怖い話《かんひも》1

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(「かんひも」について)

「かんひも」について

(ぼくのははのじっかは、ながののやまおく、しんしゅうしんまちってとこから)

僕の母の実家は、長野の山奥、信州新町ってとこから

(おくにはいってったとこなんですけど。ぼくがまだしょうがっこう3、4ねんだったかな?)

奥に入ってったとこなんですけど。僕がまだ小学校3、4年だったかな?

(そのなつやすみに、ははのじっかへあそびにいったんですよ。)

その夏休みに、母の実家へ遊びに行ったんですよ。

(そこはやまとたんぼとはたけしかなく、みんかもすうけん。)

そこは山と田んぼと畑しかなく、民家も数軒。

(こうつうも、そんえいのばすがあさとゆうがたの2かいしかとおらないようなとこです。)

交通も、村営のバスが朝と夕方の2回しか通らないようなとこです。

(そんななにもないとこ、れいねんだったらいかないんですが、)

そんな何もないとこ、例年だったら行かないんですが、

(そのとしにかぎって、なかのよいともだちがかぞくりょこうでいなくて、)

その年に限って、仲の良い友達が家族旅行でいなくて、

(りょうしんについていきました。いってみたものの・・・あんのじょう、なにもありません。)

両親について行きました。言ってみたものの・・・案の定、何もありません。

(でぱーとやおみせにつれていってとねだっても、)

デパートやお店に連れて行ってとねだっても、

(いちばんちかいすーぱー(しょぼい・・・)でもくるまで1じかんちかくかかるため、)

一番近いスーパー(しょぼい・・・)でも車で1時間近くかかるため、

(ちちは「せっかくのんびりしにきたんだから」とつれていってくれません。)

父は「折角のんびりしに来たんだから」と連れて行ってくれません。

(ゆいいつすくいだったのは、となりのいえに、)

唯一救いだったのは、隣の家に、

(ぼくとおないどしくらいのおとこのこがあそびにきていたことでした。)

僕と同い年くらいの男の子が遊びに来ていたことでした。

(あのとしごろはふしぎとすぐになかよくなれるもので、)

あの年頃は不思議とすぐに仲良くなれるもので、

(ぼくと、k(かりにkくんとします)は、いっしょにあそぶようになりました。)

僕と、K(仮にKくんとします)は、一緒に遊ぶようになりました。

(あそぶといっても、そんないなかでやることはぼうけんごっこ、)

遊ぶと言っても、そんな田舎でやることは冒険ごっこ、

(きんじょのたんけんくらいしかありません。)

近所の探検くらいしかありません。

(1しゅうかんのよていでいって、たしかみっかめのゆうがたくらいだったとおもいます。)

1週間の予定で行って、確か三日目の夕方くらいだったと思います。

(ごご3じをすぎて、ひがおちはじめるころ。)

午後3時を過ぎて、日が落ち始める頃。

など

(なつとはいえ、にしにやまをせおっていることもあるのでしょうか。)

夏とはいえ、西に山を背負っていることもあるのでしょうか。

(いなかのひぐれっていうのははやいもんです。)

田舎の日暮れっていうのは早いもんです。

(ぼくとkは、いままではいったことのないやまにはいっていってみました。)

僕とkは、今まで入った事のない山に入って行ってみました。

(はじめは、ひとのとおるようなみちをのぼっていたのですが、)

始めは、人の通るような道を登っていたのですが、

(きがつくと、けものみちのようなほそいみちにはいっていました。)

気が付くと、獣道のような細い道に入っていました。

(「あれ、なんだろ?」kがゆびさすほうをみると、)

「あれ、なんだろ?」kが指差す方を見ると、

(せきひ?がたっていました。さとでみるどうそしんのようなかんじで、)

石碑?が建っていました。里で見る道祖伸のような感じで、

(50せんちくらいだったでしょうか。)

50センチくらいだったでしょうか。

(だいぶふううにさらされたかんじで、こけむしていました。)

大分風雨にさらされた感じで、苔むしていました。

(ぼくとkはよくみようと、てやおちていたえだで、こけやどろをとりのぞいてみました。)

僕とkは良く見ようと、手や落ちていた枝で、苔や泥を取り除いてみました。

(やはりどうそしんのようなかんじでしたが、なにかかんじがちがいました。)

やはり道祖伸のような感じでしたが、何か感じが違いました。

(ほとけのどうそしんって、だんじょふたりがなかよくよりそってほってあるものですよね?)

