未 本編 -4-

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師匠シリーズ
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問題文

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(こうしんじょのしょちょうはぼくらばいとにもめいしをつくってくれていた。)

興信所の所長は僕らバイトにも名刺を作ってくれていた。

(ただし、おおきなこえではいえないのだが、ぎめいだ。)

ただし、大きな声では言えないのだが、偽名だ。

(ばれやしないかといつもふあんになる。)

バレやしないかといつも不安になる。

(おかみもふところからめいしをだしておたがいにこうかんした。)

女将も懐から名刺を出してお互いに交換した。

(「よろしくおねがいします」)

「よろしくお願いします」

(おかみもふところからめいしをだしておたがいにこうかんした。)

女将も懐から名刺を出してお互いに交換した。

(「よろしくおねがいします」)

「よろしくお願いします」

(とくにめいしのなまえにぎもんをもったふうもなく、)

特に名刺の名前に疑問を持った風もなく、

(おかみはにこやかに「まずおへやへどうぞ」とかたてをひろげた。)

女将はにこやかに「まずお部屋へどうぞ」と片手を広げた。

(ろびーをまわりこむようにぬけると、さきへのびるろうかとかいだんがあり、)

ロビーを回り込むように抜けると、先へ伸びる廊下と階段があり、

(ぼくらはにかいにあんないされた。)

僕らは二階に案内された。

(ほんらいししょうがひとりでやってくるはずのところを、きゅうきょぼくもじょしゅとして)

本来師匠が一人でやってくるはずのところを、急きょ僕も助手として

(ついていくことになったので、へやがふたりぶんよういされているかふあんだったが、)

ついていくことになったので、部屋が二人分用意されているか不安だったが、

(ならびふたつきちんとかまえられていた。)

並び二つきちんとかまえられていた。

(わしつのなかにとおされると、おもったよりひろく、かぞくづれなどのぐるーぷきゃくがつかう)

和室の中に通されると、思ったより広く、家族連れなどのグループ客が使う

(し、ごにんようのへやのようだった。)

四、五人用の部屋のようだった。

(こんなところをひとりでつかうのはもうしわけないきぶんになる。)

こんなところを一人で使うのは申し訳ない気分になる。

(おかみは「きょうはあとふたくみおみえになっているだけですから、おにかいは)

女将は「今日はあと二組お見えになっているだけですから、お二階は

(すべてあいておりますので」とこちらのかんがえをみとおしたようなことをいって、)

すべて空いておりますので」とこちらの考えを見通したようなことを言って、

(「またあとでまいります。えんろおつかれでしょうからまずはおくつろぎください」と)

「また後で参ります。遠路お疲れでしょうからまずはおくつろぎください」と

など

(さっていった。)

去っていった。

(ぼくとしては、「もうしわけありません、ひとへやしかよういできず」、)

僕としては、「申し訳ありません、一部屋しか用意できず」、

(「いえいえ、いっこうにかまいません。ねえししょう」、)

「いえいえ、一向に構いません。ねえ師匠」、

(「しょうがないなあ。ふとんだけははなしてしいてくださいね」というてんかいを)

「しょうがないなあ。布団だけは離して敷いて下さいね」という展開を

(こころのどこかではきたいしていたので、いくぶんがっかりしたのだが。)

心のどこかでは期待していたので、幾分がっかりしたのだが。

(とりあえずにもつをおいて、へやのてーぶるにあったちゃがしをつかむと)

とりあえず荷物を置いて、部屋のテーブルにあった茶菓子をつかむと

(となりのししょうのへやへいどうした。おなじようなつくりのわしつだ。)

隣の師匠の部屋へ移動した。同じような造りの和室だ。

(となりのへやではししょうがさっそくおちゃをいれていたので、)

隣の部屋では師匠がさっそくお茶をいれていたので、

(ごしょうばんにあずかることにする。)

ご相伴に預かることにする。

(「おもったよりいいところだな」)

「思ったよりいいところだな」

(ししょうのことばにぼくはこれまでにみたこのりょかんのぱーつ、ぱーつをおもいうかべ、)

師匠の言葉に僕はこれまでに見たこの旅館のパーツ、パーツを思い浮かべ、

(そしてうなずいた。)

そして頷いた。

(「ただでとめてもらって、そのうえ、ばいとだいももらえるなんてさいこうじゃないか」)

「ただで泊めてもらって、その上、バイト代ももらえるなんて最高じゃないか」

(「そのぶんぷれっしゃーなんですけど」)

「その分プレッシャーなんですけど」

(くちにすると、なんだかほんとうにふあんになってきた。)

口にすると、なんだか本当に不安になってきた。

(こうしんじょのつねとして、せいこうほうしゅうはべつとして、たとえいらいないようがたっせいできなくても)

興信所の常として、成功報酬は別として、たとえ依頼内容が達成できなくても

(さいていげんのきほんりょうきんははらってもらうのだ。)

最低限の基本料金は払ってもらうのだ。

(もしこれでなにもせいかなくにげかえるようなことになったら、)

もしこれでなにも成果なく逃げ帰るようなことになったら、

(とおもうと・・・・・)

と思うと・・・・・

(「いいじゃないか。おばけをたいじしたらすむことなんだから」)

「いいじゃないか。お化けを退治したら済むことなんだから」

(「そう。それなんですよ。なにかかんじますか、このりょかんに」)

「そう。それなんですよ。なにか感じますか、この旅館に」

(ぼくはなにもかんじない。いまのところは。だが。)

僕はなにも感じない。今のところは。だが。

(ししょうは「うんにゃあ」ときのないそぶりでくびをふると、)

師匠は「うんにゃあ」と気のないそぶりで首を振ると、

(ちゃがしにてをのばした。)

茶菓子に手を伸ばした。

(「とりあえず、ただのうわさとかかんちがいのろせんでうらづけをとるほうこうですか?)

「とりあえず、ただの噂とか勘違いの路線で裏付けを取る方向ですか?

(それともあくまでほんものというぜんていでやっつけにいきますか」)

それともあくまで本物という前提でやっつけに行きますか」

(これだけなにもけはいをかんじないとなると、「みる」のはたいへんそうだ。)

これだけなにも気配を感じないとなると、「見る」のは大変そうだ。

(「なあ、だいじょうぶじゃないか。きいたはなしでも、でるのはよるだっていうし。)

「なあ、大丈夫じゃないか。聞いた話でも、出るのは夜だっていうし。

(それにかんだけど、こんかいのはたぶんほんものだよ」)

それにカンだけど、今回のはたぶんホンモノだよ」

(ししょうはあっけらかんとしている。「おちゃうめえ」などといって)

師匠はあっけらかんとしている。「お茶うめえ」などと言って

(ぼくのぶんのちゃがしにまでてをつけている。)

僕の分の茶菓子にまで手をつけている。

(そうこうしているうちに、おかみがやってきた。)

そうこうしているうちに、女将がやってきた。

(そしていらいのことをくちにだそうとしたとき、ししょうがそれをせいした。)

そして以来のことを口に出そうとしたとき、師匠がそれを制した。

(「ばしょをかえましょう。このへやでは、しゅかくがぎゃくてんしてしまう」)

「場所を変えましょう。この部屋では、主客が逆転してしまう」

(おかみはいがいそうなかおをしたが、すぐにほほえんで「ではしたのおうせつしつで」といった。)

女将は意外そうな顔をしたが、すぐに微笑んで「では下の応接室で」と言った。

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