Q これが幽霊にみえますか -8-

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投稿者投稿者紅はるかいいね0お気に入り登録
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カンテサンス
カンテサンス文章1

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問題文

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(「なんか、ちょっとちがうな。きもだめしっていうかないけんみたいな)

「……なんか、ちょっと違うな。肝試しっていうか内見みたいな……

(つぎこのどああけてみるか、そうこらしいし」)

次このドア開けてみるか、倉庫らしいし」

(「そうこかあ、ならなにかこう、あったりしないかな。へんなまきものとか」)

「倉庫かあ、なら何かこう、あったりしないかな。変な巻物とか」

(「まきものはないとおもうけど、まああやしいもんとかみつかるかもな。どうだ」)

「巻物は無いと思うけど、まあ怪しいもんとか見つかるかもな。どうだ」

(「あ、ふつうにひらくわとびらああ、うん。そうじどうぐがはいってるな。)

「あ、普通に開くわ扉ああ、うん。掃除道具が入ってるな。

(たけぼうきとかつかわないだろきょうび」)

竹箒とか使わないだろ今日び」

(「うわ、ちょっときゅうにがたがたさせないでよ、ほこりがけほっ」)

「うわ、ちょっと急にがたがたさせないでよ、埃がけほっ」

(「おい、まどあけろまど」)

「おい、窓開けろ窓」

(つぎつぎにたてものないをたんけんし、なにかこわがれそうなものをさがしてはみるのですが、)

次々に建物内を探検し、何か怖がれそうなものを探してはみるのですが、

(なかなかそれらしいものはみつかりません。)

中々それらしいものは見つかりません。

(かれらがじぜんにえていたじょうほうは)

彼らが事前に得ていた情報は

(「ここはしっそうしたさーくるががっしゅくにつかっていたたてものかもしれない」)

「ここは失踪したサークルが合宿に使っていた建物かもしれない」

(ということ、ほぼそれだけだったため、そもそもかなりみきりはっしゃてきな)

ということ、ほぼそれだけだったため、そもそもかなり見切り発車的な

(ぶぶんがおおきかったのはじじつでした。)

部分が大きかったのは事実でした。

(たとえばとんねるのちゅうふくでくるまをとめてくらくしょんをならすとなにかがおこるとか、)

例えばトンネルの中腹で車を止めてクラクションを鳴らすと何かが起こるとか、

(けものみちのさきにほこらがあるとか、そういったいわくがあれば)

獣道の先に祠があるとか、そういった曰くがあれば

(もくてきもせっていしやすかったのでしょうが、こんかいはそういったものがありません。)

目的も設定しやすかったのでしょうが、今回はそういったものがありません。

(とりあえずきもだめしにいってみようそのくらいのもくひょうせっていで)

取り敢えず肝試しに行ってみようそのくらいの目標設定で

(はじめたものだったため、かれらはただあてもなくたてものないを)

始めたものだったため、彼らはただ当てもなく建物内を

(さんさくすることしかできなかったのです。)

散策することしかできなかったのです。

など

(おうろのしゃちゅうやたてものにはいるかていではおおいにもりあがっていたかれらのきぶんも、)

往路の車中や建物に入る過程では大いに盛り上がっていた彼らの気分も、

(じょじょにもりさがった、しらけたようなふんいきになっていきました。)

徐々に盛り下がった、白けたような雰囲気になっていきました。

(これではらちがあかないと、かれらはだれともなくはなしをすすめながらろうかをあるきました。)

これでは埒が明かないと、彼らは誰ともなく話を進めながら廊下を歩きました。

(とりあえずいまはあるていどいえのなかのたんけんをおわらせて、いったんくるままでもどろう。)

取り敢えず今は或る程度家の中の探検を終わらせて、一旦車まで戻ろう。

(それでないそうはいまみんなわかったはずだから、)

それで内装は今みんな分かったはずだから、

(あたりがくらくなってきてからひとりずつ、もしくはひとりとふたりにわけてなかをまわろう。)

辺りが暗くなってきてから一人ずつ、もしくは一人と二人に分けて中を回ろう。

(それまではさかもりでもかいだんたいかいでも、てきとうにじかんをつぶせばいいだろうし。)

それまでは酒盛りでも怪談大会でも、適当に時間を潰せばいいだろうし。

(つまりはいまのじょうたいをきもだめしほんばんではなくしたみとして、)

つまりは今の状態を肝試し本番ではなく下見として、

(くらくなってからもういちどまわろうと、こわくなかったばあいのために)

暗くなってからもう一度回ろうと、怖くなかった場合のために

(とうしょかんがえていたあんをここでさいようしようとしたのでした。)

