追跡-6-(完)

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プレイ回数391難易度(4.9) 2221打 長文 長文モード推奨
師匠シリーズ
マイタイピングに師匠シリーズが沢山あったと思ったのですが、なくなってしまっていたので、作成しました。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 tetsumi 4522 C++ 4.7 95.5% 479.6 2276 107 45 2024/11/04

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問題文

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(どうやらししょうは「じんめんそがあるおんな」といううわさをどこかからききつけて、)

どうやら師匠は「人面疽がある女」という噂をどこかから聞きつけて、

(なんとしてもみたくなったらしく、さがしだしてなんぱしたのだそうだ。)

なんとしても見たくなったらしく、探し出してナンパしたのだそうだ。

(いちにちでよくもまあほてるまでこぎつけたものだ。)

一日でよくもまあホテルまで漕ぎつけたものだ。

(「で、あったんですか。じんめんそ」「いや、あれはただのやけどのあとだろう」)

「で、あったんですか。人面疽」「いや、あれはただの火傷の跡だろう」

(そしてもうようずみだから、おんながいきたがっていたのでよやくしておいた)

そしてもう用済みだから、女が行きたがっていたので予約しておいた

(れすとらんをなんとかきゃんせるしてすぐにでもわかれられないかと)

レストランをなんとかキャンセルしてすぐにでも別れられないかと

(かんけいをめぐらせていたところ、おんなのかれしにでくわして)

○計を巡らせていた所、女の彼氏に出くわして

(こんなめにあったということらしい。)

こんな目にあったということらしい。

(「さいあくだった」さいあくなのはあんたもだ、といいたかった。)

「最悪だった」最悪なのはあんたもだ、と言いたかった。

(あのじけんはあるいみとうぜんのてんばつだろう。)

あの事件はある意味当然の天罰だろう。

(おれはふとおもいだして、きのうきづいたばかりのはっけんをししょうにひろうした。)

俺はふと思い出して、昨日気づいたばかりの発見を師匠に披露した。

(「「ついせき」のさくしゃのぺんねーむ、かい=ろあなーくでしたよね」)

「『追跡』の作者のペンネーム、カヰ=ロアナークでしたよね」

(ちらしのうらに、ぼーるぺんでかきつける。kayiroanaku)

チラシの裏に、ボールペンで書き付ける。KAYI ROANAKU

(「たぶん、こうかくんですよ。ろあのーくじまのかいをもじるにしても、)

「たぶん、こう書くんですよ。ロアノーク島の怪をもじるにしても、

(すこしおもいかんじがしたのは、つかえるもじがきまってたからなんです」)

少し重い感じがしたのは、使える文字が決まってたからなんです」

(というのは、とつづけながらおれはそのしたにならべてべつのなまえをかく。)

というのは、と続けながら俺はその下に並べて別の名前を書く。

(くらのきあやkuranokiaya「あやさんのなまえです。)

倉野木綾 KURANOKI AYA「綾さんの名前です。

(で、これをりょうほうともあるふぁべっとじゅんにならびかえると・・・・・・」)

で、これを両方ともアルファベット順に並び替えると……」

(aaaikknoruy)

AAAIKKNORUY

(aaaikknoruy)

AAAIKKNORUY

など

(「ね、あなぐらむでしょう。これって」ししょうはうなずく。)

「ね、アナグラムでしょう。これって」師匠は頷く。

(「さらに、あやさんのいまのぺんねーむもどうように」)

「さらに、綾さんの今のペンネームも同様に」

(ちのあるくkayanoariku)

茅野歩く KAYANO ARIKU

(した)

(aaaikknoruy)

AAAIKKNORUY

(「どうです」じまんげなおれに、ししょうはあまりかんしんしたようすもなく、)

「どうです」自慢げな俺に、師匠はあまり感心した様子も無く、

(「かい=ろあのーくをやめたいからべつのをかんがえてっていわれて、)

「カヰ=ロアノークをやめたいから別のを考えてって言われて、

(こねくりまわしていまのなまえをつくったの、ぼくだしね」という。)

こねくり回して今の名前を作ったの、僕だしね」と言う。

(よそうされたことだった。しかし、このじぶんてきにすごいはっけんにみずをさされたきがして)

予想されたことだった。しかし、この自分的に凄い発見に水を差された気がして

(てんしょんがさがった。そのせいだろうか、すこしいじわるなことを)

テンションが下がった。そのせいだろうか、少し意地悪なことを

(いいたくなった。「でも、よくあのばめんであやさんのなまえをつぶやきましたね。)

言いたくなった。「でも、よくあの場面で綾さんの名前を呟きましたね。

(といってもおぼえてないでしょうけど」)

といっても覚えてないでしょうけど」

(「ちがうおんなのなまえをくちにしてたらさされてたって?)

「違う女の名前を口にしてたら刺されてたって?

(そんなことでさされるなら、とっくにしんでるって」)

そんなことで刺されるなら、とっくに死んでるって」

(ああ、やっぱりこのひとはだめだ。)

ああ、やっぱりこの人はダメだ。

(「でもあやさんのよちのうりょくでかかれた、いうならばよげんのしょにあったんですよ。)

「でも綾さんの予知能力で書かれた、いうならば予言の書にあったんですよ。

(そのうんめいをかえるきせきてきなひとことだったわけじゃないですか」)

その運命を変える奇跡的な一言だったわけじゃないですか」

(「まあしょせん、しょうせつだからなあ」)

「まあしょせん、小説だからなあ」

(そのしょうせつのおかげでたすけられたのはだれだといいそうになった。)

その小説のおかげで助けられたのは誰だと言いそうになった。

(「それにそれをよんでたの、ひとりだけじゃないわけだし」)

「それにそれを読んでたの、一人だけじゃないわけだし」

(なにげないひとことに、けむりにまかれたようなきぶんになる。)

何気ない一言に、煙に巻かれたような気分になる。

(「どういうことですか」つめよるおれをせいしながら、ししょうはひょうひょうといった。)

「どういうことですか」詰め寄る俺を制しながら、師匠は飄々と言った。

(「あのさいごのぺーじをよんでたとき、ぼくもうしろでみてたんだよね。)

「あの最後のページを読んでた時、僕も後ろで見てたんだよね。

(せなかで。で、こりゃやっべーとおもって、やっぱまるくおさまるなまえをね」)

背中で。で、こりゃやっべーと思って、やっぱ丸く収まる名前をね」

(たぬきねいりかこのやろう。おれはなんだかつうかいなきもちになって、はらのそこからわらった。)

狸寝入りかこの野郎。俺はなんだか痛快な気持ちになって、腹の底から笑った。

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