怪盗二十面相27

背景
投稿者投稿者kikiいいね0お気に入り登録
プレイ回数1難易度(4.5) 2711打 長文 長文モード推奨

関連タイピング

問題文

ふりがな非表示 ふりがな表示

(こばやししょうねんはそんなことをいって、あたまをなでてやりますと、はとの)

小林少年はそんなことをいって、頭をなでてやりますと、ハトの

(ぴっぽちゃんは、そのことばがわかりでもしたように、くーくーと)

ピッポちゃんは、そのことばがわかりでもしたように、クークーと

(ないてへんじをしました。)

鳴いて返事をしました。

(ぴっぽちゃんは、こばやしたんていのますこっとでした。かれはこのますこっとと)

ピッポちゃんは、小林探偵のマスコットでした。彼はこのマスコットと

(いっしょにいさえすれば、どんなきなんあってもだいじょうぶだという、)

いっしょにいさえすれば、どんな危難きあっても大じょうぶだという、

(しんこうのようなものをもっていたのです。)

信仰のようなものをもっていたのです。

(そればかりではありません。このはとはますこっととしてのほかに、)

そればかりではありません。このハトはマスコットとしてのほかに、

(まだじゅうだいなやくめももっていました。たんていのしごとには、つうしんきかんがなによりも)

まだ重大な役目も持っていました。探偵の仕事には、通信機関が何よりも

(たいせつです。そのためには、けいさつはらじおをそなえたじどうしゃが)

たいせつです。そのためには、警察はラジオをそなえた自動車が

(ありますけれど、ざんねんながらしりつたんていにはそういうものがないのです。)

ありますけれど、残念ながら私立探偵にはそういうものがないのです。

(もしようふくのしたへかくせるようなこがたらじおはっしんきがあれば)

もし洋服の下へかくせるような小型ラジオ発信器があれば

(いちばんいいのですが、そんなものはてにはいらないものですから、)

一番いいのですが、そんなものは手にはいらないものですから、

(こばやししょうねんはでんしょばとという、おもしろいしゅだんをかんがえついたのでした。)

小林少年は伝書バトという、おもしろい手段を考えついたのでした。

(いかにもこどもらしいおもいつきでした。でも、こどものむじゃきな)

いかにも子どもらしい思いつきでした。でも、子どものむじゃきな

(おもいつきが、ときには、おとなをびっくりさせるような、こうかを)

思いつきが、ときには、おとなをびっくりさせるような、効果を

(あらわすことがあるのです。)

あらわすことがあるのです。

(「ぼくのかばんのなかに、ぼくのらじおももっているし、それからぼくの)

「ぼくのカバンの中に、ぼくのラジオも持っているし、それからぼくの

(ひこうきももっているんだ。」)

飛行機も持っているんだ。」

(こばやししょうねんは、さもとくいそうに、そんなひとりごとをいっていることが)

小林少年は、さもとくいそうに、そんなひとりごとをいっていることが

(ありました。なるほど、でんしょばとはらじおでもあり、ひこうきでもあるわけです。)

ありました。なるほど、伝書バトはラジオでもあり、飛行機でもあるわけです。

など

(さて、ななつどうぐのてんけんをおわりますと、かれはまんぞくそうにかばんをころもの)

さて、七つ道具の点検を終わりますと、彼は満足そうにカバンを衣の

(なかにかくし、つぎにはかいちゅうでんとうでちかしつのもようをしらべはじめました。)

中にかくし、つぎには懐中電燈で地下室のもようをしらべはじめました。

(ちかしつはじゅうじょうじきほどのひろさで、しほうこんくりーとのかべにつつまれた、)

地下室は十畳敷きほどの広さで、四ほうコンクリートの壁につつまれた、

(いぜんはものおきにでもつかわれていたらしいへやでした。どこかにかいだんが)

以前は物置きにでも使われていたらしい部屋でした。どこかに階段が

(あるはずだとおもって、さがしてみますと、おおきなきのはしごが、)

