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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 7303 7.4 98.3% 299.3 2224 38 56 2025/10/09
2 りく 6341 S 6.4 97.9% 353.4 2288 47 56 2025/10/06
3 Jyo 5497 B++ 5.6 97.2% 393.8 2227 62 56 2025/10/04

関連タイピング

問題文

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(「おまえ、くりすますなんかしんじているのか」)

「おまえ、クリスマスなんか信じているのか」

(こばかにしたようなこえ。)

小馬鹿にしたような声。

(いや、まて。なにかおかしい。)

いや、まて。なにかおかしい。

(「さんたくろーすならともかく、)

「サンタクロースならともかく、

(くりすますをしんじるっていうそのがいねんがおかしくないですか」)

クリスマスを信じるっていうその概念がおかしくないですか」

(まさか、さんたどころかくりすますといういべんとじたいをめいしんだと)

まさか、サンタどころかクリスマスというイベント自体を迷信だと

(おやにふきこまれてきたかわいそうなこだったのか、ししょうは。)

親に吹き込まれてきた可哀想な子だったのか、師匠は。

(「ただのことばのあやだ」)

「ただの言葉の綾だ」

(そういってまだわらっている。なんだかくりすますをまえにあせっている)

そう言ってまだ笑っている。なんだかクリスマスを前に焦っている

(こちらのはらのなかをよまれたようなきがして、はずかしくなった。)

こちらの腹の中を読まれた様な気がして、恥ずかしくなった。

(「そういえば、くりすますにまつわるかいだんばなしがあるよ」)

「そういえば、クリスマスにまつわる怪談話があるよ」

(「どんなはなしですか」)

「どんな話ですか」

(「じつわなんだけど」)

「実話なんだけど」

(といってししょうはこたつのなかでごそごそうごいていたかとおもうと、)

と言って師匠はコタツの中でゴソゴソ動いていたかと思うと、

(ぬいだばかりのくつしたをゆかにおいた。)

脱いだばかりの靴下を床に置いた。

(「おととしだったか、そのまえだったか、くりすますいぶにひとりでいたんだよ。)

「おととしだったか、その前だったか、クリスマスイブに一人でいたんだよ。

(このへやに。やけにさむいひだったな。さんたでもこねえかなとおもって、)

この部屋に。やけに寒い日だったな。サンタでも来ねえかなと思って、

(まくらもとにくつしたをおいといたんだ。こんなふうに。)

枕元に靴下を置いといたんだ。こんな風に。

(ねるまえにちゃんととじまりして、よし、これであさおきてくつしたになにかはいってたら、)

寝る前にちゃんと戸締りして、よし、これで朝起きて靴下になにか入ってたら、

(さんたかくていだと。もちろんじょうだんのつもりだ。)

サンタ確定だと。もちろん冗談のつもりだ。

など

(まあいべんとごとだし、きぶんのもんだいだから。で、ねたわけ」)

まあイベントごとだし、気分の問題だから。で、寝たわけ」

(え・・・・・そこからかいだんになるって、どういうことだ。まさか。)

え・・・・・そこから怪談になるって、どういうことだ。まさか。

(どきどきしながらきいていると、ししょうはゆかにおいたくつしたをてにとる。)

ドキドキしながら聞いていると、師匠は床に置いた靴下を手に取る。

(「あさおきたら、はいってるんだよ」)

「朝起きたら、入ってるんだよ」

(「うそでしょう」)

「うそでしょう」

(きゅうにとりはだがたった。おもわずこえがおおきくなる。)

急に鳥肌が立った。思わず声が大きくなる。

(「いや、ほんとうだ。はいってたんだよ、わたしのあしが」)

「いや、本当だ。入ってたんだよ、私の足が」

(ししょうはしんけんなひょうじょうのままくちもとをおさえるしぐさをする。)

師匠は真剣な表情のまま口元を押さえる仕草をする。

(ちからがぬけた。)

力が抜けた。

(「さむかったせいかな。ふだんはふゆでもくつしたはかずにねるから、)

「寒かったせいかな。普段は冬でも靴下履かずに寝るから、

(ねぼけてはいちゃったらしい」)

寝ぼけて履いちゃったらしい」

(からかわれたとしって、はらがたってきた。)

からかわれたと知って、腹が立ってきた。

(もういいです、といってこたつにはいったままうしろにたおれこむ。)

もういいです、と言ってコタツに入ったまま後ろに倒れ込む。

(「いや、わたしからしたらけっこうこわかったんだって」といいわけをしていたが、)

「いや、私からしたら結構怖かったんだって」と言い訳をしていたが、

(やがてしずかになった。)

やがて静かになった。

(ふたたびまんねんひつがかみのうえをはしるおと。)

再び万年筆が紙の上を走る音。

(しばしのあいだかんがえごとをしたあと、てんじょうをみながらぼんやりといった。)

しばしの間考えごとをした後、天井を見ながらぼんやりと言った。

(「おととしはそれとして、ことしのいぶはどうなんです」)

「一昨年はそれとして、今年のイブはどうなんです」

(ぺんさきのおとがとまった。)

ペン先の音が止まった。

(にかいきいたのだ。)

二回訊いたのだ。

(いくらこのひとでもどういういみできいているのかわかっただろう。)

いくらこの人でもどういう意味で訊いているのか分かっただろう。

(かおはつめたく。あしはあたたかい。)

顔は冷たく。足は温かい。

(わずかなちんもくのあとで、「おとまり」というたんごがでてきた。)

わずかな沈黙の後で、「お泊まり」という単語が出てきた。

(「あ、ちがった。おとまり」)

「あ、違った。お泊まり」

(にかいいった。)

二回言った。

(そのにかいめはいちおんせつごとにくぎり、しかもくねくねしたうごきがついていた。)

その二回目は一音節ごとに区切り、しかもくねくねした動きがついていた。

(「そうですか」)

「そうですか」

(もういいや。かえろう。)

もういいや。帰ろう。

(そうおもったとき、ししょうがいがいなことをいった。)

そう思った時、師匠が意外なことを言った。

(「おまえもくるか」)

「おまえも来るか」

(「はぁ?」)

「ハァ?」

(おもわずはねおきた。どうしてそうなるのだ。)

思わず跳ね起きた。どうしてそうなるのだ。

(ぼくのうごきにおどろいたのか、ししょうのしんたいがびくりとはんのうすながれ。)

僕の動きに驚いたのか、師匠の身体がビクリと反応す流。

(「いや、そんなによいところじゃないぞ。ひなびたおんせんやどだ」)

「いや、そんなに良い所じゃないぞ。鄙びた温泉宿だ」

(「いきます」ととりあえずそくとうしておいてからぎもんをくちにする。)

「行きます」と取り合えず即答しておいてから疑問を口にする。

(「なんでくりすますいぶにおんせんなんですか」)

「なんでクリスマスイブに温泉なんですか」

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