グラン・トリノ　あらすじ

(りょうりにおかしと、おれいをもっておしかけるが、うぉるとにはめいわくなだけだった。)

料理にお菓子と、お礼を持って押しかけるが、ウォルトには迷惑なだけだった。

(すうじつご、うぉるとはすーがこくじんのふたりぐみにからまれているところをたすけてやる。)

数日後、ウォルトはスーが黒人の二人組に絡まれているところを助けてやる。

(ほがらかできてんのきくすーとのかいわは、うぉるとじしんいがいなことにじつにたのしい)

朗らかで機転の利くスーとの会話は、ウォルト自身意外なことに実に楽しい

(ものだった。そしてそんなあるひ、うぉるとはすーからじたくにしょうたいされる。)

ものだった。そしてそんなある日、ウォルトはスーから自宅に招待される。

(びーるにつられてたずね、さいしょはきまずいくうきになれないうぉるとだったが、)

ビールに釣られて訪ね、最初は気まずい空気に慣れないウォルトだったが、

(こうりゅうするにつれ、「どうにもならないみうちより、ここのれんちゅうのほうがみぢかに)

交流するにつれ、「どうにもならない身内より、ここの連中の方が身近に

(おもえる」とつぶやく。うぉるとをたずねてきたすーとははおやは、じどうしゃせっとうみすいの)

思える」と呟く。ウォルトを訪ねて来たスーと母親は、自動車窃盗未遂の

(おわびに、たおをはたらかせてほしいとごういんにたのみこむ。しぶしぶひきうけた)

お詫びに、タオを働かせてほしいと強引に頼み込む。渋々引き受けた

(うぉるととたおのふしぎなこうりゅうがはじまった。きんりんのいえのしゅうぜんをめいじられた)

ウォルトとタオの不思議な交流が始まった。近隣の家の修繕を命じられた

(たおは、ろうどうのよろこびにめざめていく。てほんとなるちちおやがいないたおにとって、)

タオは、労働の喜びに目覚めていく。手本となる父親がいないタオにとって、

(うぉるとはまさにじんせいのしだった。うぉるともまた、いきいきとはたらくたおを)

ウォルトはまさに人生の師だった。ウォルトもまた、生き生きと働くタオを

(みなおしはじめる。やくそくのにっすうがすぎても、たおはなにかとうぉるとをてつだうのだった)

見直し始める。約束の日数が過ぎても、タオは何かとウォルトを手伝うのだった

(たおにけんせつげんばのしごとをせわし、じまんのこうぐをかしあたえるうぉると。いまや)

タオに建設現場の仕事を世話し、自慢の工具を貸し与えるウォルト。今や

(うぉるとは、たおをいちにんまえのおとこにするというじんせいのさいごにふさわしいしごとに、)

ウォルトは、タオを一人前の男にするという人生の最後に相応しい仕事に、

(いきるよろこびをかんじていた。なにもかもがじゅんちょうにみえたが、じつはうぉるとのからだは)

生きる歓びを感じていた。何もかもが順調に見えたが、実はウォルトの体は

(やまいにむしばまれていた。さらに、すぱいだーたちのいやがらせがさいねつする。)

病に蝕まれていた。さらに、スパイダーたちの嫌がらせが再熱する。

(たおはすぱいだーにかおにたばこをおしつけられ、うぉるとからゆずりうけたこうぐを)

タオはスパイダーに顔に煙草を押し付けられ、ウォルトから譲り受けた工具を

(こわされてしまう。げきこうしたうぉるとは、ちんぴらどもをなぐりじゅうをむけ、たおに)

壊されてしまう。激昂したウォルトは、チンピラどもを殴り銃を向け、タオに

(これいじょうちかづかないようけいこくする。しかし、うぉるとがうけてたったばかりに)

これ以上近づかないよう警告する。しかし、ウォルトが受けて立ったばかりに

(あらそいはさらにかそく。うぉるとはたおとかぞくのいのちのきけんさえかんじはじめていた。)

