怪人二十面相19

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(そうたろうしがはいっていきますと、りんごのようにつやつやしたほおの、)

壮太郎氏がはいっていきますと、りんごのようにつやつやしたほおの、

(めのおおきい、じゅうに、さんさいのしょうねんがたっていました。)

目の大きい、十二、三歳の少年が立っていました。

(「はしばさんですか、はじめまして。ぼく、あけちたんていじむしょのこばやしって)

「羽柴さんですか、はじめまして。ぼく、明智探偵事務所の小林って

(いうもんです。おでんわをくださいましたので、おうかがいしました。」)

いうもんです。お電話をくださいましたので、おうかがいしました。」

(しょうねんはめをくりくりさせて、はっきりしたくちょうでいいました。)

少年は目をくりくりさせて、はっきりした口調でいいました。

(「ああ、こばやしさんのおつかいですか。ちとこみいったじけんなのでね。)

「ああ、小林さんのお使いですか。ちとこみいった事件なのでね。

(ごほんにんにきてもらいたいのだが・・・・・・。」)

ご本人に来てもらいたいのだが……。」

(そうたろうしがいいかけるのを、しょうねんはてをあげてとめるようにしながら)

壮太郎氏がいいかけるのを、少年は手をあげてとめるようにしながら

(こたえました。)

答えました。

(「いえ、ぼくがそのこばやしよしおです。ほかにじょしゅはいないのです。」)

「いえ、ぼくがその小林芳雄です。ほかに助手はいないのです。」

(「ほほう、きみがごほんにんですか。」)

「ホホウ、きみがご本人ですか。」

(そうたろうしはびっくりしました。とどうじに、なんだか、みょうに)

壮太郎氏はびっくりしました。と同時に、なんだか、みょうに

(ゆかいなきもちになってきました。こんなちっぽけなこどもが、)

ゆかいな気持になってきました。こんなちっぽけな子どもが、

(めいたんていだなんて、ほんとうかしら。だが、かおつきやことばづかいは、)

名探偵だなんて、ほんとうかしら。だが、顔つきやことばづかいは、

(なかなかたのもしそうだわい。ひとつ、このこどもにそうだんを)

なかなかたのもしそうだわい。ひとつ、この子どもに相談を

(かけてみるかな。)

かけてみるかな。

(「さっき、でんわぐちでうでききのめいたんていといったのは、きみじしんのことだった)

「さっき、電話口で腕ききの名探偵といったのは、きみ自身のことだった

(のですか。」)

のですか。」

(「ええ、そうです。ぼくはせんせいから、るすちゅうのじけんを)

「ええ、そうです。ぼくは先生から、るす中の事件を

(すっかりまかされているのです。」)

すっかりまかされているのです。」

など

(しょうねんはじしんたっぷりです。)

少年は自信たっぷりです。

(「いま、きみは、そうじのともだちだっていったそうですね。どうしてそうじの)

「今、きみは、壮二の友だちだっていったそうですね。どうして壮二の

(なをしっていました。」)

名を知っていました。」

(「それぐらいのことがわからないでは、たんていのしごとはできません。)

「それぐらいのことがわからないでは、探偵の仕事はできません。

(じつぎょうざっしにあなたのごかぞくのことがでていたのを、きりぬきちょうで)

実業雑誌にあなたのご家族のことが出ていたのを、切りぬき帳で

(しらべてきたのです。でんわで、ひとのいちめいにかかわるというおはなしが)

しらべてきたのです。電話で、人の一命にかかわるというお話が

(あったので、さなえさんか、そうじくんか、どちらかがゆくえふめいにでも)

あったので、早苗さんか、壮二君か、どちらかがゆくえ不明にでも

(なったのではないかとそうぞうしてきました。どうやら、そのそうぞうが)

なったのではないかと想像してきました。どうやら、その想像が

(あたったようですね。それから、このじけんには、れいのにじゅうめんそうのぞくが、)

あたったようですね。それから、この事件には、例の二十面相の賊が、

(かんけいしているのではありませんか。」)

関係しているのではありませんか。」

(こばやししょうねんは、じつにこきみよくくちをききます。)

小林少年は、じつにこきみよく口をききます。

(なるほど、このこどもは、ほんとうにめいたんていかもしれないぞと、)

なるほど、この子どもは、ほんとうに名探偵かもしれないぞと、

(そうたろうしはすっかりかんしんしてしまいました。)

壮太郎氏はすっかり感心してしまいました。

(そこで、こんどうろうじんをおうせつしつによんで、ふたりでじけんのてんまつを、)

そこで、近藤老人を応接室に呼んで、ふたりで事件のてんまつを、

(このしょうねんにくわしくかたりきかせることにしたのです。)

この少年にくわしく語り聞かせることにしたのです。

(しょうねんは、きゅうしょきゅうしょで、みじかいしつもんをはさみながら、ねっしんにきいていましたが、)

少年は、急所急所で、短い質問をはさみながら、熱心に聞いていましたが、

(はなしがすむと、そのかんのんぞうをみたいともうしでました。そして、そうたろうしの)

話がすむと、その観音像を見たいと申し出ました。そして、壮太郎氏の

(あんないで、びじゅつしつにかえったのですが、しばらくのあいだ、)

案内で、美術室に帰ったのですが、しばらくのあいだ、

(ものもいわないで、めをつむって、なにかかんがえごとにふけっているようすでした。)

ものもいわないで、目をつむって、何か考えごとにふけっているようすでした。

(やがて、しょうねんは、ばっちりめをひらくと、ひとひざのりだすようにして、)

やがて、少年は、バッチリ目をひらくと、ひとひざ乗りだすようにして、

(いきごんでいいました。)

意気ごんで言いました。

(「ぼくはひとつうまいしゅだんをかんがえついたのです。あいてがまほうつかいなら、)

「ぼくはひとつうまい手段を考えついたのです。相手が魔法使いなら、

(こっちもまほうつかいになるのです。ひじょうにきけんなしゅだんです。でも、)

こっちも魔法つかいになるのです。ひじょうに危険な手段です。でも、

(きけんをおかさないで、てがらをたてることはできませんからね。)

危険をおかさないで、手がらをたてることはできませんからね。

(ぼくはまえに、もっとあぶないことさえ、やったけいけんがあります。」)

ぼくはまえに、もっとあぶないことさえ、やった経験があります。」

(「ほう、どれはたのもしい。だがいったいどういうしゅだんですね。」)

「ホウ、どれはたのもしい。だがいったいどういう手段ですね。」

(「それはね。」)

「それはね。」

(こばやししょうねんは、いきなりそうたろうしにちかづいて、みみもとになにかささやきました。)

小林少年は、いきなり壮太郎氏に近づいて、耳もとに何かささやきました。

(「え、きみがですか。」)

「え、きみがですか。」

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