あるはずだと思って、さがしてみますと、大きな木のはしごが、

(へやのいっぽうのてんじょうにつりあげてあることがわかりました。でいりぐちを)

部屋のいっぽうの天井につりあげてあることがわかりました。出入り口を

(ふさいだだけではたりないで、かいだんまでとりあげてしまうとは、)

ふさいだだけではたりないで、会談までとりあげてしまうとは、

(じつにようじんぶかいやりかたといわねばなりません。このちょうしで、)

じつに用心ぶかいやり方といわねばなりません。このちょうしで、

(ちかしつからにげだすことなどおもいもおよばないのです。)

地下室から逃げだすことなど思いもおよばないのです。

(へやのすみにいっきゃくのこわれかかったながいすがおかれ、そのうえにいちまいの)

部屋のすみに一脚のこわれかかった長イスがおかれ、その上に一枚の

(ふるもうふがまるめてあるほかには、どうぐらしいものはなにいっぴんありません。)

古毛布がまるめてあるほかには、道具らしいものは何一品ありません。

(まるでろうごくのようなかんじです。)

まるで牢獄のような感じです。

(こばやししょうねんは、そのながいすをみて、おもいあたるところがありました。)

小林少年は、その長イスを見て、思いあたるところがありました。

(「はしばそうじくんは、きっとこのちかしつにかんきんされていたんだ。そして、)

「羽柴壮二君は、きっとこの地下室に監禁されていたんだ。そして、

(このながいすのうえでねむったにちがいない。」)

この長イスの上でねむったにちがいない。」

(そうおもうと、なにかなつかしいかんじがして、かれはながいすにちかづき、)

そう思うと、何かなつかしい感じがして、彼は長イスに近づき、

(くっしょんをおしてみたり、もうふをひろげてみたりするのでした。)

クッションをおしてみたり、毛布をひろげてみたりするのでした。

(「じゃ、ぼくもこのべっどでひとねむりするかな。」)

「じゃ、ぼくもこのベッドでひとねむりするかな。」

(だいたんふてきのこばやししょうねんは、そんなひとりごとをいって、ながいすのうえに、)

大胆不敵の小林少年は、そんなひとりごとをいって、長イスの上に、

(ごろりとよこになりました。)

ゴロリと横になりました。

(ばんじはよるがあけてからのことです。それまでにじゅうぶんえいきを)

万事は夜が明けてからのことです。それまでにじゅうぶん鋭気を

(やしなっておかねばなりません。なるほど、りくつはそのとおりですが、)

やしなっておかねばなりません。なるほど、理くつはそのとおりですが、

(このおそろしいきょうぐうにあって、のんきにひとねむりするなんて、)

このおそろしい境遇にあって、のんきにひとねむりするなんて、

(ふつうのしょうねんには、とてもまねのできないことでした。)

ふつうの少年には、とてもまねのできないことでした。

(「ぴっぽちゃん、さあ、ねむろうよ、そして、おもしろいゆめでもみようよ。」)

「ピッポちゃん、さあ、ねむろうよ、そして、おもしろい夢でもみようよ。」

(こばやししょうねんは、ぴっぽちゃんのはいっているかばんを、だいじそうにだいて、)

小林少年は、ピッポちゃんのはいっているカバンを、だいじそうにだいて、

(やみのなかにめをふさぎました。そしてまもなく、ながいすのしんだいのうえから、)

やみの中に目をふさぎました。そしてまもなく、長イスの寝台の上から、

(すやすやと、さもやすらかなしょうねんのねいきがきこえてくるのでした。)

すやすやと、さも安らかな少年の寝息が聞こえてくるのでした。

問題文を全て表示 一部のみ表示 誤字・脱字等の報告

kikiのタイピング

オススメの新着タイピング

タイピング練習講座 ローマ字入力表 アプリケーションの使い方 よくある質問

人気ランキング

注目キーワード