タイピングで小指と薬指が言うことを聞かない話23

(にっきには、なんじゅうねんもまえにこのたてものでおこなわれたじっけんのきろくがかかれていた。)

日記には、何十年も前にこの建物で行われた実験の記録が書かれていた。

(じっけんはしっぱいし、そのけっか、れいがこのばしょにとどまっているというないようだった。)

実験は失敗し、その結果、霊がこの場所に留まっているという内容だった。

(「これがゆうれいのげんいんか・・・」とともやがかんがえこむと、)

「これが幽霊の原因か…」と智也が考え込むと、

(ひとさしゆびが「このれいをじょうぶつさせるほうほうをみつけないと」といった。)

人差し指が「この霊を成仏させる方法を見つけないと」と言った。

(なかゆびが「にっきをもっとくわしくしらべよう」とていあんし、)

中指が「日記をもっと詳しく調べよう」と提案し、

(ぜんいんでぺーじをめくりはじめた。)

全員でページをめくり始めた。

(すると、さいごのぺーじに「れいをじょうぶつさせるぎしき」のしょうさいがかかれていた。)

すると、最後のページに「霊を成仏させる儀式」の詳細が書かれていた。

(それにはとくべつなじゅもんと、)

それには特別な呪文と、

(きゃんぱすないのとくていのばしょでおこなうひつようがあるとしるされていた。)

キャンパス内の特定の場所で行う必要があると記されていた。

(「これだ！」とおやゆびがこうふんしていい、)

「これだ！」と親指が興奮して言い、

(ともやたちはすぐにぎしきをおこなうばしょにむかうことにした。)

智也たちはすぐに儀式を行う場所に向かうことにした。

(きゃんぱすのちゅうおうにあるふるいふんすいがそのばしょだった。)

キャンパスの中央にある古い噴水がその場所だった。

(よるのしずけさのなか、ともやとゆびたちはふんすいのまわりにあつまり、ぎしきのじゅんびをはじめた。)

夜の静けさの中、智也と指たちは噴水の周りに集まり、儀式の準備を始めた。

(おやゆびが「さあ、みんな、じゅんびはいい？」とかくにんすると、ぜんいんがうなずいた。)

親指が「さあ、みんな、準備はいい？」と確認すると、全員が頷いた。

(ともやがじゅもんをとなえはじめると、とつぜん、つめたいかぜがふきはじめ、れいのけはいがつよまった。)

智也が呪文を唱え始めると、突然、冷たい風が吹き始め、霊の気配が強まった。

(ゆびたちはたがいにてをとりあい、ともやをまもるようにかこんだ。)

指たちは互いに手を取り合い、智也を守るように囲んだ。

(「これでさいごだ・・・」とともやがじゅもんをとなえおわると、れいのすがたがあらわれた。)

「これで最後だ…」と智也が呪文を唱え終わると、霊の姿が現れた。

(ゆうれいはかなしげなひょうじょうをうかべ、しずかにはなしはじめた。)

幽霊は悲しげな表情を浮かべ、静かに話し始めた。

(「わたしはこのばしょにしばられていた。)

「私はこの場所に縛られていた。

(しかし、きみたちのおかげでかいほうされることができる。ありがとう」)

しかし、君たちのおかげで解放されることができる。ありがとう」

(とゆうれいはかんしゃのことばをのべ、しずかにきえていった。)

と幽霊は感謝の言葉を述べ、静かに消えていった。

(「せいこうした・・・」とともやがあんどのいきをつくと、)

「成功した…」と智也が安堵の息をつくと、

(ゆびたちはたがいにかおをみあわせ、えがおをうかべた。)

指たちは互いに顔を見合わせ、笑顔を浮かべた。

(「みんな、ほんとうにありがとう。)

「みんな、本当にありがとう。

(きみたちのおかげで、またひとつのなぞをとくことができたよ」)

君たちのおかげで、また一つの謎を解くことができたよ」

(とともやはかんしゃした。)

と智也は感謝した。

(ゆびたちはてれくさそうにしながらも、)

指たちは照れくさそうにしながらも、

(「またいっしょになにかにちょうせんしよう！」とこえをそろえた。)

「また一緒に何かに挑戦しよう！」と声を揃えた。

(そのご、きゃんぱすではゆうれいのうわさがなくなり、)

その後、キャンパスでは幽霊の噂がなくなり、

(ともやとゆびたちはますますちゅうもくをあびるそんざいとなった。)

智也と指たちはますます注目を浴びる存在となった。

(しかし、そのひのよる、ともやがふとめをさますと、)

しかし、その日の夜、智也がふと目を覚ますと、

(てのおやゆびがこうふんしたようすではなしかけてきた。)

手の親指が興奮した様子で話しかけてきた。

(「ともや、ゆめのなかでみたんだけど、つぎのぼうけんのてがかりをみつけたんだ！」)

「智也、夢の中で見たんだけど、次の冒険の手がかりを見つけたんだ！」

(ともやはめをこすりながらも、)

智也は目をこすりながらも、

(「ゆめのなかで？」とおどろきつつおやゆびのはなしにみみをかたむけた。)

「夢の中で？」と驚きつつ親指の話に耳を傾けた。

(「うん、つぎはゆめのなかでしかみつけられないたからがあるんだよ。)

「うん、次は夢の中でしか見つけられない宝があるんだよ。

(ぼくたちぜんいんでゆめのなかにはいって、たんけんしよう！」)

僕たち全員で夢の中に入って、探検しよう！」

(ともやはおどろきつつも、)

智也は驚きつつも、

(「それはおもしろそうだね！」とわくわくしはじめた。)

「それは面白そうだね！」とワクワクし始めた。

(こうして、ともやとゆびたちはつぎのぼうけんとしてゆめのせかいへのたんけんをけいかくしはじめた。)

こうして、智也と指たちは次の冒険として夢の世界への探検を計画し始めた。

(あらたななぞとみちのせかいがまちうけるなか、)

新たな謎と未知の世界が待ち受ける中、

(かれらのきずなはますますつよくなり、つぎのちょうせんにむけてこころをおどらせた。)

彼らの絆はますます強くなり、次の挑戦に向けて心を踊らせた。

(そして、ゆめのせかいでのあらたなぼうけんがはじまるよる、)

そして、夢の世界での新たな冒険が始まる夜、

(ともやとゆびたちはいっせいにめをとじた。)

智也と指たちは一斉に目を閉じた。

(かれらのこころのなかで、つぎなるぼうけんがはじまろうとしていた。)

彼らの心の中で、次なる冒険が始まろうとしていた。