Q これが幽霊にみえますか -6-
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問題文
(これがゆうれいにみえますか)
Q これが幽霊に見えますか
(みえるかたはこちらまで)
見える方はこちらまで
(そんなぶんしょうの「q」というもじだけがだんかいをふんで、すこしずつすこしずつ、)
そんな文章の「Q」という文字だけが段階を踏んで、少しずつ少しずつ、
(ぐにゃぐにゃにゆがんだにんげんのかおのようにへんかしていく。)
ぐにゃぐにゃに歪んだ人間の顔のように変化していく。
(そんなはりがみをだしているのは、かつてひろしまのどこかにあったという)
そんな貼り紙を出しているのは、かつて広島のどこかにあったという
(じこけいはつさーくる「たいわのいこいかんてさんす」というだんたいであった。)
自己啓発サークル「対話の憩い カンテサンス」という団体であった。
(かれらはとくにれいてきななにかにしんけつをそそぎけいとうしていた)
彼らは特に霊的な何かに心血を注ぎ傾倒していた
(というわけではなかったのだが、あるなつにどこかのせみなーはうすで)
というわけではなかったのだが、或る夏に何処かのセミナーハウスで
(いったがっしゅくをさかいに「ゆうれいがみえるようになった」などのことばをのこし、)
行った合宿を境に「幽霊が見えるようになった」などの言葉を残し、
(さーくるのほぼぜんいんがじっしつてきなしっそうをとげた。)
サークルのほぼ全員が実質的な失踪を遂げた。
(このてんまつのどこをどうきりとったとしてもふにおちるぶぶんはひとつもなく、)
この顛末のどこをどう切り取ったとしても腑に落ちる部分は一つもなく、
(だからといってしんそうをしらべてみようというきにもなれません。)
だからといって真相を調べてみようという気にもなれません。
(そのため、かんてさんすのめんばーやかれらのはりがみをしっていたがくせいも、)
そのため、カンテサンスのメンバーや彼らの貼り紙を知っていた学生も、
(あるいはそのがくせいけいゆではなしをきいたひとびとも、としでんせつれべるでそのことを)
或いはその学生経由で話を聞いた人々も、都市伝説レベルでそのことを
(はなしのたねにはするものの、それいじょうのあくしょんはおこしていませんでした。)
話の種にはするものの、それ以上のアクションは起こしていませんでした。
(そして、いつしかそのさーくるをちょくせつしっていたひとたちがそつぎょうし、)
そして、いつしかそのサークルを直接知っていた人たちが卒業し、
(それにともなって「かつてそんざいしたというさーくると、)
それに伴って「嘗て存在したというサークルと、
(しっそうしたかれらがのこしたきみょうなことば」というないようだけが)
失踪した彼らが残した奇妙な言葉」という内容だけが
(かたりぐさとしてていちゃくしたころ。)
語り草として定着したころ。
(「へえー、こわっ」)
「へえー、怖っ」
(「どこにあるんですかねそのせみなーはうすって。)
「どこにあるんですかねそのセミナーハウスって。
(このへんのだいがくのはなしなんですか?」)
この辺の大学の話なんですか?」
(「なんかともだちのにいちゃんのかのじょが、そのさーくるのひととあったことあるって」)
「なんか友達の兄ちゃんの彼女が、そのサークルの人と会ったことあるって」
(「え、じゃあほんとうなのかな。いやあでも、さすがにないか」)
「え、じゃあ本当なのかな。いやあでも、流石にないか」
(ゆうじんかんでそんなはなしをするひとびとが、ぽつぽつとあらわれるようになりました。)
友人間でそんな話をする人々が、ぽつぽつと表れるようになりました。
(とうぜんながら「どこかでおきたはなしらしいときいた」れべるのうわさのしゅっしょを)
当然ながら「どこかで起きた話らしいと聞いた」レベルの噂の出所を
(さがすことなどよういではありません。)
探すことなど容易ではありません。
(かりにさーくるのしょうさいなどがくわしくわかったとしても、)
仮にサークルの詳細などが詳しく分かったとしても、
(せいぜいそれいこうそのはなしがわだいにあがったさいに)
精々それ以降その話が話題に挙がった際に
