未 本編 -25-
cicciさんのアカウント
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| 順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | berry | 7795 | 神 | 7.9 | 98.2% | 380.1 | 3016 | 53 | 57 | 2025/11/13 |
| 2 | Jyo | 5667 | A | 5.7 | 98.1% | 522.3 | 3016 | 56 | 57 | 2025/11/12 |
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問題文
(「みょうじんとりいだ。ふくちゅうもない、いっぱんてきなものだな」)
「明神鳥居だ。副注もない、一般的なものだな」
(しんぷるなかたちをしているが、ふるびたたたずまいはもりとそのおくのやまみちをまもりつづける)
シンプルな形をしているが、古びた佇まいは森とその奥の山道を守り続ける
(ちょうきゅうのときがながれをかんじさせてくれる。)
長久の時が流れを感じさせてくれる。
(「あれ。でもこないだいったじんじゃでこれをおなじかたちのをみましたけど、)
「あれ。でもこないだ行った神社でこれを同じ形のを見ましたけど、
(かすがとりいっていってなかったですか」)
春日鳥居って言ってなかったですか」
(ししょうはふりむくと、とりいのじょうぶをゆびさしながらいった。)
師匠は振り向くと、鳥居の上部を指差しながら言った。
(「かさぎをみろ。りょうたんがちゅうおうぶにくらべてそりあがっているだろう。そりまし、)
「笠木を見ろ。両端が中央部に比べて反り上がっているだろう。反り増し、
(といって、それがあるのがみょうじんけい、ないのがしんめいけいのとりいだ。しゅんじつとりいは)
と言って、それがあるのが明神系、ないのが神明系の鳥居だ。春日鳥居は
(しんめいけい。ていうかこないだのとのはぜんぜんかたちがちがうだろ。だいいしもあるし」)
神明系。ていうかこないだのとのは全然形が違うだろ。台石もあるし」
(せっきょうがはじまりそうだったので、とりいからめをそらし、そのりょうわきをかためるように)
説教が始まりそうだったので、鳥居から目を逸らし、その両脇を固めるように
(はいちされていたこまいぬにちかよって「なかなかりっぱなこまいぬですね」と)
配置されていた狛犬に近寄って「なかなか立派な狛犬ですね」と
(こけむしたそのからだをさわった。とりいのみぎがわにあるそれは、きびしいかおをして)
苔むしたその身体を触った。鳥居の右側にあるそれは、厳しい顔をして
(くちをとじ、ふところにいるちいさなこまいぬのあたまをなでているすがたをしている。)
口を閉じ、懐にいる小さな狛犬の頭を撫でている姿をしている。
(しかしししょうはそこにもだめだしをしてくる。)
しかし師匠はそこにもダメ出しをしてくる。
(「よくみろ。それはししだ」)
「よく見ろ。それは獅子だ」
(「は?」)
「は?」
(「あたまにほうじゅをのせているだろう。そっちの、あたまにつのがはえているほうがこまいぬだ」)
「頭に宝珠を載せているだろう。そっちの、頭に角が生えている方が狛犬だ」
(そういわれてはんたいがわにはいちされていたほうのせきぞうをみると、)
そう言われて反対側に配置されていた方の石像を見ると、
(たしかにつのがはえている。くちはうなりをあげるようにひらかれ、)
確かに角が生えている。口は唸りを上げるように開かれ、
(あしもとのまるいたまをふみつけているすがただった。)
足元の丸い玉を踏みつけている姿だった。
(「もともとはししとこまいぬがいっついになっているのがせいしきなものだが、)
「元々は獅子と狛犬が一対になっているのが正式なものだが、
(じだいがくだるにつれてししとこまいぬのくべつがなくなって、)
時代が下るにつれて獅子と狛犬の区別がなくなって、
(いまじゃりょうほうともいっぱんてきに「こまいぬ」とよぶけどな。)
今じゃ両方とも一般的に「狛犬」と呼ぶけどな。
(ほんらいはしゃでんにむかってみぎがわがししで、ひだりがこまいぬ。)
本来は社殿に向かって右側が獅子で、左が狛犬。
(おなじくみぎがわがくちをあいたあぎょう、ひだりがくちをとじたうんぎょう。ここのはあうんは)
