オバマ大統領広島演説②

(ひろしまとながさきにざんこくなけつまつをもたらしたせかいたいせんは、もっともゆたかで)

広島と長崎に残酷な結末をもたらした世界大戦は、最も豊かで

(もっともきょうりょくなくにぐにのあいだのせんそうだった。かれらのぶんめいは、せかいのいだいな)

最も強力な国々の間の戦争だった。彼らの文明は、世界の偉大な

(としやすばらしいげいじゅつをうんだ。そのしそうかたちはせいぎとちょうわと)

都市や素晴らしい芸術を産んだ。その思想家たちは正義と調和と

(しんじつについてのかんがえをしんてんさせた。しかし、もっともたんじゅんなぶぞくかん)

真実についての考えを進展させた。しかし、最も単純な部族間

(ふんそうのげんいんとなったしはいやせいふくへのおなじきほんてきなほんのうによって)

紛争の原因となった支配や征服への同じ基本的な本能によって

(せんそうへとはってんした。ふるいぱたーんがあたらしいのうりょくによって、あらたな)

戦争へと発展した。古いパターンが新しい能力によって、新たな

(せいやくもなくぞうふくした。すうねんのあいだに、およそ６０００まんにんがなくなった。)

制約もなく増幅した。数年の間に、およそ6000万人が亡くなった。

(われわれとなんらちがいのないだんせい、じょせい、こどもたちが、うたれ、たたかれ、)

我々と何ら違いのない男性、女性、子供達が、撃たれ、叩かれ、

(こうしんさせられ、ばくげきされ、しゅうようされ、うえさせられ、がすでころされた。)

行進させられ、爆撃され、収容され、飢えさせられ、ガスで殺された。

(せかいじゅうに、このせんそうをきろくするおおくのばしょがある。ゆうきとえいゆうのものがたりを)

世界中に、この戦争を記録する多くの場所がある。勇気と英雄の物語を

(しめすきねんひ、ことばではいいあらわせないあくぎょうがこだまするぼちやからになった)

示す記念碑、言葉では言い表せない悪行がこだまする墓地や空になった

(しゅうようじょがある。しかしこのそらにたちのぼったきのこぐものすがたは、にんげんせいのちゅうしん)

収容所がある。しかしこの空に立ち上ったきのこ雲の姿は、人間性の中心

(にあるむじゅんをもっともせんめいにそうきさせる。われわれをしゅとしてとくちょうづけるひらめき、)

にある矛盾を最も鮮明に想起させる。我々を種として特徴づける閃き、

(しそう、そうい、げんご、どうぐをつくること、しぜんかいからじんるいをくべつし、しぜんを)

思想、創意、言語、道具を作ること、自然界から人類を区別し、自然を

(われわれのいしにしたがわせるのうりょく。これらがいかに、ふそうおうなはかいりょくをわれわれに)

我々の遺志に従わせる能力。これらがいかに、不相応な破壊力を我々に

(あたえるかということを。ぶっしつてきなしんぽやしゃかいかくしんが、どれほどこのしんじつ)

与えるかということを。物質的な進歩や社会革新が、どれ程この真実

(からわれわれのめをそらさせるのだろうか。われわれはよりこうどなりゆうのため、)

から我々の目をそらさせるのだろうか。我々はより高度な理由のため、

(ぼうりょくをせいとうかすることをいかにかんたんにまなんでしまうのだろうか。)

暴力を正当化することをいかに簡単に学んでしまうのだろうか。

(すべてのいだいなしゅうきょうはあいとへいわとせいぎのみちをやくそくするが、いかなるしゅうきょうにも)

全ての偉大な宗教は愛と平和と正義の道を約束するが、いかなる宗教にも

(しんきょうをりゆうにひとをころすことができるとしゅちょうしたしんじゃがいた。)

信教を理由に人を殺すことができると主張した信者がいた。