プール -1-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 7267 7.3 98.2% 422.3 3125 56 65 2025/04/01
2 はく 7233 7.6 94.9% 415.0 3171 169 65 2025/03/25
3 subaru 7045 7.6 93.0% 412.9 3142 233 65 2025/03/29
4 じゅん 4221 C 4.4 94.6% 702.9 3145 178 65 2025/03/27

関連タイピング

問題文

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(たいようのなかにみずしぶきがはねた。)

太陽の中に水しぶきが跳ねた。

(それがいっしゅんきらきらとかがやき、まぶしさにめをほそめる。)

それが一瞬キラキラと輝き、眩しさに目を細める。

(そらにはくもがひとつだけうかんでいる。)

空には雲が一つだけ浮かんでいる。

(めにみえないたいきのそうのむこうにまっさらなあおいいろがのびていて、)

目に見えない大気の層の向こうにまっさらな青い色が伸びていて、

(ぷーるさいどのべんちにあおむけになっているぼくにも、)

プールサイドのベンチに仰向けになっている僕にも、

(つきさすようなひざしとともになまぬるいかぜがほおをなでてくる。)

突き刺すような日差しと共に生ぬるい風が頬を撫でてくる。

(「ひと、いませんねえ」)

「ひと、いませんねえ」

(「・・・・・なにか、いったか」)

「・・・・・なにか、言ったか」

(みずおとをすずしげにひびかせながらししょうがうでをとめる。)

水音を涼しげに響かせながら師匠が腕を止める。

(だいがくいっかいせいのなつだった。)

大学一回生の夏だった。

(ごぜんちゅう、だらだらとししょうのへやでむだはなしをしていたが、あまりにあついので)

午前中、ダラダラと師匠の部屋で無駄話をしていたが、あまりに暑いので

(ひるさがりにふたりつれだってしないのぷーるへやってきたのである。)

昼下がりに二人連れ立って市内のプールへやってきたのである。

(ところがきょうあたりさぞこんでいるだろうとおもっていたそのぷーるが、)

ところが今日あたりさぞ混んでいるだろうと思っていたそのプールが、

(がらがらだったのだ。)

ガラガラだったのだ。

(うけつけのおばちゃんがうちわでかおをあおぎながら「きょうはすいてるよ」と)

受付のおばちゃんがうちわで顔を仰ぎながら「今日はすいてるよ」と

(だるそうにいっていたときは「まさか」とじょうだんをいっているとおもっていたのに、)

だるそうに言っていたときは「まさか」と冗談を言っていると思っていたのに、

(こういしつをでてかいだんをのぼりぷーるさいどにたつと、ぼくはじぶんのめをうたがった。)

更衣室を出て階段を登りプールサイドに立つと、僕は自分の目を疑った。

(かげろうがたつやけたこんくりーとのむこう、)

陽炎が立つ焼けたコンクリートの向こう、

(たいようのひかりがてりかえすいちめんのみずのなかにはだれひとりおよいでいなかった。)

太陽の光が照り返す一面の水の中には誰一人泳いでいなかった。

(これほどのぷーるびよりだというのに、しきちのなかにはぼくらのほか)

これほどのプール日和だというのに、敷地の中には僕らのほか

など

(うごくもののかげひとつない、きみょうなくうかんがそこにあった。)

動くものの影ひとつない、奇妙な空間がそこにあった。

(ししょうはまったくきにしないようすでじゅんびうんどうもそこそこにおよぎはじめ、)

師匠は全く気にしない様子で準備運動もそこそこに泳ぎ始め、

(ぼくはぷーるさいどにあったべんちにねころがりからだをやくことにした。)

僕はプールサイドにあったベンチに寝転がり身体を焼くことにした。

(およぐのはとくいでなかったのと、)

泳ぐのは得意でなかったのと、

(ししょうがあんまり「なまっちろい」といってばかにするからだ。)

師匠があんまり「なまっ白い」といって馬鹿にするからだ。

(「きょう、どようびですよね。)

「今日、土曜日ですよね。

(どうしてこんなひのまっぴるまにがらがらなんでしょう」)

どうしてこんな日の真っ昼間にガラガラなんでしょう」

(「あつくてそとでたくないんじゃねえか、みんな」)

「暑くて外出たくないんじゃねえか、みんな」

(そんなことはないだろう。あついひにこそはんじょうするのがぷーるのはずだ。)

そんなことはないだろう。暑い日にこそ繁盛するのがプールのはずだ。

(「なんか、まちじゅうででかいいべんとやってましたっけ」)

「なんか、街中でデカいイベントやってましたっけ」

(「いや、とくにないな」)

「いや、特にないな」

(「じゃあこんさーととか、さっかーのしあいとかもなかったですかね」)