同じく右側が口を開いた阿形、左が口を閉じた吽形。ここのは阿吽は
(ぎゃくはいちだな。しかしこのみぎがわはあきらかにししのとくちょうをそなえている」)
逆配置だな。しかしこの右側は明らかに獅子の特徴を備えている」
(いわれてまじまじとみくらべたが、ふつうのこまいぬとなにがちがうのかわからなかった。)
言われてまじまじと見比べたが、普通の狛犬となにが違うのか分からなかった。
(「まあどうでもいいよ。こまいぬなんてじんじゃによってせんさばんべつだ。)
「まあどうでもいいよ。狛犬なんて神社によって千差万別だ。
(しょくにんのこせいであって、まつっているかみさまともほとんどかんけいがない」)
職人の個性であって、祀っている神様ともほとんど関係がない」
(さきにいくぞ。)
先に行くぞ。
(ししょうはさっさととりいをもぐっていってしまう。ぼくもあわててあとをおう。)
師匠はさっさと鳥居を潜って行ってしまう。僕も慌てて後を追う。
(さんどうはながく、そのみちのはしにはひかくてきこぶりなくすのきがえだはを)
参道は長く、その道の端には比較的小ぶりなクスノキが枝葉を
(せいいっぱいのばしてたちならんでいる。そのしたをとおるとちちち・・・・・という)
精一杯伸ばして立ち並んでいる。その下を通るとチチチ・・・・・という
(とりのなきごえがずじょうからきこえてくる。)
鳥の鳴き声が頭上から聞こえてくる。
(とちゅうでちょうずやがあったので、ならんでくちをすすいだ。)
途中で手水舎があったので、並んで口をすすいだ。
(さんどうのおくにはいでんがみえてきた。とおくからみたいんしょうよりもかなりおおきい。)
参道の奥に拝殿が見えてきた。遠くから見た印象よりもかなり大きい。
(たまじゃりをふみながらけいだいをすすむと、はいでんのそばでほうきをもって)
玉砂利を踏みながら境内を進むと、拝殿のそばで箒を持って
(かれはをはいているだんせいのすがたがあった。)
枯葉を掃いている男性の姿があった。
(はくいのうえにくろいきものをかさねぎして、したはうすあおいはかまというかっこうをしている。)
白衣の上に黒い着物を重ね着して、下は薄青い袴という格好をしている。
(みるからにさむそうだ。しかしだんせいはへいぜんとしたみのこなしで)
見るからに寒そうだ。しかし男性は平然とした身のこなしで
(こちらにむきなおり、「おまちしておりました」とほほえみかけてきた。)
こちらに向き直り、「お待ちしておりました」と微笑みかけてきた。
(このわかみやじんじゃのぐうじであるいしざかしょういちさんだった。かずおのちちおやであり、)
この若宮神社の宮司である石坂章一さんだった。和雄の父親であり、
(ほりのふかいかおがよくにている。もうごじゅっさいはすぎているとおもわれるが、)
彫りの深い顔が良く似ている。もう五十歳は過ぎていると思われるが、
(せすじはぴんとはっていてせもかなりたかい。)
背筋はピンと張っていて背もかなり高い。
(ししょうのことはすでにおかみからきいているようだ。あいさつをかわし、)
師匠のことはすでに女将から聞いているようだ。挨拶を交わし、
(さっそくほんだいにはいる。)
さっそく本題に入る。
(「とかのにあらわれるというかんぬしすがたのれいですが、おこころあたりはないんですね」)
「とかのに現れるという神主姿の霊ですが、お心あたりはないんですね」
(「はい」)
「はい」
(しょういちさんはためいきをつきながら、とまどっております、といった。)
章一さんは溜め息をつきながら、戸惑っております、と言った。
(「かずおさんにもききましたが、こちらのしょうぞくがぬすまれるようなことは)
「和雄さんにも訊きましたが、こちらの装束が盗まれるようなことは
(ありませんでしたね」)
ありませんでしたね」
(「ええ」)
「ええ」
(「まあ、わたしもこれがだれかのいたずらなんていうせんはかんがえていませんが、)
「まあ、わたしもこれが誰かのイタズラなんていう線は考えていませんが、
(うわさにびんじょうしただれかがよからぬことをかんがえるということは)
噂に便乗した誰かが良からぬことを考えるということは
(ありえないはなしではありませんから」)
ありえない話ではありませんから」
(はいれいをさせていただいていいですか?)
拝礼をさせていただいていいですか?
(とししょうはいってはいでんにちかづいていく。)
と師匠は言って拝殿に近づいていく。