とおもいながら、うでどけいをみる。たんしんはきゅうをさしていた。)

おかしくないよなあ。と思いながら、腕時計を見る。短針は9を指していた。

(え?!そんなにたってんの?とおどろいていると、ししょうがくちびるをかんで)

え?!そんなに経ってんの?と驚いていると、師匠が唇を噛んで

(「まずいなぁ。じつにまずい」とつぶやき「なんじくらいだとおもってた?」)

「まずいなぁ。実にまずい」と呟き「何時くらいだと思ってた?」

(ときいてくる。「ろくじはんくらいかな、と」たしかにじかんがすぎるのが)

と聞いてくる。「6時半くらいかな、と」確かに時間が過ぎるのが

(はやすぎるきもするが、それだけしゃしんをみるのにしゅうちゅうしていただけともおもえる。)

早すぎる気もするが、それだけ写真を見るのに集中していただけとも思える。

(「ぼくはしょうごだ」それはありえないだろ!しかしししょうのめはわらっていない。)

「僕は正午だ」それはありえないだろ!しかし師匠の目は笑っていない。

(なにかにたいないどけいをくるわされたとでもいうのだろうか。)

何かに体内時計を狂わされたとでも言うのだろうか。

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