未 本編 -2-

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師匠シリーズ
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問題文

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(「さあ。いちばんおおいかっこうだからじゃない」)

「さあ。一番多い格好だからじゃない」

(ししょうはすべてのせんいをとりさり、すべすべになったみかんを)

師匠はすべての繊維を取り去り、すべすべになったみかんを

(まんぞくにながめながらいった。)

満足に眺めながら言った。

(「まあ、げんちをみてみないことにはな」)

「まあ、現地を見てみないことにはな」

(そうですね。)

そうですね。

(まどのそとにめをやろうとしたしゅんかん、とんねるにはいった。)

窓の外に目をやろうとした瞬間、トンネルに入った。

(「そういえば、さいちょうでなんにちくらいむこうにいるんですか」)

「そういえば、最長で何日くらい向こうにいるんですか」

(じぶんもそうだが、ししょうのにもつもあまりおおくない。)

自分もそうだが、師匠の荷物もあまり多くない。

(「そのおんせんでとしこしをむかえるなじみきゃくがなんくみかいるらしくてな。)

「その温泉で年越しを迎える馴染み客が何組かいるらしくてな。

(おそくともにじゅうくにちまでにはなんとかしたいらしい。)

遅くとも二十九日までにはなんとかしたいらしい。

(まあみっかもあればなんとかなるんじゃないか」)

まあ三日もあればなんとかなるんじゃないか」

(にじゅうよん、にじゅうご、にじゅうろく、とししょうはゆびをおった。)

二十四、二十五、二十六、と師匠は指を折った。

(「みっかですか」)

「三日ですか」

(ぼくとしてはししょうがでむけばそくかいけつか、かいけつふのうかどちらかのような)

僕としては師匠が出向けば即解決か、解決不能かどちらかのような

(きがしていた。みっかというのはちゅうとはんぱなかんじだ。)

気がしていた。三日というのは中途半端な感じだ。

(「つよきにでたいけど、かんぬしのれいがでるってのはただごとじゃないきがする。)

「強気に出たいけど、神主の霊が出るってのはただごとじゃない気がする。

(まあそれもふまえてみっかだ」)

まあそれも踏まえて三日だ」

(ししょうがすべすべのみかんをまるごとくちにほうりこんだしゅんかん、とんねるをぬけた。)

師匠がすべすべのみかんをまるごと口に放り込んだ瞬間、トンネルを抜けた。

(いっしゅんで、ひかりがでんしゃのなかにみちる。)

一瞬で、光が電車の中に満ちる。

(「お、ついたぞ。にしかわまちだ」もぐもぐとくちをうごかしながらししょうがまどにはりつく。)

「お、着いたぞ。西川町だ」もぐもぐと口を動かしながら師匠が窓に張り付く。

など

(ゆるいこうばいのやまがしほうをかこんだ、ぼんちのようなちけいにでた。)

緩い勾配の山が四方を囲んだ、盆地のような地形に出た。

(かわがせんろとへいこうにはしっている。)

川が線路と並行に走っている。

(たはたがひろがっているそのむこうに、かすかにしがいちがみえる。)

田畑が広がっているその向こうに、かすかに市街地が見える。

(あまりたかいびるのすがたはなさそうだ。)

あまり高いビルの姿はなさそうだ。

(「さあ、おばけをみにいこう」)

「さあ、お化けを見に行こう」

(ししょうはめをほそめてうれしそうにいった。)

師匠は目を細めて嬉しそうに言った。

(ふるびたえきのこうないからでると、もうしわけていどのちいさなろーたりーにいちだいのばんが)

古びた駅の構内から出ると、申し訳程度の小さなロータリーに一台のバンが

(とまっていて、そのそばでにじゅうだいなかばとおぼしきとしかっこうのじょせいが)

止まっていて、そのそばで二十代半ばとおぼしき年恰好の女性が

(たったままたばこをふかしていた。)

立ったままタバコをふかしていた。

(ばんのそくめんには「りょかん とかの」とおおきなもじでかいてあった。)

バンの側面には「旅館 とかの」と大きな文字で書いてあった。

(「あ、おがわちょうさじむしょのひと?」)

「あ、小川調査事務所のヒト?」

(じょせいがこちらにきがついてたばこをじめんにおとしてふみつけた。)

女性がこちらに気がついてタバコを地面に落として踏みつけた。

(ちぇっくのしゃつに、じーんず、すにーかーというかっこう。)

チェックのシャツに、ジーンズ、スニーカーという格好。

(「わたし、「とかの」でなかいをしているいぐちひろこっての。よろしくね。)

「私、「とかの」で仲居をしている井口広子っての。よろしくね。

(あ、にもつうしろにのっけるから」)

あ、荷物後ろに乗っけるから」

(そういってばんのこうぶどあをあけると、ぼくとししょうのばっぐを)

そう言ってバンの後部ドアを開けると、僕と師匠のバッグを

(にだいにひょいひょいとほうりこんだ。)

荷台にひょいひょいと放り込んだ。

(すりむなたいけいにみえるが、いがいにちからがあるようだ。)

スリムな体型に見えるが、意外に力があるようだ。

(「まあ、のってのって」)

「まあ、乗って乗って」

(ぼくらをしゅうのうしおわると、すぐにばんははっしんした。)

僕らを収納し終わると、すぐにバンは発信した。

(はいごのえきがちいさくなっていく。)

背後の駅が小さくなっていく。

(「ばすのるーとをおしえてもらってましたけど」)

「バスのルートを教えてもらってましたけど」

(ししょうがくしゃくしゃになったかみをてにしながらいった。)

師匠がクシャクシャになった紙を手にしながら言った。

(「あ、そう?まあ、ちょうどわたしがひまだったから。それにばすだと)

「あ、そう?まあ、ちょうど私が暇だったから。それにバスだと

(いちどやくばのほうへまわるからだいぶとおまわりなのよね」)

一度役場の方へ回るからだいぶ遠回りなのよね」

(ひろこさんはあまりていねいとはいいがたいくちょうだったが、)

広子さんはあまり丁寧とは言いがたい口調だったが、

(どこかしらこうかんをもてるきゃらくたーだった。)

どこかしら好感を持てるキャラクターだった。

(「ねえ、あんまりくわしくきいてないんだけど、あなたじょれいとかするひとなの?」)

「ねえ、あんまり詳しく聞いてないんだけど、あなた除霊とかするヒトなの?」

(「じょれいはできませんよ。ただ・・・・・」ししょうはぶえんりよなといかけに)

「除霊はできませんよ。ただ・・・・・」師匠は無遠慮な問いかけに

(くしょうする。「ただ、かいけつするだけです」)

苦笑する。「ただ、解決するだけです」

(「ふうん」)

「ふうん」

(ひろこさんはばっくみらーごしにこうぶざせきのぼくのほうをみた。)

広子さんはバックミラー越しに後部座席の僕の方を見た。

(「そっちのこが、じょしゅってこ?」)

「そっちのコが、助手ってコ?」

(「はあ。どうも」)

「はあ。どうも」

(えしゃくすると、ひろこさんはかおをへんにちゅうおうへよせてえがおをつくった。)

会釈すると、広子さんは顔を変に中央へ寄せて笑顔を作った。

(おもわずこちらもつられてわらってしまう。)

思わずこちらもつられて笑ってしまう。

(それからしばらくぼくらはばんのざせきをゆられつづけた。)

それからしばらく僕らはバンの座席を揺られ続けた。

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