仏の道祖伸って、男女二人が仲良く寄り添って彫ってあるものですよね?

(でもそのせきひは、よんにんのじんぶつが、)

でもその石碑は、四人の人物が、

(たったままからみあい、かおはくもんのひょうじょう?そんなかんじでした。)

立ったまま絡み合い、顔は苦悶の表情?そんな感じでした。

(ぼくとkはうすきみわるくなり、「いこう!」とたちあがりました。)

僕とkは薄気味悪くなり、「行こう!」と立ち上がりました。

(あたりもだいぶうすぐらく、ぼくははやくかえりたくなっていました。)

辺りも大分薄暗く、僕は早く帰りたくなっていました。

(「なんかある!」ぼくがkのてをひいてあるきだそうとすると、)

「なんかある!」僕がkの手を引いて歩き出そうとすると、

(kがせきひのしもとになにかあるのをみつけました。)

kが石碑の市もとに何かあるのを見つけました。

(ふるびた、4せんちしほうくらいのきのはこです。)

古びた、4センチ四方くらいの木の箱です。

(はんぶんちちゅうにうまって、ななめはんぶんがでていました。)

半分地中に埋まって、斜め半分が出ていました。

(「なんだろう?」ぼくはいやなかんじがしたのですが、)

「なんだろう?」僕は嫌な感じがしたのですが、

(kは、かまわずきのはこをほりだしてしまいました。)

kは、構わず木の箱を掘り出してしまいました。

(とりだしたきのはこはこれまたふるく、あちこちくさってぼろぼろになってました。)

取り出した木の箱はこれまた古く、あちこち腐ってボロボロになってました。

(ひょうめんにはなにか、ぬの?のようなものをまいたあとがあり、)

表面には何か、布?のようなものを巻いた跡があり、

(すみかなにかでもじがかいてありました。とうぜん、よめはしませんでしたが、)

墨か何かで文字が書いてありました。当然、読めはしませんでしたが、

(なにかおきょうのようなむずかしいかんじがいっぱいかいてありました。)

何かお経のような難しい漢字がいっぱい書いてありました。

(「なんかはいってる!」)

「なんか入ってる!」

(kははこのこわれたぶぶんから、なにかがのぞいていえるのをみつけると、)

kは箱の壊れた部分から、何かが覗いて言えるのを見つけると、

(ひっぱりだしてみました。)

引っ張り出してみました。

(なんていうんですかね。びろーどっていうんでしょうか?)

なんて言うんですかね。ビロードっていうんでしょうか?

(くろくてつやつやとしたなわひもみたいなのでゆわれた、うでわのようなものでした。)

黒くて艶々とした縄紐みたいなので結われた、腕輪のようなものでした。

(ちょっけい10せんちくらいだったかな?わになっていて、)

直径10センチくらいだったかな?輪になっていて、

(ごかしょ、いしのようなものでとめられていました。)

五ヶ所、石のようなもので止められていました。

(いしのようなものはまんまるで、そこにもわけのわからんかんじがほられていました。)

石のような物はまん丸で、そこにも訳の分からん漢字が彫られていました。

(それはとてもつちのなかにうまっていたとはおもえないほどつやつやとひかっていて、)

それはとても土の中に埋まっていたとは思えないほど艶々と光っていて、

(きみわるいながらもとてもきれいにみえました。)

気味悪いながらもとても綺麗に見えました。

(「これ、おれがさきにみつけたからおれの!」)

「これ、俺が先に見つけたから俺の!」

(kはそういうと、そのうでわをなんとうでにはめようとしました。)

kはそう言うと、その腕輪をなんと腕にはめようとしました。

(「やめなよ!」ぼくはとてもいやなかんじがして、)

「やめなよ!」僕はとても嫌な感じがして、

(はんなきになりながらとめたのですが、kはとめようとしませんでした。)

半泣きになりながら止めたのですが、kは止めようとしませんでした。

(「けーーーーー!!!」kがうでわをはめたしゅんかんに、きみょうなとり?さる?)

