怪人二十面相58

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(にじゅうめんそうのたいほ)

二十面相の逮捕

(「あ、あけちさん、いま、あなたをおたずねするところでした。あいつは、)

「あ、明智さん、今、あなたをおたずねするところでした。あいつは、

(どこにいますか。」)

どこにいますか。」

(あけちたんていは、てつどうほてるからごじゅうめーとるもあるいたかあるかぬかに、)

明智探偵は、鉄道ホテルから五十メートルも歩いたか歩かぬかに、

(とつぜんよびとめられて、たちどまらなければなりませんでした。)

とつぜん呼びとめられて、立ちどまらなければなりませんでした。

(「ああ、いまにしくん。」)

「ああ、今西君。」

(それはけいしちょうそうさかきんむのいまにしけいじでした。)

それは警視庁捜査課勤務の今西刑事でした。

(「ごあいさつはあとにして、つじのとじしょうするおとこはどうしました。まさか)

「ごあいさつはあとにして、辻野と自称する男はどうしました。まさか

(にがしておしまいになったのじゃありますまいね。」)

逃がしておしまいになったのじゃありますまいね。」

(「きみは、どうしてそれをしっているんです。」)

「きみは、どうしてそれを知っているんです。」

(「こばやしくんがぷらっとほーむでへんなことをしているのをみつけたのです。)

「小林君がプラットホームでへんなことをしているのを見つけたのです。

(あのこどもは、じつにごうじょうですねえ。いくらたずねてもなかなか)

あの子どもは、じつに強情ですねえ。いくらたずねてもなかなか

(いわないのです。しかし、てをかえしなをかえて、とうとうはくじょうさせて)

言わないのです。しかし、手をかえ品をかえて、とうとう白状させて

(しまいましたよ。あなたががいむしょうのつじのというおとこといっしょに、てつどう)

しまいましたよ。あなたが外務省の辻野という男といっしょに、鉄道

(ほてるへはいられたこと、そのつじのがどうやらにじゅうめんそうのへんそうらしい)

ホテルへはいられたこと、その辻野がどうやら二十面相の変装らしい

(ことなどをね。さっそくがいむしょうにでんわをかけてみましたが、つじのさんは)

ことなどをね。さっそく外務省に電話をかけてみましたが、辻野さんは

(ちゃんとしょうにいるんです。そいつはにせものにちがいありません。そこで、)

ちゃんと省にいるんです。そいつはにせものにちがいありません。そこで、

(あなたにおうえんするために、かけつけてきたというわけですよ。」)

あなたに応援するために、かけつけてきたというわけですよ。」

(「それはごくろうさま、だが、あのおとこはもうかえってしまいましたよ。」)

「それはご苦労さま、だが、あの男はもう帰ってしまいましたよ。」

(「えっ、かえってしまった?それじゃ、そいつはにじゅうめんそうでは)

「エッ、帰ってしまった?それじゃ、そいつは二十面相では

など

(なかったのですか?」)

なかったのですか?」

(「にじゅうめんそうでした。なかなかおもしろいおとこですねえ。」)

「二十面相でした。なかなかおもしろい男ですねえ。」

(「あけちさん、あけちさん、あなたなにをじょうだんいってるんです。にじゅうめんそう)

「明智さん、明智さん、あなた何をじょうだん言ってるんです。二十面相

(とわかっていながら、けいさつへしらせもしないで、にがしてやったと)

とわかっていながら、警察へ知らせもしないで、逃がしてやったと

(おっしゃるのですか。」)

おっしゃるのですか。」

(いまにしけいじはあまりのことに、あけちたんていのしょうきをうたがいたくなるほど)

今西刑事はあまりのことに、明智探偵の正気をうたがいたくなるほど

(でした。)

でした。

(「ぼくにすこしかんがえがあるのです。」)

「ぼくに少し考えがあるのです。」

(あけちはすましてこたえます。)

明智はすまして答えます。

(「かんがえがあるといって、そういうことを、いちこじんのあなたが、かってに)

「考えがあるといって、そういうことを、一個人のあなたが、かってに

(きめてくださってはこまりますね。いずれにしてもぞくとわかっていながら、)

きめてくださってはこまりますね。いずれにしても賊とわかっていながら、

(にがすというてはありません。ぼくはしょくむとしてやつをついせきしないわけには)

逃がすという手はありません。ぼくは職務としてやつを追跡しないわけには

(いきません。やつはどちらにいきました。じどうしゃでしょうね。」)

いきません。やつはどちらに行きました。自動車でしょうね。」

(けいじは、みんかんたんていのひとりぎめのしょちを、しきりとふんがいしています。)

刑事は、民間探偵のひとりぎめの処置を、しきりと憤慨しています。

(「きみがついせきするというなら、それはごじゆうですが、おそらくむだでしょう。」)

「きみが追跡するというなら、それはご自由ですが、おそらくむだでしょう。」

(「あなたのおさしずはうけません。ほてるへいってじどうしゃばんごうをしらべて、)

「あなたのおさしずは受けません。ホテルへ行って自動車番号をしらべて、

(てはいをします。」)

手配をします。」

(「ああ、くるまのばんごうなら、ほてるへいかなくても、ぼくがしってますよ。)

「ああ、車の番号なら、ホテルへ行かなくても、ぼくが知ってますよ。

(いちさんはちはちななばんです。」)

一三八八七番です。」

(「え、あなたはくるまのばんごうまでしっているんですか。そして、あとを)

「え、あなたは車の番号まで知っているんですか。そして、あとを

(おおうともなさらないのですか。」)

追おうともなさらないのですか。」

(けいじはふたたびあっけにとられてしまいましたが、いっこくをあらそう)

刑事はふたたびあっけにとられてしまいましたが、一刻をあらそう

(このさい、むえきなもんどうをつづけているわけにはいきません。ばんごうを)

このさい、無益な問答をつづけているわけにはいきません。番号を

(てちょうにかきとめると、すぐまえにあるこうばんへ、とぶようにはしっていきました。)

手帳に書きとめると、すぐ前にある交番へ、とぶように走っていきました。

(けいさつでんわによって、このことがとないのかくけいさつしょへ、こうばんへと、)

警察電話によって、このことが都内の各警察署へ、交番へと、

(またたくまにつたえられました。)

またたく間につたえられました。

(「いちさんはちはちななばんをとらえよ。そのくるまににじゅうめんそうががいむしょうのつじのしに)

「一三八八七番をとらえよ。その車に二十面相が外務省の辻野氏に

(ばけてのっているのだ。」)

化けて乗っているのだ。」

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