天使-1-
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ゆうりん | 6439 | S | 6.5 | 98.0% | 580.6 | 3816 | 77 | 70 | 2024/11/14 |
2 | tetsumi | 5476 | B++ | 5.6 | 96.9% | 675.4 | 3819 | 120 | 70 | 2024/11/14 |
3 | じゅん | 3919 | D++ | 4.2 | 93.6% | 877.1 | 3687 | 249 | 70 | 2024/11/18 |
4 | Shion | 2767 | E+ | 2.8 | 96.0% | 1315.1 | 3795 | 156 | 70 | 2024/10/02 |
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問題文
(きょうすけさんからきいたはなしだ。こわいゆめをみていたきがする。)
京介さんから聞いた話だ。怖い夢を見ていた気がする。
(まくらもとのめざましどけいをとめて、おもいだそうとする。)
枕元の目覚まし時計を止めて、思い出そうとする。
(かーてんのすきまからさしこむあさのひかりがしこうのじゃまだ。)
カーテンの隙間から射し込む朝の光が思考の邪魔だ。
(もやもやしたあたまのままかたいはぶらしをくわえる。)
もやもやした頭のまま硬い歯ブラシをくわえる。
(せーらーふくにきがえ、くつしたをはいてかがみのまえ、)
セーラー服に着替え、靴下を履いて鏡の前、
(にっとくちもとだけわらうとようやくあたまがすっきりしてくる。)
ニッと口元だけ笑うとようやく頭がすっきりして来る。
(そしてそのころになってまだあさごはんをたべていないことにきづく。)
そしてその頃になってまだ朝ごはんを食べていないことに気づく。
(ま、いいか、とおもう。あさごはんくらいたべなさいという)
ま、いいか、と思う。朝ごはんくらい食べなさいという
(ははおやのおせっきょうをききながしていえをでる。きょうはかぜがあってすずしい。)
母親のお説教を聞き流して家を出る。今日は風があって涼しい。
(ほんかくてきななつのとうらいはもうすこしさきのようだ。おおどおりにでるとさらりーまんや)
本格的な夏の到来はもう少し先のようだ。大通りに出るとサラリーマンや
(ちゅうこうせいのむれが、おもいおもいのほちょうでいききしている。)
中高生の群れが、思い思いの歩調で行き来している。
(わたしもそのながれにのって、あさのみちをあるく。)
私もその流れにのって、朝の道を歩く。
(このはるからかよいはじめたじょしこうこうは、ただちかいからという)
この春から通い始めた女子高校は、ただ近いからという
(りゆうだけできめてしまったようなものだ。)
理由だけで決めてしまったようなものだ。
(それがたまたましりつだったというわけで、りょうしんにはさぞめいわくだったことだろう。)
それがたまたま私立だったというわけで、両親にはさぞ迷惑だったことだろう。
(うすくてかるいかばんをかたてに、あるくこと10ふんあまり。)
薄くて軽い鞄を片手に、歩くこと10分あまり。
(こうこうのもんをくぐって、じぶんのげたばこのまえにたつと、)
高校の門をくぐって、自分の下駄箱の前に立つと、
(いまごろになっておなかがへってくる。)
今ごろになってお腹が減ってくる。
(ああ、ばたーをたっぷりぬったしょくぱんがたべたい。)
ああ、バターをたっぷりぬった食パンが食べたい。
(そんなことをおもいながらふたをあけると、)
そんなことを思いながらフタを開けると、
(うわばきのほかにみなれないものがはいっていた。てがみだ。)
上履きの他に見慣れないものが入っていた。手紙だ。
(かわいらしいぴんくのしーるでふうがされている。)
可愛らしいピンクのシールで封がされている。
(とりあえずそのままふたをとじる。)
とりあえずそのままフタを閉じる。
(きおくをかくにんするまでもなくここはじょしこうこうで、)
記憶を確認するまでもなくここは女子高校で、
(ということはげたばこにはいっていたぴんくのしーるのてがみなどというものは、)
ということは下駄箱に入っていたピンクのシールの手紙などというものは、
(つまり「そういう」ものなのだろう。)
つまり「そういう」ものなのだろう。
(だんしよりじょしにもてたくらいちゅうがくせいじだいのさいげんだ。)
男子より女子にモテた暗い中学生時代の再現だ。
(いや、きょうがくでなくなったぶん、もっとじたいはしんこくだった。)
いや、共学でなくなったぶん、もっと事態は深刻だった。
(げんなりしながらもういちどげたばこをあけ、てがみをとりだしてかばんにねじこむ。)
げんなりしながらもう一度下駄箱を開け、手紙を取り出して鞄にねじ込む。
(うわばきのかかとにひとさしゆびをいれて、みぎてをげたばこについて)
上履きの踵に人差し指を入れて、右手を下駄箱について
(かたあしのばらんすをとっていると、ふいにだれかのしせんをかんじた。)
片足のバランスを取っていると、ふいに誰かの視線を感じた。
(かおをあげると、ろうかからこっちをみているじょしせいとがいる。)
顔をあげると、廊下からこっちを見ている女子生徒がいる。
(ずいぶんとせがたかい。そのおとなびたひょうじょうから、さんねんせいかとあたりをつける。)