(「ちょっとしらべてみたけど、それほんとうにあったはなしみたいだよ」という)
「ちょっと調べてみたけど、それ本当にあった話みたいだよ」という
(あいのてをいれられるくらいしかめりっとはありません。)
合いの手を入れられるくらいしかメリットはありません。
(さまざまなとちのちかがげらくしたえいきょうでほうちされるだんちやみんかがぞうかしていた)
様々な土地の地価が下落した影響で放置される団地や民家が増加していた
(じだいのはなしですから、つかわれたぐたいてきなじきもばしょも、)
時代の話ですから、使われた具体的な時期も場所も、
(そもそもいまどうなっているのかもわからないせみなーはうすのとくていは)
そもそも今どうなっているのかも分からないセミナーハウスの特定は
(なおさらむずかしかったでしょう。)
猶更難しかったでしょう。
(しかし、そこへきもだめしにいこうというけいかくをたてたがくせいがでてきました。)
しかし、そこへ肝試しに行こうという計画を立てた学生が出てきました。
(くだんのしっそうがおきたときしんにゅうせいだったひとが、)
件の失踪が起きたとき新入生だった人が、
(がいしゃでこうはいをもつようになるくらいのねんだいのはなしです。)
会社で後輩を持つようになるくらいの年代の話です。
(かれらはどうやら、それこそしゃかいじんとなったきんじょのそつぎょうせいや、)
彼らはどうやら、それこそ社会人となった近所の卒業生や、
(みずからがしょぞくするさーくるでふるかぶとしてかつどうしているだいがくいんせいなどを)
自らが所属するサークルで古株として活動している大学院生などを
(けいゆしていろいろとじこりゅうのちょうさをすすめ、)
経由して色々と自己流の調査を進め、
(そしておそらくはここだろうというたてものをつきとめたのだそうです。)
そして恐らくはここだろうという建物を突き止めたのだそうです。
(そこはひらやのろっじのようなたてもので、みどりにかこまれたところにある)
そこは平屋のロッジのような建物で、緑に囲まれたところにある
(やすいかしやでした。)
安い貸し家でした。
(がっしゅくやちょっとしたきゃんぷができ、)
合宿やちょっとしたキャンプが出来、
(そうだんによってはいちしゅうかんたんいのれんぱくもかのうであるというほうしんで、)
相談によっては一週間単位の連泊も可能であるという方針で、
(おもにがくせいむけにうちだされていたかんいてきなべっそうです。)
主に学生向けに打ち出されていた簡易的な別荘です。
(あまりあくせすのよくないところにあったものの、)
あまりアクセスのよくないところにあったものの、
(とくになつなどはぽつぽつとしゅくはくきゃくもいたようなのですが、)
特に夏などはぽつぽつと宿泊客もいたようなのですが、
(ちょうどくだんのさーくるがしっそうしたぜんごのじきからしょゆうしゃがとつぜんに)
ちょうど件のサークルが失踪した前後の時期から所有者が突然に
(しゅくはくようのかしだしをしぶるようになり、そしていまはもはやほうちどうぜんの)
宿泊用の貸し出しを渋るようになり、そして今はもはや放置同然の
(かんりになっているとのことでした。)
管理になっているとのことでした。
(これはなつのこわいおもいでとしてじゅうぶんだろう、)
これは夏の怖い思い出として十分だろう、
(かりになにもそれらしいものがでてこなかったとして、)
仮に何もそれらしいものが出てこなかったとして、
(それでもほぼほうちされているこうがいのろっじにしのびこむだけで)
それでもほぼ放置されている郊外のロッジに忍び込むだけで
(きもだめしとしてはせいりつするだろう、はなしはそんなふうにすすんだそうで。)
肝試しとしては成立するだろう、話はそんな風に進んだそうで。
(こわがったりふほうしんにゅうのりすくをきにしたりと、きもだめしにさんかしないゆうじんも)
怖がったり不法侵入のリスクを気にしたりと、肝試しに参加しない友人も
(ふくすうにんはっせいしたものの、けっきょくだんせいふたりじょせいひとりのけいさんにんというかたちで、)
複数人発生したものの、結局男性二人女性一人の計三人という形で、
(そのたてものにくるまをはしらせることとなりました。)
その建物に車を走らせることとなりました。