昭和天皇 - 年頭国運振興ノ詔書

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難易度(4.2) 2635打 長文 かな タグ歴史 日本史 天皇 国語 文学

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問題文

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(ここにしんねんをむかう。かえりみればめいじてんのうめいじのはじめこくぜとして)

茲に新年を迎ふ。顧みれば明治天皇明治の初国是として

(ごかじょうのごせいもんをくだしたまえり。いわく)

五箇条の御誓文を下し給へり。曰く

(ひとつ、ひろくかいぎをおこしばんきこうろんにけっすべし)

一、広く会議を興し万機公論に決すへし

(ひとつ、しょうかこころをいつにしてさかんにけいりんをおこなうべし)

一、上下心を一にして盛に経綸を行ふへし

(ひとつ、かんぶいっとしょみんにいたるまでおのおのそのこころざしをとげじんしんをして)

一、官武一途庶民に至る迄各其志を遂け人心をして

(うまさらしめんことをようす)

倦まさらしめんことを要す

(ひとつ、きゅうらいのろうしゅうをやぶりてんちのこうどうにもとづくべし)

一、旧来の陋習を破り天地の公道に基くへし

(ひとつ、ちしきをせかいにもとめおおいにこうきをしんきすべし)

一、智識を世界に求め大に皇基を振起すへし

(えいしこうめいせいだいまたなにをかくわえん。ちんはここにちかいをあらたにしてこくうんをひらかんとほっす。)

叡旨公明正大又何をか加へん。朕は茲に誓を新にして国運を開かんと欲す。

(すべからくこのごしゅしにのっとりきゅうらいのろうしゅうをさりみんいをちょうたつし、)

須らく此の御趣旨に則り旧来の陋習を去り民意を暢達し、

(かんみんあげてへいわしゅぎにてっしきょうようゆたかにぶんかをきずき、)

官民挙げて平和主義に徹し教養豊かに文化を築き、

(もってみんせいのこうじょうをはかりしんにっぽんをけんせつすべし。)

以て民生の向上を図り新日本を建設すべし。

(だいしょうとしのこうむりたるせんか、ひさいしゃのかんく、さんぎょうのていとん、しょくりょうのふそく、)

大小都市の蒙りたる戦禍、罹災者の艱苦、産業の停頓、食糧の不足、

(しつぎょうしゃぞうかのすうせいとうはまことにこころをいたましむるものあり。)

失業者増加の趨勢等は真に心を痛ましむるものあり。

(しかりといえどもわがこくみんがげんざいのしれんにちょくめんし、かつてっとうてつびぶんめいを)

然りと雖も我か国民が現在の試煉に直面し、且徹頭徹尾文明を

(へいわにもとむるのけついかたくよくそのけっそくをまっとうせば、ひとりわがくにのみならず)

平和に求むるの決意固く克く其の結束を全うせば、独り我国のみならず

(ぜんじんるいのためにかがやかしきぜんとのてんかいせらるることをうたがわず。)

全人類の為に輝かしき前途の展開せらるることを疑はず。

(それいえをあいするこころとくにをあいするこころとはわがくににおいてとくにねつれつなるをみる、)

夫れ家を愛する心と国を愛する心とは我国に於て特に熱烈なるを見る、

(いまやじつにこのこころをかくじゅうしじんるいあいのかんせいにむかいけんしんてきどりょくこうすべきのときなり。)

今や実に此の心を拡充し人類愛の完成に向ひ献身的努力を効すべきの秋なり。

(おもうにながきにわたれるせんそうのはいぼくにおわりたるけっか、わがこくみんはややもすればしょうそうにながれ)

惟ふに長きに亙れる戦争の敗北に終りたる結果、我国民は動もすれば焦燥に流れ

など

(しついのふちにちんりんせんとするのかたむきあり。きげきのかぜようやくちょうじてどうぎのねんすこぶるおとろへ)

失意の淵に沈淪せんとするの傾きあり。詭激の風漸く長じて道義の念頗る衰へ

(ためにしそうこんらんのきざしあるはまことにしんゆうにたえず。)

為に思想混乱の兆あるは洵に深憂に堪へず。

(しかれどもちんはなんじらしんみんとともにあり、つねにりがいをおなじうしきゅうせきをわかたんとほっす。)

然れども朕は爾等臣民と共にあり、常に利害を同じうし休戚を分たんと欲す。

(ちんとなんじらしんみんとのあいだのちゅうたいは、しゅうしそうごのしんらいとけいあいとによりてむすばれ、)

朕と爾等臣民との間の紐帯は、終始相互の信頼と敬愛とに依りて結ばれ、

(たんなるしんわとでんせつとによりてしょうぜるものにあらず。てんのうをもってあきつみかみとし、)

単なる神話と伝説とに依りて生ぜるものに非ず。天皇を以て現御神とし、

(かつにほんこくみんをもってたのみんぞくにゆうえつせるみんぞくにして、)

且日本国民を以て他の民族に優越せる民族にして、

(のべてせかいをしはいすべきうんめいをゆうすとのかくうなるかんねんにもとづくものにあらず。)

延て世界を支配すべき運命を有すとの架空なる観念に基くものに非ず。

(ちんのせいふはこくみんのしれんとくなんとをかんわせんがため、あらゆるしさくとけいえいとに)

朕の政府は国民の試煉と苦難とを緩和せんが為、あらゆる施策と経営とに

(ばんぜんのほうとをこうずべし。どうじにちんはわがこくみんがじかんにけっきし、とうめんのこんくこくふくのために)

万全の方途を講ずべし。同時に朕は我国民が時艱に蹶起し当面の困苦克服の為に

(またさんぎょうおよびぶんうんしんこうのためにゆうおうせんことをきねんす。わがこくみんがそのこうみんせいかつに)

又産業及文運振興の為に勇往せんことを希念す。我国民が其の公民生活に

(おいてだんけつし、あいよりあいたすけかんようあいゆるすのきふうをさくこうするにおいては)

於て団結し、相倚り相扶け寛容相許すの気風を作興するに於ては

(よくわがしこうのでんとうにはぢざるしんかをはっきするにいたらん。)

能く我至高の伝統に恥ぢざる真価を発揮するに至らん。

(かくのごときはじつにわがこくみんがじんるいのふくしとこうじょうとのため、)

斯の如きは実に我国民が人類の福祉と向上との為、

(ぜつだいなるこうけんをなすゆえんなるをうたがわざるなり。)

絶大なる貢献を為す所以なるを疑はざるなり。

(いちねんのけいはねんとうにあり、りんはちんのしんらいするこくみんが)

一年の計は年頭に在り、倫は朕の信頼する国民が

(ちんとそのこころをいつにしてみずからふるいみずからはげまし)

朕と其の心を一にして自ら奮ひ自ら励まし

(もってこのたいぎょうをじょうじゅせんことをこいねがう しょうわにじゅういちねんいちがつついたち)

以て此の大業を成就せんことを庶幾ふ 昭和二十一年一月一日

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