争いはさらに加速。ウォルトはタオと家族の命の危険さえ感じ始めていた。

(ついにすぱいだーたちがたおのいえにはっぽうする。たおはけいしょう、ははおやたちもむきずで)

ついにスパイダーたちがタオの家に発砲する。タオは軽傷、母親たちも無傷で

(すんだが、すーのすがたがどこにもない。うぉるとのいやなよかんはてきちゅうし、)

済んだが、スーの姿がどこにもない。ウォルトの嫌な予感は的中し、

(すぱいだーたちにらんぼうされたすーがちぬれのかおでぼろぼろのすがたとなってきたくする)

スパイダーたちに乱暴されたスーが血濡れの顔でボロボロの姿となって帰宅する

(ふくしゅうにもえるたおをちかしつにとじこめ、うぉるとはあるさくせんをむねに、このじょうきょうに)

復讐に燃えるタオを地下室に閉じ込め、ウォルトはある作戦を胸に、この状況に

(ひとりでけっちゃくをつけようとしていた。ちょうせんせんそうのきかんへいだったうぉると。)

一人で決着をつけようとしていた。朝鮮戦争の帰還兵だったウォルト。

(ちょうせんはんとうのぜんせんにおくられ、そうぜつなたたかいのけいけんをひきずっていたうぉるとは、)

朝鮮半島の前線に送られ、壮絶な戦いの経験を引きずっていたウォルトは、

(「せんそうでくんしょうなんてさいあくだ」といいのこし、すぱいだーたちのすみかへひとりで)

「戦争で勲章なんて最悪だ」と言い残し、スパイダーたちの住処へ一人で

(むかう。ぜんいんからじゅうをむけられても、よゆうさえかんじさせるどうさで、)

向かう。全員から銃を向けられても、余裕さえ感じさせる動作で、

(うぉるとはたばこをくわえ、うわぎのぽけっとにてをいれる。きょうふにかられた)

ウォルトは煙草をくわえ、上着のポケットに手を入れる。恐怖に駆られた

(すぱいだーたちは、いっせいにじゅうをはっぽう。うぉるとをしゃさつするが、ぽけっとに)

スパイダーたちは、一斉に銃を発砲。ウォルトを射殺するが、ポケットに

(あったのはだいいちきへいしだんのじっぽー。うぉるとがとりだそうとしたのはじゅうでは)

あったのは第一騎兵師団のジッポー。ウォルトが取り出そうとしたのは銃では

(なく、あいようのらいたーだった。うぉるとのさくせんは、じぶんのいのちとひきかえに)

なく、愛用のライターだった。ウォルトの作戦は、自分の命と引き換えに

(すぱいだーたちをけいむしょにいれ、たおとすーのみらいをまもることだったのだ。)

スパイダーたちを刑務所に入れ、タオとスーの未来を守ることだったのだ。

(たおとすーがげんばについたときには、すべてのけっちゃくがついていた。たおはけいさつから、)

タオとスーが現場に着いた時には、全ての決着がついていた。タオは警察から、

(うぉるとがぶきをなにももたずひとりでぎゃんぐのいえにむかっていったことや)

ウォルトが武器を何も持たず一人でギャングの家に向かって行ったことや

(もくげきしょうげん、そしてうぉるとがまるごしだったことから、すぱいだーたちには)

目撃証言、そしてウォルトが丸腰だったことから、スパイダーたちには

(ちょうきけいがみこまれるときかされる。うぉるとのしご、こうかいされたいしょには、)

長期刑が見込まれると聞かされる。ウォルトの死後、公開された遺書には、

(あいしゃ「ぐらん・とりの」はたおにゆずる、としるされていた。うぉるとのあいけん)

愛車「グラン・トリノ」はタオに譲る、と記されていた。ウォルトの愛犬

(でいじーをのせ、かいがんせんをはしるたお。ゆうじん・うぉるとのおもいでとともに・・・。)

デイジーを乗せ、海岸線を走るタオ。友人・ウォルトの思い出と共に・・・。