ホームカミング

(あこがれのしょうたいもしらないまま)

憧れの正体も知らないまま

(たびだったばすていはありしひのまま)

旅立ったバス停は在りし日のまま

(かがやくばかりのこころのあおさを)

輝くばかりの心の青さを

(さびつかせたのはぼくだったのか)

錆び付かせたのは僕だったのか

(さああめよわらってくれ)

さあ雨よ　笑ってくれ

(なさけないただいまを)

情けないただいまを

(みやげもきがえもろくにもたないまま)

みやげも着替えもろくに持たないまま

(ひえきったみひとつを)

冷え切った身一つを

(くるむもうふ)

くるむ毛布

(いきてさえいればとなんどもすがって)

生きてさえいればと何度も縋って

(ほんとうのいみをきっとはきちがえた)

本当の意味をきっと履き違えた

(ねえぼくはなんのために)

ねえ僕は　何のために

(ひとりたびにでたの)

ひとり旅に出たの

(かわりゆけかわりゆけゆめなんてのは)

変わりゆけ変わりゆけ　夢なんてのは

(くさりじゃないのろいじゃないいとおしむもの)

鎖じゃない呪いじゃない　愛おしむもの

(うすあじのおむれつがおいしかった)

薄味のオムレツが　美味しかった

(しあわせをおぼえていた)

幸せを覚えていた

(おとなにもこどもにもなりきれずに)

大人にも子供にも　なり切れずに

(からになるそんなひもたまにあるよ)

カラになるそんな日も　たまに在るよ

(ありふれたぜつぼうとやさしいかおり)

ありふれた絶望と　優しい香り

(ぼくのたびはつづく)

僕の旅は続く

(かわりゆけかわりゆけゆめなんてのは)

変わりゆけ変わりゆけ　夢なんてのは

(くさりじゃないのろいじゃないよびあうもの)

鎖じゃない呪いじゃない　呼び合うもの

(ぶきようなみおくりもうれしかった)

不器用な見送りも　嬉しかった

(しあわせをねがったんだ)

幸せを願ったんだ

(あこがれのしょうたいもしらなまま)

憧れの正体も知らなまま

(たびだったばすていはありしひのまま)

旅立ったバス停は在りし日のまま

(かがやきつくしたこころのあおさを)

輝き尽くした心の青さを

(ぬりなおすとしたらなにいろだろう)

塗り直すとしたら何色だろう