当初考えていた案をここで採用しようとしたのでした。

(そうときまったかれらはさきほどまでみまわったそうこやといれ、)

そうと決まった彼らは先ほどまで見回った倉庫やトイレ、

(よくじょうなどをとおりすぎ、のこりのへやをまわっていきました。)

浴場などを通り過ぎ、残りの部屋を回っていきました。

(「ええっと、あとはここか。たぶんけっこうひろいよなここ。)

「ええっと、後はここか。多分結構広いよなここ。

(りびんぐてきなたちいちだろたぶん、りっちてきに」)

リビング的な立ち位置だろ多分、立地的に」

(「うん。なにかおおひろまってかかれてるし、たぶんそうなんじゃないかな」)

「うん。何か大広間って書かれてるし、多分そうなんじゃないかな」

(「よし、じゃああけるぞー」)

「よし、じゃあ開けるぞー」

(あけたさきはやはり、ただのおおきめのかいぎしつのようなばしょでした。)

開けた先はやはり、ただの大きめの会議室のような場所でした。

(たとえばこうみんかんやまちのみんぞくしりょうかんなどで、たたみばりのわしつとはべつのところにある、)

例えば公民館や町の民俗資料館などで、畳張りの和室とは別の所にある、

(ふろーりんぐにてーぶるとぱいぷいすがならんでいる)

フローリングにテーブルとパイプ椅子が並んでいる

(おおきなへやをそうぞうするとわかりやすいでしょうか。)

大きな部屋を想像すると分かりやすいでしょうか。

(とびらをあけたむこうにはながづくえがちょうほうけいをえがくようにならんでいて、)

扉を開けた向こうには長机が長方形を描くように並んでいて、

(それぞれのつくえのしたにはふたつずつのぱいぷいすがしまわれています。)

それぞれの机の下には二つずつのパイプ椅子が仕舞われています。

(へやのすみにはじりつしきのほわいとぼーどがあり、)

部屋の隅には自立式のホワイトボードがあり、

(まっさらなしろいめんがまどからのようこうをはんしゃしていました。)

まっさらな白い面が窓からの陽光を反射していました。

(「うん、ひろま。ひろまだな」)

「…………うん、広間。広間だな」

(「たぶん、ごはんとかもここでたべてたのかな」)

「多分、ご飯とかもここで食べてたのかな」

(「せみなーはうすってことでつかうんなら、)

「セミナーハウスってことで使うんなら、

(ここにめしとかせみなーとかであつまるかんじなんだろたぶん」)

ここに飯とかセミナーとかで集まる感じなんだろ多分」

(「えー、でもこう、ないかななにか。ほわいとぼーどにかきおきとか。)

「えー、でもこう、ないかな何か。ホワイトボードに書置きとか。

(ほら、ぜったいにゆるさない、みたいな」)

ほら、ゼッタイニユルサナイ、みたいな」

(「どんなえいがだよそれうらもきれいだな、そりゃそうか」)

「どんな映画だよそれ裏も綺麗だな、そりゃそうか」

(「おい、まぶしいなおまえきゅうにうらがえすなよほわいとぼーど。)

「おい、眩しいなお前急に裏返すなよホワイトボード。

(まどからけっこうひかりがはいってくるんだから」)

窓から結構光が入って来るんだから」

(そこでもんくをいってまどをみたcさんかだれかが、)

そこで文句を言って窓を見たCさんか誰かが、

(このかいぎしつはいちばんさいしょにこのいえのがいかんをみたときの、)

この会議室は一番最初にこの家の外観を見たときの、

(まどからみえたへやだということにきづいたようでした。)

窓から見えた部屋だということに気付いたようでした。

(くるまからおりてすこしだけあるき、いえのしょうめんからとおめにまどのむこうを)

車から降りて少しだけ歩き、家の正面から遠目に窓の向こうを

(ながめたときのけしき、そこでみたへやにじぶんたちはいると。)

眺めたときの景色、そこで見た部屋に自分たちはいると。

(ぐるりとまわってうらてからいえにはいってたんさくをはじめたため、)

ぐるりと回って裏手から家に入って探索を始めたため、

(このへやがいちばんあとまわしになったのでしょう。)

この部屋が一番後回しになったのでしょう。

(「あ、そういえばここってしょうめんからみえたへやか。)

「あ、そういえばここって正面から見えた部屋か。

(あっちにのってきたくるまがみえるから」)

あっちに乗ってきた車が見えるから」

(そうことばをつないだcさんのこえが、そこでふしぜんにとぎれて。)

そう言葉を繋いだCさんの声が、そこで不自然に途切れて。

(「は?」)

「は?」

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