Q これが幽霊にみえますか -1-
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | STのいろいろ | 8140 | 神 | 8.2 | 98.1% | 281.8 | 2338 | 44 | 44 | 2024/12/14 |
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問題文
(いわゆるかいだんのぶたい、あるいはどうにゅうとしておおいのは、)
いわゆる怪談の舞台、あるいは導入として多いのは、
(やはり「きもだめし」によるものだとおもいます。)
やはり「肝試し」によるものだと思います。
(りゆうはいろいろとありますが、それをたいけんするであろうひとが、)
理由は色々とありますが、それを体験するであろう人が、
(かいいやそれにるいするものにたいし)
怪異やそれに類するものに対し
(のうどうてきにせっしようとしているてんはおおきいでしょう。)
能動的に接しようとしている点は大きいでしょう。
(いむべきいんねんのあるはいきょにむだんでせんにゅうする。)
忌むべき因縁のある廃墟に無断で潜入する。
(ゆうじんとつれだって、しんやのだむにくるまをはしらせる。)
友人と連れ立って、深夜のダムに車を走らせる。
(あちらからやってくるのではなく、こちらがせっしょくをこころみたけっかとして、)
あちらからやって来るのではなく、こちらが接触を試みた結果として、
(なんらかのおそろしいげんしょうにあう。)
何らかの恐ろしい現象に遭う。
(そんなばあいであれば、しょうひしゃがわもあんしんしてかいだんをたのしむことができるのです。)
そんな場合であれば、消費者側も安心して怪談を楽しむことが出来るのです。
(なにもわるいことをしていないのにふじょうりなたいけんをしてしまうのであれば、)
何も悪いことをしていないのに不条理な体験をしてしまうのであれば、
(それはりふじんであり、めいかくないみもわからないはなしになってしまいます。)
それは理不尽であり、明確な意味も分からない話になってしまいます。
(そのてん、じぶんからかいいをもとめており、おおくのばあいはおろかなこういしゃとしてえがかれる)
その点、自分から怪異を求めており、多くの場合は愚かな行為者として描かれる
(「きもだめしにいくひとびと」がたいけんしたはなしであれば、)
「肝試しに行く人々」が体験した話であれば、
(とくにりょうしんがいたむこともなく、かれらがかいいにおそれおののくすがたをたのしめます。)
特に良心が痛むことも無く、彼らが怪異に恐れ戦く姿を楽しめます。
(むしろ「めんきょをとりたてのだいがくせいがあそびはんぶんできもだめしにむかった」)
寧ろ「免許を取りたての大学生が遊び半分で肝試しに向かった」
(といったどうにゅうだと、こころのどこかで)
といった導入だと、心のどこかで
(「なにかがおこってほしい」とすらねがうかたもいるかもしれません。)
「何かが起こってほしい」とすら願う方もいるかもしれません。
(このように、いっけんごうりせいからはえんどおいようにみえるゆうれいたんにおいても、)
このように、一見合理性からは縁遠いように見える幽霊譚においても、
(ひごうりへのりゆうづけやめいかくなもんだいかいけつのこうぞうはこのまれます。)
非合理への理由付けや明確な問題解決の構造は好まれます。
(がいしてそのこうぞうは、はなしをしめくくるにあたってのせつめい)
概してその構造は、話を締めくくるにあたっての説明
(たとえば「そのしゅうへんにはかこのじけんのじばくれいがいたらしい」とか、)
例えば「その周辺には過去の事件の地縛霊がいたらしい」とか、
(「せんじちゅうにしょうびょうしゃのてあてをしていたしせつがちかくにあって」とか、)
「戦時中に傷病者の手当てをしていた施設が近くにあって」とか、
(そういった「かいいそのもの」の)
そういった「怪異そのもの」の
(しゅつじにたいするぶんみゃくでもちいられることがおおいのですが、)
出自に対する文脈で用いられることが多いのですが、
(よみてはときにそれだけでなく「かいいのたいけんしゃのしゅつじ」にたいしても、)
読み手は時にそれだけでなく「怪異の体験者の出自」に対しても、
(どうようのぶんみゃくをもちいてせつめいとりゆうつけをおこなうのです。)
同様の文脈を用いて説明と理由付けを行うのです。
(「もともとがいみちやとくしゅなかけいのうまれだから、)
「元々が忌み地や特殊な家系の生まれだから、
(むらのかいきないんしゅうにまきこまれてしまった」)
村の怪奇な因習に巻き込まれてしまった」
(これならこうぎのゆらいたんになりますし、)
これなら広義の由来譚になりますし、
(「やまのかみのりょういきにあしをふみいれたけっか、)
「山の神の領域に足を踏み入れた結果、
(かぞくのきがくるってしまった」)
家族の気が狂ってしまった」
(これならこてんてきなわくぐみにおけるせつわやいんがばなしに)
これなら古典的な枠組みにおける説話や因果話に
(おとしこむことができます。)
落とし込むことが出来ます。
(どうように、きもだめしをしようとしていたじんぶつだから、こわいめにあった。)
同様に、肝試しをしようとしていた人物だから、怖い目に遭った。
(あるいは、かいいをもとめてこうどうしたじんぶつだから、こわいめにあった。)
或いは、怪異を求めて行動した人物だから、怖い目に遭った。
(こういったこうぞうにすれば、げんいんとけっかがかんけつにつたわるため、)
こういった構造にすれば、原因と結果が簡潔に伝わるため、
(よりひろくたのしまれ、おもしろくうけとめられるせつわとなります。)
より広く楽しまれ、面白く受け止められる説話となります。
(かいいとかいいのたいけんしゃ、そのりょうほうにそんざいするいんが。)
怪異と怪異の体験者、その両方に存在する因果。
(かならずしもそれがめいじされるひつようはありませんが、)
必ずしもそれが明示される必要はありませんが、
(それをすくなからずかいいたんにくみこむことは、)
それを少なからず怪異譚に組み込むことは、
(あるきょうどうたいのなかでかいいをでんしょうしものがたりとしてひろくつたえるための、)
或る共同体の中で怪異を伝承し物語として広く伝えるための、
(だいじなじょうけんとなります。)
大事な条件となります。
(これをふまえて、いかのおはなしをかんがえてみましょう。)
これを踏まえて、以下のお話を考えてみましょう。