「じゃあコンサートとか、サッカーの試合とかもなかったですかね」

(さあ、あったかもしれないが、とししょうはいったあと)

さあ、あったかも知れないが、と師匠は言ったあと

(みずにしずみこんでたーんをした。)

水に沈み込んでターンをした。

(「あったとしても、なんまんにんだかのしゅうへんじゅうみんすべてにえいきょうするともおもえないな」)

「あったとしても、何万人だかの周辺住民すべてに影響するとも思えないな」

(そのとおりだった。しゅうきゃくにおいてぷーるときょうごうするようなものがあって、)

その通りだった。集客においてプールと競合するようなものがあって、

(ぶんぼのでかすぎるぜろさむげーむだ。)

分母のデカすぎるゼロサムゲームだ。

(あるいはさっかーのにほんだいひょうのしあいやこうしえんのじもとちーむのでるしあいなら)

あるいはサッカーの日本代表の試合や甲子園の地元チームの出る試合なら

(てれびのまえにかなりのしみんをしばりつけるかもしれない。)

テレビの前にかなりの市民を縛り付けるかも知れない。

(しかしそれでもそうわのはんすうもいかないだろう。)

しかしそれでも総和の半数もいかないだろう。

(のこりのはんすうはいぜんじゆういしでもうしょびのすごしかたをせんたくするはずだ。)

残りの半数は依然自由意志で猛暑日のすごし方を選択するはずだ。

(そしてなにより、そんなばんぐみはきょうのちょうかんにはのっていなかった。)

そしてなにより、そんな番組は今日の朝刊には載っていなかった。

(もやもやしたあたまのままたおるでめにはいりそうなあせをぬぐう。)

もやもやした頭のままタオルで目に入りそうな汗を拭う。

(もうさんじゅっぷんいじょうたったが、だれもいりぐちにすがたをあらわさない。)

もう三十分以上経ったが、誰も入り口に姿を現さない。

(ぼくとししょうだけのむじんのせかいだ。)

僕と師匠だけの無人の世界だ。

(「なんか、このぷーるでかんせんしょうはっせいのうわさがあったとかでしょうか」)

「なんか、このプールで感染症発生の噂があったとかでしょうか」

(ぼくがいうと、ししょうがおよぎながらかえす。)

僕が言うと、師匠が泳ぎながら返す。

(「ないな。だったらとっくにへいさしてるだろ。ひとりふたりのうわさならともかく、)

「ないな。だったらとっくに閉鎖してるだろ。一人二人の噂ならともかく、

(まちじゅうにがぼがぼごべひろがってるならじじつがどうあれとりあえずへいさだ」)

街中にガボガボゴベ広がってるなら事実がどうあれ取り合えず閉鎖だ」

(なるほど。それにそんなはなしまったくきかない。)

なるほど。それにそんな話まったく聞かない。

(ほかにないか、ひとびとのあしをぷーるからとおざけるよういんがないかあたまをめぐらせた。)

他にないか、人々の足をプールから遠ざける要因がないか頭を巡らせた。

(ぷーるにはいるというもくてきにたいするそがいよういんのうち、ぶんぼであるふとくていたすうの)

プールに入るという目的に対する阻害要因のうち、分母である不特定多数の

(じゅうみんのなかの、しょうすうのぶんしであるにゅうじょうきゃくのえいきょうをあたえるものはなにか。)

住民の中の、少数の分子である入場客の影響を与えるものはなにか。

(かんがえてもさっぱりわからない。すこしははっそうのてんかんをしようと、)

考えてもさっぱりわからない。少しは発想の転換をしようと、

(おもいつくままくちにしてみた。)

思いつくまま口にしてみた。

(「しゅうへんどうろのつうこうどめ!」)

「周辺道路の通行止め!」

(「そんなようすがあったか?」)

「そんな様子があったか?」

(たしかにひとどおりはいつもとかわらなかったきがする。)

確かに人通りはいつもと変わらなかった気がする。

(「りょうきんねあげ」)

「料金値上げ」

(「ずっとすえおきだ」)

「ずっと据え置きだ」

(「きょうからきんじょにさいきんぷーるがおーぷん」)

「今日から近所に最近プールがオープン」

(「それはあるかもしれないな。でもそんなじょうほう、)

「それはあるかも知れないな。でもそんな情報、

(ふたりともきょうまでまったくめにしていない。)

二人とも今日までまったく目にしていない。

(おなじようにそれをしらなかったひとががぼがぼがぼほかにいないというのも)

同じようにそれを知らなかった人がガボガボガボ他にいないというのも

(がぼがぼごほごほごほ・・・・・ごほっ、ごほっ・・・・・へんだろうが」)

ガボガボゴホゴホゴホ・・・・・ゴホッ、ゴホッ・・・・・変だろうが」

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