仁和寺にある法師
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問題文
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(にんなじにあるほうし)
仁和寺にある法師
(としよるまでいわしみずをおがまざりければ)
年寄るまで岩清水を拝まざりければ
(こころうくおぼえて)
心憂く覚えて
(あるときおもいたちてただひとりかちよりもうでけり)
あるとき思い立ちて、ただ一人徒歩より詣でけり
(ごくらくじこうらなどをおがみてかばかりとこころえてかえりにけり)
極楽寺、高良などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり
(さてかたへのひとにあいて)
さて、かたへの人に会いて
(としごろおもいつることはたしはべりぬ)
「年頃思いつること、果たしはべりぬ。
(ききしにもすぎてとうとくこそおわしけれ)
聞きしにも過ぎて、尊くこそおわしけれ。
(そもまいりたるひとごとにやまへのぼりしはなにごとかありけん)
そも、参りたる人ごとに山へ登りしは何事かありけん。
(ゆかしかりしかどかみへまいるこそほいなれとおもいてやままではみず)
ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意なれと思いて山までは見ず」
(とぞいいける)
とぞいいける。
(すこしのことにもせんだつはあらまほしきことなり)
少しのことにも、先達はあらまほしき事なり。