怪人二十面相48

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問題文

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(「では、ぼくたちはいそぎますから、これでしつれいします。びじゅつひんは)

「では、ぼくたちは急ぎますから、これで失礼します。美術品は

(じゅうぶんちゅういして、たいせつにほかんするつもりですから、どうかあんしん)

じゅうぶん注意して、たいせつに保管するつもりですから、どうか安心

(してください。では、さようなら。」)

してください。では、さようなら。」

(にじゅうめんそうは、ていねいにいちれいして、けいじにばけたぶかをしたがえ、)

二十面相は、ていねいに一礼して、刑事に化けた部下をしたがえ、

(ゆうぜんと、そのばをたちさりました。)

ゆうぜんと、その場をたちさりました。

(かわいそうなろうじんは、なにかわけのわからぬことをわめきながら、)

かわいそうな老人は、何かわけのわからぬことをわめきながら、

(ぞくのあとをおおうとしましたが、からだじゅうをぐるぐるまきにした)

賊のあとを追おうとしましたが、からだじゅうをぐるぐる巻きにした

(なわのはしが、そこのはしらにしばりつけてあるので、よろよろとたちあがって)

なわのはしが、そこの柱にしばりつけてあるので、ヨロヨロと立ち上がって

(はみたものの、すぐばったりとたおれてしまいました。そして、)

はみたものの、すぐバッタリとたおれてしまいました。そして、

(たおれたまま、くやしさとかなしさに、はぎしりをかみ、なみださえながして、)

たおれたまま、くやしさと悲しさに、歯ぎしりをかみ、涙さえ流して、

(みもだえするのでありました。)

身もだえするのでありました。

(きょじんとかいじん)

巨人と怪人

(びじゅつひんのじけんがあってからはんつきほどたった、あるひのごご、とうきょうえきの)

美術品の事件があってから半月ほどたった、ある日の午後、東京駅の

(ぷらっとほーむのひとごみのなかに、ひとりのかわいらしいしょうねんのすがたが)

プラットホームの人ごみの中に、ひとりのかわいらしい少年の姿が

(みえました。ほかならぬこばやしよしおくんです。どくしゃしょくんにはおなじみの)

見えました。ほかならぬ小林芳雄君です。読者諸君にはおなじみの

(あけちたんていのしょうねんじょしゅです。)

明智探偵の少年助手です。

(こばやしくんは、じゃんぱーすがたで、よくにあうとりうちぼうをかぶって、ぴかぴか)

小林君は、ジャンパー姿で、よく似合う鳥打ち帽をかぶって、ピカピカ

(ひかるくつをこつこついわせながら、ぷらっとふぉーむをいったりきたりして)

光る靴をコツコツいわせながら、プラットフォームを行ったり来たりして

(います。てには、いちまいのしんぶんしをぼうのようにまるめてにぎっています。)

います。手には、一枚の新聞紙を棒のようにまるめてにぎっています。

(どくしゃしょくん、じつはこのしんぶんにはにじゅうめんそうにかんする、あるおどろくべき)

読者諸君、じつはこの新聞には二十面相に関する、あるおどろくべき

など

(きじがのっているのですが、しかし、それについては、もうすこしあとで)

記事がのっているのですが、しかし、それについては、もう少しあとで

(おはなししましょう。)

お話しましょう。

(こばやししょうねんがとうきょうえきにやってきたのは、せんせいのあけちこごろうをでむかえる)

小林少年が東京駅にやってきたのは、先生の明智小五郎を出むかえる

(ためでした。めいたんていは、こんどこそ、ほんとうにがいこくからかえってくるのです。)

ためでした。名探偵は、こんどこそ、ほんとうに外国から帰ってくるのです。

(あけちはぼうこくからのまねきにおうじ、あるじゅうだいなじけんにかんけいし、みごとに)

明智は某国からの招きに応じ、ある重大な事件に関係し、みごとに

(せいこうをおさめてかえってくるのですから、いわばがいせんしょうぐんです。ほんらいならば)

成功をおさめて帰ってくるのですから、いわば凱旋将軍です。本来ならば

(がいむしょうとかみんかんだんたいですから、おおぜいのでむかえがあるはずですが、)

外務省とか民間団体ですから、大ぜいの出むかえがあるはずですが、

(あけちはそういうぎょうぎょうしいことだいきらいでしたし、たんていという)

明智はそういうぎょうぎょうしいこと大きらいでしたし、探偵という

(しょくぎょうじょう、できるだけひとめにつかぬこころがけをしなければなりませんので、)

職業上、できるだけ人目につかぬ心がけをしなければなりませんので、

(おおやけのほうめんにはわざとつうちをしないで、ただじたくだけにとうきょうえきちゃくのじかんを)

公の方面にはわざと通知をしないで、ただ自宅だけに東京駅着の時間を

(しらせておいたのでした。それも、いつもあけちふじんはでむかえを)

しらせておいたのでした。それも、いつも明智夫人は出むかえを

(えんりょして、こばやししょうねんがでかけるならわしになっていました。)

えんりょして、小林少年が出かけるならわしになっていました。

(こばやしくんは、しきりとうでどけいをながめています。もうごふんたつと、)

小林君は、しきりと腕時計をながめています。もう五分たつと、

(まちかねたあけちせんせいのきしゃがとうちゃくするのです。ほとんど、みつきぶりで)

待ちかねた明智先生の汽車が到着するのです。ほとんど、三月ぶりで

(おあいするのです。なつかしさに、なんだかむねがわくわくするようでした。)

お会いするのです。なつかしさに、なんだか胸がワクワクするようでした。

(ふときがつくと、ひとりのりっぱなしんしが、にこにこえがおをつくりながら、)

ふと気がつくと、ひとりのりっぱな紳士が、にこにこ笑顔をつくりながら、

(こばやししょうねんに、ちかづいてきました。)

小林少年に、近づいてきました。

(ねずみいろのあたたかそうなおーばーこーと、とうのすてっき、はんぱくの)

ネズミ色のあたたかそうなオーバー・コート、籐のステッキ、半白の

(とうはつ、はんぱくのくちひげ、でっぷりふとったかおに、べっこうぶちのめがねが)

頭髪、半白の口ひげ、デップリ太った顔に、べっこうぶちのめがねが

(ひかっています。せんぽうでは、にこにこわらいかけていますけれど、こばやしくんは)

光っています。先方では、にこにこ笑いかけていますけれど、小林君は

(まったくみしらぬひとでした。)

まったく見知らぬ人でした。

(「もしやきみは、あけちさんのところのかたじゃありませんか。」)

「もしゃきみは、明智さんのところの方じゃありませんか。」

(しんしは、ふといやさしいこえでたずねました。)

紳士は、太いやさしい声でたずねました。

(「ええ、そうですが・・・・・・。」)

「ええ、そうですが……。」

(けげんがおのしょうねんのかおをみて、しんしはうなずきながら、)

けげん顔の少年の顔を見て、紳士はうなずきながら、

(「わたしは、がいむしょうのつじのというものだが、)

「わたしは、外務省の辻野という者だが、この列車で明智さんが

(このれっしゃであけちさんが)

帰られることがわかったものだから、非公式にお出むかえにきたの

(かえられることがわかったものだから、)

ですよ。少し内密の用件もあるのでね。」

(ひこうしきにおでむかえにきたの)

と説明しました。

(ですよ。すこしないみつのようけんもあるのでね。」)

「ああ、そうですか。ぼく、先生の助手の小林っていうんです。」

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