「ケーーーーー!!!」kが腕輪をはめた瞬間に、奇妙な鳥?サル?

(たえななきごえがし、やまのなかにこだましました。きがつくとあたりはまっくらで、)

妙な鳴き声がし、山の中にこだましました。気が付くと辺りは真っ暗で、

(ぼくとkはきみわるくなり、あわててとんでかえりました。)

僕とkは気味悪くなり、慌てて飛んで帰りました。

(いえのちかくまでくると、ぼくとkはてをふってそれぞれのいえにはいっていきました。)

家の近くまで来ると、僕とkは手を振ってそれぞれの家に入って行きました。

(もうそのときには、きみのわるいうでわのことなどわすれていたのですが・・・。)

もうその時には、気味の悪い腕輪のことなど忘れていたのですが・・・。

(でんわがなったのはよるもおそくでした。10じをすぎても、)

電話が鳴ったのは夜も遅くでした。10時を過ぎても、

(まだだらだらをおきていてははに「はやくねなさい!」としかられていると。)

まだダラダラを起きていて母に「早く寝なさい!」と叱られていると。

(「じりりりーーーん!」けたたましく、むかしながらのくろでんわがなりひびきました。)

「ジリリリーーーン!」けたたましく、昔ながらの黒電話が鳴り響きました。

(「だれやこんなよふけに・・」じいちゃんがぶつぶついいながらでんわにでました。)

「誰やこんな夜更けに・・」爺ちゃんがぶつぶつ言いながら電話に出ました。

(でんわのあいてはどうやらkのとうちゃんのようでした。)

電話の相手はどうやらkの父ちゃんのようでした。

(そばからみてても、ばんしゃくであかくそまったじいちゃんのかおが)

傍から見てても、晩酌で赤く染まった爺ちゃんの顔が

(さあっとあおざめていくのがわかりました。)

サアっと青ざめていくのがわかりました。

(でんわをきったあと、じいちゃんがえらいいきおいでねころがっている)

電話を切った後、爺ちゃんがえらい勢いで寝転がっている

(ぼくのところにとんできました。ぼくをむりやりひきおこすと、)

僕のところに飛んできました。僕を無理やり引き起こすと、

(「まるまる(ぼくのなまえ)!おま、きょう、どこぞいきおった!!)

「○○(僕の名前)!おま、今日、どこぞ行きおった!!

(うら、いきおったんか!?やま、のぼりよったんか?!」)

裏、行きおったんか!?山、登りよったんか?!」

(じいちゃんのけんまくにびっくりしながらも、ぼくはきょうあったことをはなしました。)

爺ちゃんの剣幕にびっくりしながらも、僕は今日あったことを話しました。

(さわぎをききつけてだいどころやふろからとんできた、)

騒ぎを聞きつけて台所や風呂から飛んできた、

(ははとばあちゃんもはなしをきくとまっさおになっていました。)

母とばあちゃんも話を聞くと真っ青になっていました。

(ばば「あああ、まさか」)

婆「あああ、まさか」

(じい「・・・かもしれん」)

爺「・・・・かもしれん」

(はは「めいしんじゃなかったの・・・?」)

母「迷信じゃなかったの・・・?」

(ぼくはなにがなんだかわからず、ただぼうぜんとしていました。)

僕は何がなんだか分からず、ただ呆然としていました。

(ちちも、よくわけのわからないようすでしたが、)

父も、よく訳の分からない様子でしたが、

(じい、ばば、ははのようすにきくにきけないようでした。)

爺、婆、母の様子に聞くに聞けないようでした。

(とりあえず、ぼくとじいちゃん、ばあちゃんで、となりのkのいえにいくことに)

とりあえず、僕と爺ちゃん、婆ちゃんで、隣のkの家に行くことに

(なりました。じいちゃんは、でかけるまえにどこかにでんわしていました。)

なりました。爺ちゃんは、出かける前にどこかに電話していました。

(なにかあってはと、ちちもいこうとしましたが、ははといっしょにるすばんとなりました。)

何かあってはと、父も行こうとしましたが、母と一緒に留守番となりました。

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