ずいぶんと背が高い。その大人びた表情から、3年生かとあたりをつける。
(え?なんでこっちみてるの。まさかあのひとがてがみの)
え?なんでこっち見てるの。まさかあの人が手紙の
(さしだしにんだったらどうしよう。いまかなりぐしゃぐしゃにかばんにいれちゃった。)
差出し人だったらどうしよう。今かなりグシャグシャに鞄に入れちゃった。
(そんなじぶんのしゅんじゅんもすべてみすかしたようなめつきで)
そんな自分の逡巡もすべて見透かしたような目つきで
(かのじょはかすかにわらったかとおもうと、「うらみはなるべくかわないほうがいいわ」と、)
彼女は微かに笑ったかと思うと、「恨みはなるべく買わない方がいいわ」と、
(ことりがさえずるようなささやきごえでいった。)
小鳥がさえずるような囁き声で言った。
(そしてせいふくをひるがえし、めのまえからさっていった。そのしゅんかんだ。)
そして制服を翻し、目の前から去っていった。その瞬間だ。
(しゅういにみみがいたくなるようなざつおんがはっせいし、なんにんものせいとたちが)
周囲に耳が痛くなるような雑音が発生し、何人もの生徒たちが
(そでのふれあうきょりでわたしのそばをとおりすぎていった。)
袖の触れ合う距離で私のそばを通り過ぎていった。
(ついさっきまでわたしはなぜかこのげたばこのまえに)
ついさっきまで私はなぜかこの下駄箱の前に
(じぶんしかいないようなさっかくをしていたのだ。)
自分しかいないような錯覚をしていたのだ。
(しかしたしかにさっきまで、このくうかんにはこのわたしと)
しかし確かにさっきまで、この空間にはこの私と
(ろうかのあのじょしせいとのふたりしかにんげんはいなかった。)
廊下のあの女子生徒の二人しか人間はいなかった。
(しぎょうの10ふんまえというあわただしいじかんに、そんなことが)
始業の10分前という慌しい時間に、そんなことが
(あるはずがないにもかかわらず、そのことになんのぎもんももたなかった。)
あるはずがないにも関わらず、そのことになんの疑問も持たなかった。
(まるで、ゆめのなかでおこるできごとのように。)
まるで、夢の中で起こる出来事のように。
(わらいごえ。あさのあいさつ。げたばこをへいかいするおと。)
笑い声。朝の挨拶。下駄箱を閉開する音。
(むすうのおとのなかで、ろうかからささやくこえなどきこえるはずはなかった。)
無数の音の中で、廊下から囁く声など聞こえるはずはなかった。
(わたしはしょうこうぐちのざわめきのなかでひとり、たちつくしていた。)
私は昇降口のざわめきの中で一人、立ち尽くしていた。
(「ちひろ~?どうしたの。きぶんわるいの」)
「ちひろ~? どうしたの。気分悪いの」
(そのひのやすみじかん、うかないかおをしていたわたしによーこがはなしかけてきた。)
その日の休み時間、浮かない顔をしていた私にヨーコが話かけてきた。
(おくというみょうじだったが、かのじょにはおくゆかしさというものはない。)
奥という苗字だったが、彼女には奥ゆかしさというものはない。
(せきがちかいこともあって、にゅうがくしょにちからまるできゅうらいのゆうじんのように)
席が近いこともあって、入学初日からまるで旧来の友人のように
(わたしにちかづいてきたこだった。はじめはそのなれなれしさにとまどったが、)
私に近づいてきた子だった。はじめはその馴れ馴れしさに戸惑ったが、
(がんらいともだちをつくるのがにがてなたいぷのわたしが、)
元来友だちを作るのが苦手なタイプの私が、
(あたらしいくらすでのせいかつですぐにはなしあいてえられたのはありがたかった。)
新しいクラスでの生活ですぐに話し相手得られたのは有り難かった。
(「ねえ、どったの」いすのせなかにあごをのせて、からだをぜんごにゆすっている。)
「ねえ、どったの」椅子の背中に顎を乗せて、体を前後に揺すっている。
(いすのあしがそれにあわせてかこかことおとをたてる。「うるさい。それやめて」)
椅子の足がそれに合わせてカコカコと音を立てる。「うるさい。それやめて」
(そういうと、「うわ。ごきげんななめ」とうれしそうなかおをしていすをとめる。)
そう言うと、「うわ。ご機嫌斜め」と嬉しそうな顔をして椅子を止める。
(「はらへった」おもわずでてしまったことばに、よーこはうなずく。)
「腹減った」思わず出てしまった言葉に、ヨーコは頷く。
(「やっぱりそれか。おおぐいのくせにていけつあつのおねぼうさんなんて、ふこうよね」)
「やっぱりそれか。大食いのくせに低血圧のお寝坊さんなんて、不幸よね」
(べつにねぼうしてるわけじゃない。)
べつに寝坊してるワケじゃない。
(というようなことをいおうとして、ふとおもいだしたべつのことをくちにした。)
というようなことを言おうとして、ふと思い出した別のことを口にした。
(「せがたかいしょーとのひと、しってる?」)
「背が高いショートの人、知ってる?」
(たぶんさんねんせいだとおもうんだけど。といいながら、あさのしょうこうぐちでみた)
たぶん3年生だと思うんだけど。と言いながら、朝の昇降口で見た
(きれながのめやそのととのったかおつきのせつめいをなるべくせいかくにつたえる。)
切れ長の目やその整った顔つきの説明をなるべく正確に伝える。
(するとよーこはすこしかんがえたあと、)
するとヨーコは少し考えたあと、
(「それって、まさきさんじゃないかな」といった。)
「それって、間崎さんじゃないかな」と言った。